モノが、語る、物語。

高校野球、大好きです。
高校時代はマネージャー、卒業してからは場内アナウンスで
15年以上高校野球に触れてきました。
母校は進学校で、間違いでも起きない限り甲子園出場なんてことはなさそう。
だから鹿児島から出場したチームはめちゃめちゃ応援します。

ただ、今回の神村学園は、いままでとはちょっと違うんです。
創部３年目だから、とにかくなじみがない。
「神村学園」という名前になったのも数年前だから、
人によっては、「どこ？」と思うかも。

私も長年高校野球を見てきましたが、
ここ２年ほどは球場から遠ざかっていたので
神村学園の試合というのを見たことがなかったんです。
甲子園出場と聞いて「そんなに強いの？」と思ったくらい。

だから甲子園でもまともな試合ができるとは思っていませんでした。
一つ勝てば上等、くらい。
それが、あれよあれよという間に決勝進出。

決勝戦は、きっと選手たちにとっては悔いの残る試合だったと思います。
エースが連投でなければ、疲れがなければ・・・。
私たちだって、そんな気持ちもあります。
でも、大健闘ですよね！！！！

試合後にやってきたおば様が「ボロ負けだったねぇ」と言いました。
私、正直言ってカチンと来ました。
だって、三連投ですよ、エースは。
それに創部三年目での快挙ですよ。
鹿児島県勢はこの７年間、初戦突破もなかったんですよ。
センバツ出場さえも鹿児島県としては久しぶりなんですよ。
負けても、準優勝ですよ！！！

「でも、一つ勝てばいいと思ってたのに準優勝ですよ」
というと、
「なに！？決勝戦だったの！？」
ですって。
何聞いてたんだっつーの。
ラジオで再三、決勝って言ってたのに。
しかも「４位決定戦だと思ってた」だって。
野球にそんなのありませんし、
あるとしても３位決定戦ですよーだ！

ものすごい快挙を成し遂げたのに、軽く言っちゃうおば様が許せなくて
「全国で二位なんですよ。ものすごいことですよ」と
付け加えちゃいました。

でも確かに、残念だなという気持ちはあります。
あと一つで全国制覇ですもの。

なんで人間ってこんなに欲が深いんでしょうね。
一回戦勝てばいいか、って思ってたんだから
上出来も上出来だったのに。

「神村学園」という、鹿児島県民さえも良く知らないチームが
甲子園に出場して、
まさか勝ち進むとは思わず・・・
でも勝ち進んでみると、上が見えて欲が出たんですね。
逆に二回戦負けくらいのほうが、
選手や私たちも「残念」という気持ちは少なかったのかもしれません。

鹿児島県民でさえ、高校野球大好きな私でさえ
なじみの薄かった神村学園。
これで、私たちの気持ちの中でも
今までよりずっとずっと、「ふるさとのチーム」という気持ちが強くなりました。
本当にありがとう、神村学園の選手の皆さん。