私のブログ

2009/11/20(金)23:55

ペット考4

生物(94)

うちでは猫を1匹飼っているのだが、小心者で、常にびくびくしているのだ。そういう状況を見透かしてか、近所の飼い猫が、うちの庭に入り浸るようになった。その近所の猫は、飼い主からろくな扱いを受けていないようで、最初に見たときは死に瀕した老猫が死に場所を見つけて居ついているのかと思ったほどだ。 当初は勝手に家に侵入して食い物を漁ったりしていた。戸締りを強化して不法進入は防いだが、それでもやってくる。 今にも死にそうな姿を哀れに思ったのか、ついに猫好きの親父がえさを与え始めてしまった。 個人的には、うちではすでに長年にわたって飼っている猫が居るので、他所の猫に餌付けなどして欲しくなかったのだが、結果的に日中はうちの庭を根城とするようになったみたいだ。 これが野良猫だったらまだ考える余地があるが、近所の飼い猫である。ついにはその猫は玄関を陣取るまでずうずうしくなった。 玄関の戸を開けると猫が居るので毎回びっくりするんだ。オレもむこう(猫)も。 夏の頃はガリガリで死ぬ寸前と思われたその猫は、今ではでっぷり太って毛並みも随分良くなってしまった。 ところで、親父はえさで猫を手なずけるが、オレはエサなしで手なずけることができる。今でこそ猫を手なずけるのが得意なオレだが、昔はオレを見ただけで猫が全力で逃亡するぐらい猫に嫌われていた。 猫の心をつかむコツを覚えたのは、高校の頃だ。飼っていた猫が子を産んだ際に、その中になんとなく気が合う猫がいて、常にコミュニケーションをとっていた。朝学校に行く前に遊ぶ。帰ってきてからまた遊ぶ。そんなことを繰り返しているうちに、オレが帰ってきただけで、その猫が全力疾走で俺に向かって突進してきてジャンプしてしがみつくまでになった。 どこにいるかわからない常態でも、呼ぶと、どこからともなく疾走音が聞こえてきて、オレに飛びついてくるのであった。 しかし、間もなくオレは進学して東京に行ってしまったため、その猫とは離別することとなった。しかしたまに帰郷すると、オレのことを覚えていてくれて、むちゃくちゃはしゃいで喜んでくれるのであった。家族も、オレが帰ってくるとその猫のテンションが上がるので随分不思議がっていた。 オレにとっては不思議なことではなく、生まれた当初から特に可愛がっていて、本能的にオレのキャラが刷り込まれているためだとわかっていたが。 しかしながらその猫は死んだ。原因はオレだ。 とある冬に帰省した際に、その猫は案の定テンションが上がってしまい、外は極寒の嵐みたいな天候なのに、真夜中外に駆け出していってしまった。いつもなら30分もすれば戻ってきたのに、その晩は戻ってこなかった。 その猫は結果的にしばらく家を空けた。オレはそこまでしか知らない。 猫は帰ってきたが、なんか性質の悪い風邪かなんかを患っていて、動物病院にいって治療したり輸血したりしながら随分がんばったようだが、そろそろ春になるかという3月ぐらいに死んだ。動物病院の先生によると、いつ死んでもおかしくないのに随分粘ったそうだ。 最期はオレのオフクロが看取ったらしいが、話を聞くとなんだかかわいそうだったな。よろよろになりながらもあまりにもその猫ががんばるんで、もう延命の輸血もやめて、自然な状態で死なしてやったようだ。 ところがオレがその事実を知ったのが、夏に帰省したときなんだ。隠されていたのさ。 家に帰ってすぐ、病気したと聞いていたのでその猫に会わせてくれと親父に言ったんだ。そうしたら、あいつは天国へ行ったと言う。最初はわけがわからず、親父は一体何を言ってるのかと思った。問い詰めると、春に死んだという。 頭にきたね。何で隠してたんだよと。 誰がなんと言おうと、一番オレになついていたからね。その猫はメスだったんだが、最初に出産したとき、オレがたまたま帰省中で、ある晩やたらとオレの部屋に入りたがるので入れてやったんだが、朝起きたら、オレのベッドの下で出産してやがった。 あの光景は忘れられないなあ。朝起きてなんかベッドの下でキーキーと声がするので見たら、ずらっと子猫が授乳してるんだ。親となったその猫はゴロゴロ喉を鳴らして、どうだ、といわんばかりにオレを見ながらとても幸せそうだった。猫は出産に当たっては一番安全と思われる場所を探して産むわけだが、ホント三つ子の魂百までで、オレのところが一番安全と判断してくれたことが嬉しかったね。 しかし動物の死ってのは泣くね。オレも立ち直るのに随分時間かかったもの。隠されていたから余計に。 まあ、それはともかく、オレが言いたいのは、うちではすでに長年飼っている猫が居るので、近所の猫に肩入れするのはやめたほうが良いのではということだ。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る