カテゴリ:銀座
お店◆ふぐいとう◆
価格◆ふぐ刺しコース1万円(+酒代)◆ お話◆伊藤寛敏さん◆ 今回の「銀のキャラバン」では、ふぐ料理の専門店「ふぐいとう」の伊藤寛敏(いとうひろとし)さんにお話を伺いました。「銀座のフグ」ですよ。さーて、どんな方がやってらっしゃるんでしょう。(ふぐの写真はぐるなびからいただきました。) * * うちでは、フグのコースが1万円、それに酒代っていうのがメインだね。 酒は、1千円のひれ酒(ひれ酒の器に。安い!)に500円のビール。 1千円でひれ酒出す店は、そうないと思うよ。 このコースはフグの刺身が中心。 昔? はじめは赤坂の料亭で仕事をしていたね。 東京で二人いると言われた、フグをひく名人のうちの一人が赤坂にいて、 その人が雇ってくれて、教わったんだよ。28歳のとき。 懐石料理もやっていたけど、とにかく親方が作れっていうものを作る。 そこで免許を取った。 親方の下で、3年勤めると免許が取れたからね。 そこで5年、そのあとマリオンの前の日本料理屋に勤めた。 六花酒造と、とうほうしょくさん が作った料理屋で、 懐石料理もやっていたし、いろいろな料理を作っていた。 その後、虎ノ門にある山口の料理屋・小和田に親方として入ったな。 ここでは催事がはじまると三越に、フグをひきに行ったりもしたね。 フグをひく、というのは、刺身に切るときに手前に引いて切るから。 肉がしまっていて厚いので、薄く切らないと噛み切れない。 ここは日本ではじめて、海老の養殖に成功した店で、もちろん山口県の料理を出す店だから、やっぱりその方針に合ったものしか作れなかった。 そこで2年働いた後は、この銀座で25年。自分でつくりたいものが作れるようになったことが、とてもうれしかったね。 フグといえば、おいしいけど高くて毒がある、というイメージかもしれない。 たしかにトラフグのキモには毒があるし、全身に毒のあるフグもいる。 築地市場には、14種類のフグが入るらしいが、うちで出しているのはトラフグだよ。 築地市場に朝8時に着くように行って、毒のない、内臓を取ってあるフグを買う。この店の中で内臓をいじると、臭いもあるけど、取った内臓を、簡単に捨てられないんで困るんだ。 市場に持っていって、除毒場で処理してもらわなくちゃならない。 東京都は厳しくて、フグ調理の認証があっても、キモは出せないし、決まった場所以外で捨てることもできないんだ。 客のほとんどが接待で、丸ノ内や青山の会社からも来るね。 ほとんどが人つながりだし、予約してくるけれど、 フグの旬、9月半ばすぎから翌年3月まで(彼岸から彼岸まで)は、 土曜なんかにカップルや家族が来ることもある。 ふぐ刺しの握りが、実はすごくうまい。 つまりご飯と合うってことだよ。 子供も、兄貴に食われないように立って食うくらいだから、 ご飯のおかずとしてうまいんだよ。 銀座を一言で言うと? 昔気質(むかしかたぎ)の人が少し残っている町、かな。 * * ◆ふぐいとう◆フグ料理 東京都中央区銀座3-13-17 山田ビル2F 電話:03-3541-4325 ◆伊藤さん◆「ふぐいとう」の店主、銀座歴25年 ■後書 ふぐ。しかもトラフグ。 むかーしフグ刺しを食べたことがあるような気がしますが、 たぶん1キロ何万円もするトラフグじゃなくて、300円のサバフグだったんでしょう。 何の印象もありません。 そういうんじゃなくて、「銀座でフグ」を食ったと、言ってみたくありませんか? 「もちろん築地の市場に入ったトラフグだよ」って。 <このブログは、10万円代の自費出版本、3万円代での絶版本の復刊、在庫本のリンク、一般商品の「販売」を行うハイブリッド書店スピークマンがおおくりしています>
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最終更新日
2008年06月30日 13時15分21秒
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