石鯛ウィーク
内房の保田で仕入れてきた寒い時期のイシダイちゃん。小さいがこの時期のイシダイは脂が乗っていて美味しい聞いているので、早速スタートクッキング。まずは釣ってきた当日、30cm級を一枚捌いてカルパッチョに。隊長が食べようと思った時には一切れしか残っていなかったので、きっと美味しかったのだろう。釣った日のお味を確かめておきたかったので、一部お造りに。当日だと硬いだろうと薄造りにしてみたのだが、これが正解。コリコリとしているが、ゴムのような食感ではなく、ほのかな甘味も感じられ、お刺身の中ではトップクラスのお味だ。イシダイは皮も美味しいということなので、いつものように湯引きすることに。湯引きすると『蛇の皮?』と思えるような感じに、、、。湯引きした肝と一緒に自家製柚子ポンで戴いてみると、なるほど、メジナの皮をさらにゴツクした感じだが、コリコリとした食感は硬すぎず、珍味としてはいい感じ。ただ、肝はちょっと磯臭さが残ってしまったので、調理法を再検討する必要がありそうだ。さて、お造りにした残りのアラは、いつものようにお鍋へGO。大粒の脂が浮いてきて、これはいい出汁がとれそうだと期待が膨らむ。お椀に盛っても期待通りの上品はお味にコクも出ており、お酒を飲んだ締めにもってこいの一品。さて、翌日は定番の塩焼き。やはり家庭用グリルではところどころ焦げてしまい、見栄えはあまりよろしくないが、『小さいのは塩焼きが一番』と言われているだけあり、焼いても身がプリプリしていて他のお魚にはない味わい。そして殿下にご好評いただいたのが、塩コショウで下味をつけてバターだけで焼いた『イシダイのポアレ』。このポアレ、身がしっかりと締まっているので、お魚と鶏肉の中間のような食感が美味しかったのか、殿下によって瞬殺。しかしもっと美味しかったのが、アクアパッツァ。今まで幾多のお魚で作ってきたアクアパッツァだが、以前使った『アラ』に匹敵するお魚だ。身質がアラに似ていて、程よく身が締まり、お魚の旨さが凝縮されており、イサキやアマダイの『フワフワ』した炊き上がりと一味ちがった炊き上がりだ。さてさて下処理して4日寝かせたイシダイちゃん、姫様が修学旅行のシンガポールから帰国するのに合わせてお造りに。今回は日本食が恋しくなっているであろう姫様を想い、日本料理らしく活き造りにしてみた。もちろん、脂の乗ったハラスは湯引きにして隊長のハラスになっていただく。噂に違わぬイシダイちゃんの実力を存分に味わい尽くした一週間。海の神様、貴重な海の恵みをありがとうございました。