空間・計画研究所/An Architect

2008/07/30(水)00:21

新日鉄、ごみから水素

新技術(36)

昨日の日経新聞夕刊によれば、 新日本製鉄は家庭やオフィスから出るごみを原料にして、 燃料電池自動車などに使う水素を取り出す技術を開発したという。 製鉄所のノウハウを応用して、ゴミを高熱で分解し、 有用な水素を取り出すという。 ゴミ処理費用を約二割減少させられるのが特徴であり、 自治体などに設備を売り込む計画という。 処理可能なのは神類や生ゴミと言った都市のゴミのほか、 廃プラスチックや木材、汚泥、タイヤなどであろという。 同社の八幡製鉄所に1日20トンのごみを処理できる試験炉を設置し、 北九州市からゴミの提供をうけ、経済産業省の支援をうけ、 京都大学、北九州市立大学と共同研究したという。 ごみを処理するのは、3種類の炉であり、 まずごみを蒸し焼きにして炭化し、 次に摂氏1300度の高温で不完全燃焼させて、 水素を取り出すという。 炭化した時に出るタールからも水素を得る仕組みという。 水素のみならず、メタノールなどを取り出して 化学原料としても使えるという。 水素を燃やして発電した場合、発電効率は28%前後であるといい、 廃棄物発電より10ポイント近く効率が良いという。 それにもかかわらず、設備の価格は既存のゴミ焼却炉と ほぼ同程度という。 ゴミからエネルギーを取り出す有望な方法が実現されつつあるようである。

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