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ベルギー(四歳)の雑記部屋

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四季と志貴の場合

月姫 SideStory

『白昼夢』
 






ケース1 四季と志貴の場合










例えばそれが一瞬の、取る足らない白昼夢だったとしても・・






「よぉ、っておい。またこんなところに来たのかよお前」


またって別に好き好んでやってきてるわけでもないんだが。


いつかの夏の日に彼と再びまみえたあの空間。


俺が言う所の俺の願望が見せる夢。
彼が言う所の夢ではない何処か。


かつての彼、今ではいなくなってしまった彼。
白髪の着物を着流した彼に一応ながらも抗議してみる。


「いや別に俺だって来たくて来たわけじゃないんだが。何と言うかこれには理由があってアルクと秋葉の奴がそれにシエル先輩も加わって・・」


「は。また相変わらずな毎日を送ってますってか」


彼は俺の言葉を最後まで聞かずに肩をすくめる。
最初からお見通しだぜ。
そんな雰囲気を漂わせた皮肉たっぷりな言い方だ。
つまり俺の話なんて元から聞く気などなかったというわけで・・


なら最初からそう言えというのだ。


「多分、君の想像通りだと思うからあえて言及はしないでおくよ」


まぁ悔しいかなその通りなので何も言い返せないわけなんだが
彼はそんな俺の様子を見て楽しそうに笑う。


「ククク・・しっかしお前も凶運と言うか何と言うか。そういう星の元に生まれてるんだろーな。救いようがねぇ」


「人の災難を楽しそうに言うなよ」


「一番、救いがないのはその災難とやらを本人自身が不幸だと思ってないところだな」


解ったような彼の口ぶりに反論しようとして、うっと唸る。


「・・・それはあるかもしれない」


まぁ、何と言おうか悲しい性とでも言おうか。


「ま、お前にゃ似合ってるよ。と言うかそれ以外にもうお前の居場所を想像できん」


「末期症状だな」



「違いねぇ」


どちらともなく笑う。


「でも驚いた」


ひとしきり笑った後、彼に一番、聞きたかったことを聞いてみる事にした。


「何が?」


不思議そうな彼の顔。


「いや、なんて言うか・・・」


「あぁ、俺がお前の言う所の『夢』の中に出てくるのにか?」


「うん」


「それは、まぁ俺も驚いてるんだがな。推測でしかないんだが、俺が存在する居場所としての空間が恒常的にお前の中にできちまってるみたいなんだわ。チャンネルが開いてるって感じで」


「・・・よく解らない」


「まぁ、いいじゃねぇか。どうせ『夢』なんだしよ?」


確かにそうなんだけどね。


「…そうだな」


呟いた俺に彼は手に持っていた徳利を差し出してくる。


「あれだ。お前が嫌じゃなけりゃ、いつでも来い。愚痴のはけ口程度にはなってやるさ」


「ん」


「取り合えず飲めや」


「うん、飲もう」




考えても仕方ない事はとりあえず後回しにという事で。








・・・例えばそれが一瞬の、取る足らない白酔夢だったとしても






END







あとがきのようなもの


てなわけで月姫SSです。
四季と志貴です。

心の綺麗なそんでもって現実の世界にちょっと疲れてる人にしか見えない不思議な妖精シーキー!

てなテンションで書いてたんですけどね、えぇ最初は

それが何故かとんだほのぼのSSに!

まぁいいか。

一応、このSSは短編連作と言う形を取って連載と言う形にしようと思ってます。

何というか『四季が鬼妹になじられたり腹黒メイドに苛められたりするの楽しいだろうなぁ』と言う妄想が全開なのです。

次回は鬼妹がシーキーのところにやってくる感じです。

ほのぼのだったりギャグだったり!

請うご期待~



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