テーマ:食べ物あれこれ(49617)
カテゴリ:おいらの幼少時代
『饅頭怖い』という落語の演目がある。
饅頭が怖いという若者を懲らしめようと、饅頭をその若者の家にたくさん投げ込むと、饅頭怖い!饅頭怖い!怖いから食べちゃえ!といって喜んで全部食べちゃう。饅頭を投げ込んだ者たちが怒って、「本当に怖いものは何だ!」と問い詰めると今度は「お茶が怖い」…というオチがつく話だ。 これは落語の演目だが、実はおいらが子供のとき、本当に怖い饅頭があった。 昔、おふくろの親戚筋に、毎度毎度お決まりのお土産を持ってくる人がいた。 もうおじいちゃんだったから、お土産を何にするのか考えたくないのか、それとも自分がそのお菓子をこよなく愛しているからか・・・それは定かではないが、それはまぁ・・・毎度毎度同じお菓子ばかりお土産に持って来てくれた。 このお菓子こそ、とにかくゾッとするほど不味い饅頭・・・。 我が家はまるで『パブロフの犬』のごとく、この饅頭の名前を聞いただけで、鳥肌が全身総立ちとなってしまうほど、このお菓子に対して拒絶反応を示し、恐れていた。 この饅頭の名前・・・ あああ・・・これは言っちゃいかん。饅頭の名前に地名が付いている。でも・・・言いたい!その地名を言ってしまいたい! ・ ・・ほらほら・・・あそこだよ!あそこぉ!!アソコなんだよなぁ・・・。 ・・・ということで、この饅頭の名前を敢えて『アソコの里』としておこう。 とにかく『そのおじいさんが来る!』と言ったら、『君と僕とはコンビだよ!』といわんばかり『アソコの里』がニッコリ微笑みながら傍らに付いて来るので、我が家では何とかして隙あらばコンビを引き裂いてやろうと企んでいた。 しかし、我々が『アソコの里』を大好きだと信じて疑わないおじいさんが「はい・・・これ、いつものお土産です♪」と言いながら、これまた我々が喜んで食べていると信じて疑わず、ニッコリ微笑む『アソコの里』を手渡されると、非情にコンビを引き裂くことができなくなり「あ・・・あぁ!!こ・・・これ、いつも、あ・・・あわ・・・ありがとうございます♪」と引きつった笑みで受け取らざるを得なくなってしまうのだ。 そして、おじいさんが帰った後、一家落胆し「また・・・受け取ってしまった・・・」と、これから味わう食地獄に恐れ慄くのである。 それからが大変だ。 早く始末したいもんだから『アソコの里』がいたるところに登場する。 何かと言ったら『アソコの里』! おやつの時間も『アソコの里』! お客さんにも『アソコの里』! しかもチャ~~ンス!とばかりに『アソコの里』のてんこ盛り。お好きなだけどうぞ♪である。 回覧板を持ってきた子供たちにも『アソコの里』! 「これ美味しいよぉ~♪」といって『アソコの里』がごく自然に配られる。 涙ぐましい努力だ・・・。 うちはうちで、お袋が饅頭の皮の一部を嫌々食い、親父があんこを嫌々食う。そんな苦痛に顔を歪ませながら『アソコの里』を食っている両親の顔を見て、おいらも苦痛を味わう。 おいらは食べない・・・。 しかしそれでも無くならないと、終いには一人何個という重いノルマが課せられる。 捨てればいいじゃないか!と言われるかもしれないが、昭和一桁生まれの両親は食べ物を捨てるなんて持っての他。捨てるくらいなら苦しみながら食う道を選ぶ。 そして何より怖いのは、前回持ってこられた『アソコの里』が残っているのに、またニュー『アソコの里』を持って、おじいちゃんが嬉しそうにうちに現れたときは、泡を吹いて卒倒しそうになった。 一度、何を血迷ったのか今までよりもひと回り大きいサイズの『アソコの里』を持って来られたことがあったが、あの時もノイローゼになるほど始末に悩み苦しんだ。 まさに「饅頭怖いぃ!!」である・・・。 何時の頃からかこのおじいちゃん、うちに姿を見せなくなり『アソコの里地獄』から開放されたが、おいらは未だに饅頭が怖い。もし、おいらを懲らしめたいと言う方は『アソコの里』以外の饅頭を、イヤと言うほど送ってきて欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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饅頭怖い 引き込まれました
味ですか 甘党ではないのですか 子供の頃は 甘い物無かったので饅頭 を一遍に 何個も食べた記憶があります 大あんまき 10本食べると無料 挑戦しました (2006年11月01日 00時02分33秒)
こんにちは♪
重いノルマ・・・わかるような・・・。 『アソコの里地獄』から抜け出せて良かったですね(^_^;) キャリーは『アレの卵地獄』にはまったことがありますよ・・・。 色違いがでたとかで、大量に届いたことが・・・。 意外と懐かしい、思い出の味になってたりして・・・。 『アソコの里』はどこで買えるんですか?(笑) (2006年11月01日 12時32分15秒)
今回はホラーですね!笑
人に食べ物を配るのも貰うのも大好きな私です。 いつ『アソコの里』の被害者や加害者になってもおかしくありません。。食卓を『アソコの里』状態にしないように気をつけます。(笑) どれだけまずいのか気になりますね~。 (2006年11月01日 19時43分11秒)
トンカツ1188さん
>饅頭怖い 引き込まれました >味ですか 甘党ではないのですか >子供の頃は 甘い物無かったので饅頭 >を一遍に 何個も食べた記憶があります > >大あんまき 10本食べると無料 挑戦しました ああああ!!残念!! そんなトンカツさんに、てんこ盛りで差し上げたかったです!!あの忌々しい『アソコの里』。 『アソコの里』3個貰っていただければ、おまけが1個ついたのになぁ・・・。 残念でした・・・(爆) (2006年11月01日 23時33分37秒)
キャリー.Bさん
>こんにちは♪ >重いノルマ・・・わかるような・・・。 >『アソコの里地獄』から抜け出せて良かったですね(^_^;) アソコの里からの開放=おじいちゃんの他界という線が強いので、手放しで喜ぶこともできなかったのですが、見えないようにガッツポーズです・・・(爆) >キャリーは『アレの卵地獄』にはまったことがありますよ・・・。 あ・・・アレの卵?? >色違いがでたとかで、大量に届いたことが・・・。 >意外と懐かしい、思い出の味になってたりして・・・。 なんと・・・見えない話・・・(爆) >『アソコの里』はどこで買えるんですか?(笑) え・・・それを聞いちゃ・・・おしめぇよぉ・・・(爆) (2006年11月01日 23時38分25秒)
*Ren*さん
>今回はホラーですね!笑 はい。ホラーバージョンです。(爆) 毎回、何の変哲もない話を脚色するのが大変です・・・(爆) >人に食べ物を配るのも貰うのも大好きな私です。 > >いつ『アソコの里』の被害者や加害者になってもおかしくありません。。食卓を『アソコの里』状態にしないように気をつけます。(笑) そうなんですよねぇ・・・。意外に加害者になってる可能性もありますよねぇ・・・。 >どれだけまずいのか気になりますね~。 あ・・・その表現は、おいらでも難しい・・・(爆) (2006年11月01日 23時40分44秒)
マン○、アソコの○ (@@;
再びアソコ椿は恋の花に戻ってしまう私(爆) すっごい日記ですねぇ、公にこんなすごい事書いても構わないのでしょうか??(爆) (2006年11月02日 13時49分38秒)
ぢんこωさん
>マン○、アソコの○ (@@; >再びアソコ椿は恋の花に戻ってしまう私(爆) まんまと罠にはまっていただいたようですねぇ・・・(爆) もうちょっと本文の『アソコ』をひねろうと思ったのですが、今回はさらりと・・・。 >すっごい日記ですねぇ、公にこんなすごい事書いても構わないのでしょうか??(爆) ・・・すごかったですか? アソコが? それともまずい饅頭が? ま、とにかく・・・饅頭を送ってくださいませ。(爆) (2006年11月02日 23時23分03秒)
池波正太郎は小説「剣客商売」の中で堂々と「毛饅頭」と書いておられます(^-^)v
(2006年11月03日 00時35分34秒)
ぢんこωさん
>池波正太郎は小説「剣客商売」の中で堂々と「毛饅頭」と書いておられます(^-^)v 出たぁぁぁぁ~~!池波先生の『毛饅頭』ばなしぃぃ~~~!!(爆) 以前も同じコメントいただいた記憶があります・・・(爆) (2006年11月03日 22時06分25秒) |
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