猫といねむり。

2007/10/21(日)16:38

よい動物病院の探しかた・見分けかた--その(2) 動物病院の下見をする

よい動物病院の探しかた[総合](5)

その(1) 「動物病院の所在を確認する」の続きです。 動物病院の所在を確認する作業を通じて作った、動物病院の名前、住所、営業時間、休業日をチェックしたメモを持ち「動物病院の下見をする」ことをします。 下見なので猫を連れて行く必要はありません。 1. 第一の目的は、混雑具合を確かめることです。 診察時間内に行きます。たいていの病院では、午前中診察時間の一番最初から1時間くらい、診察時間終わりの30分前くらいが混みやすい時間帯です。午後はまちまちです。 病院の休業日翌日に午前中診察時間の少し前に行くと、定期的に通っていらっしゃる方々が入り口前で待っていることもあります。このとき誰もいない--ということはしっかりメモっておきます。院長先生や副院長先生など、病院をささえる中核となる先生の休業日翌日の一番早い診察時間についても同じことがいえます。 複数の病院の下見を一緒にすると混み具合の差が分かってよいです。ある病院では満員なのに、他方では20~30分待っても誰もいない・・ということもあります。ただし複数の獣医さんが勤務されている場合は曜日によって混み具合も異なります。できれば平日と土日とに分けて違いを見るといいと思います。 日をかえて何度見ても誰も人がいない病院には×をつけます。できれば行くことを止めておくほうがいい病院のひとつかもしれません。誰もいない原因を追及する必要はありません。ここでホームドクター候補からいったんはずします。いつ見ても混んでいる病院には一応○をつけておきます。 2. 第二の目的は、病院の構造・雰囲気を確かめることです。 まず、待合室で犬からのストレスを猫が受けにくいような工夫をなさっているかどうかをチェックします。 猫専門病院でない限り、病院に犬も来ます。待合室が狭ければ狭いほど犬が苦手な猫にはストレスが多くなります。待合室が広ければ猫のストレスを回避する場所を自主的に作ることも可能です。自分が猫を連れて行ったときに猫も自分もストレスなく待つことができるかどうか?を基準に、動物病院に × △ ○ をつけていきます。 次に、病院の周りやなかが清潔かどうかをチェックします。 病院の入り口付近では、病院へ行くことに恐怖やストレスに感じた犬がおしっこをしてしまうこともあります。匂いが強く残っていれば、すぐに掃除をする余裕のない病院、清潔さに関心のない病院かもしれないと推測できます。 人手が少なすぎると動物の手術の際に思いもかけない不手際を起こす危険性があります。清潔さへの関心が少なすぎると、免疫力が著しく低下した猫に院内感染が生じる危険性もあります。自分の猫の状態、自分の清潔度との比較で、耐えられるか、危険ではないか、という基準で動物病院に × △ ○ をつけていきます。 そして診察室に診療料金をかかげているかどうかもチェックします。 自由診療となっている動物病院を利用するうえで、明朗会計は大事なことです。緊急に手術や投薬が必要になったときに思いもかけない料金を請求されると困ります。継続的に動物病院を利用しなければならない疾患がある場合にも、治療を継続できるかどうかにかかわる重要な要素になります。 複数の獣医師が勤務する病院では、待合室内にわかりやすく掲示していることがあります。料金パネルを壁に掲示していなくても、冊子にして窓口においてあるところもあります。そこで、料金表をパネルで掲げていないということだけではこの段階では×にできません。 3. 第三の目的は、交通手段の確認です。 ご自身の車で行く場合には動物病院に十分な駐車スペースが確保されているかを確認します。動物病院のご近所の方に迷惑をかけないような駐車場があるかはとても大事です。 タクシーで行く場合は、帰りの足の確保がスムーズにできるかをチェックします。動物病院からタクシーの送迎の手配を連絡してもらう場合にも停車場所に問題がないかを確認します。また一回あたりの料金を把握しておくことも大事です。 バスで行くならば、運行本数が十分にあるか、バス内の混雑具合はどうか、を確かめます。余裕を持って自分が座れる時間帯や、キャリーバックを安全に置く余裕があるかどうかを確認します。 徒歩で行く場合は、おおよその徒歩時間を記憶します。重たいかもしれない猫をどのように持っていくかを検討するためです。雨の日も通院しなければならないときがあるかもしれません。キャリーバックを持ちやすい形のものにしたり(リュック型やバギータイプのものなどもあります)、自転車の荷台にキャリーバックをしっかりヒモで結わえて載せて自転車を引っ張って歩いたりなど、自分と猫が危険なく歩けるように工夫を考えます。 4. 第四の目的は、患者さんたちの様子を確かめることです。 もしも可能であれば診察を待っている人の実際の感想を聞くことができるとよいと思います。混雑している病院では大型犬などは外で診察を待っていらっしゃることもあります。犬は得意でも猫は苦手という先生もいらっしゃいます。引っ越してきたばかりで猫のために動物病院を探していることやよりよい先生を捜していることなどを率直に話してみると、思いもかけずいろいろな情報を教えていただけることがあります。 ここで得た情報も忘れないように、持ってきたメモに耳より情報としてつけておきます。教えていただいた情報のみで病院に×はつけません。あとで自分の目でしっかり確かめます。 5. 家に帰って、それぞれの病院について総合的な判断をします。 ×がひとつでもあれば、×にします。○はもちろんホームドクター候補です。しかし△+も候補です。実際に病院のなかに入って診察の様子を確認してから○か×かを決める微妙なラインにあるからです。これを見極めるためには、動物病院のなかに入って、実際にスタッフの方や先生の様子をしっかり見る必要があります。 そこで、次に「動物病院でカルテを作る」作業をします(しかし、この段階でもまだ猫は連れて行きません)。 ~次回は  「その3:動物病院でカルテを作る」 です。 ●バックナンバー ・その(1) 「動物病院の所在を確認する」 ・その(2)「動物病院を下見する」 ・その(3)「動物病院でカルテを作る」 ・その(4)「動物病院に猫を連れて行く」 ・その(5)「動物病院で相談してみる」 ←[Home]に戻る ※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに]をご覧ください。

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