エールを送らせてください
今、明け方なのですが、どうにも悲しくて悔しくて残念で仕方なくって、目が覚めてしまって、書いています。京都で起きた悲しい事件。久しぶりのこのテーマへの投稿が、こんな話題になるなんて思いも寄りませんでした。私の娘は、去年中学受験を無事に終え、今は中高一貫校に通っています。最近、この季節の空気に一年ぶりに触れて、親子それぞれに、去年のことを思い出す機会が多くなっていたところです。母親である私が思い出すのは、寒い中弱音も吐かずに毎日毎日重たいリュックを背負って出かける娘の後ろ姿、仕事から帰って、毎晩夕飯のお弁当を走って届けた自分の白い息づかい・・。そういう毎日当たり前に繰り返していたことが、今では無性に愛おしく、亡くなられたお嬢さまとご家族も、まさにそんな毎日だったのではと思うと涙がどうしても止まりません。塾への往復の道すがら、その安全についてはどのご家庭でも心を砕いていらっしゃることでしょう。「ママ~、塾についたからね」という電話で、送り出す側はどれほど安心することか。まさか、その塾のお教室で、こんなことがあるなんて。最初は、子供相手にカッとなった衝動的な犯行かと思いましたがあろうことか、計画的な殺人事件・・・!言葉もありません。亡くなられたお嬢さまとご家族の無念を思い、心よりご冥福をお祈りいたします。安全なはずの学校で、白昼堂々の侵入者に命を奪われる事件、自宅から徒歩圏内の通学路上で、忽然と姿を消して変わり果てた姿で発見される事件、等々・・・。ここ数年を振り返っただけで、胸のえぐられるような出来事がいったいどのくらいあったでしょうか?何気ない日常に、こんなにもブラックホールは潜んでいる、そのことを「当然」とわきまえなければいけないの?小さな子供たちには、まったく落ち度なんてないのにいつも草食動物みたいに、ビクビクしてなければいけないの?一体いつからこの国は、大人が大人でなくなってしまったの? 正義はまた空振りさ こんなところにも、いやなニュースが流れてくる 町は病気だね 毒が空を巡っているちょっとうろ覚えですが、南こうせつさんの、昔の歌の一節です。最近、ふと思い出すことが多い、この歌。この歌が流行った頃は、毒もまだ、ここまでではなかったでしょう。時代が過ぎれば過ぎるほど生きにくくなる、このしんどさは、あとの時代に生まれたものの宿命なのでしょうか・・。さて、今回のことでただでさえ矢面に立たされがちな「中学受験」や「小学生の塾通い」がますます面白おかしく取り沙汰されるかもしれません。もしそうであるなら、本当に本当に残念に思います。実は、私の娘は、一年ぶりに「冬の空気」を感じて去年の今頃は、楽しかった!って言っています。塾は楽しかった!って。ちょうど今夜も、同じ塾に通う4年生の弟にかつて塾で教わった「夏と冬の大三角形の歌」を思い出しながら教えてくれたところです。先生についての話題も、弟とよく盛り上がっているし、塾で知り合ったお友達とは、今でも仲良くメールのやりとりが続いています。あの頃、学校では学級がずいぶん荒れていて、塾にいる方が自分らしくいられるような気がする・・・、とそういえば、当時そんなことを言っていました。塾のおかげで、12歳の冬を明るく過ごせたとさえ、思っているほど。同じ目的を持った、同じ歳の子供たちが励ましあって毎日をちょっとずつ進んでいるんだなあ、いい時間を過ごしているんだなあ、と安心したことを覚えています。そしてそれは、生意気盛りの子供たちを相手に夕食もそこそこに、毎晩10時過ぎまで質問につきあってくださり、厳しいながらも、あったかく優しく、ユーモアたっぷりにいつも見守っていてくれた先生方の存在のおかげだなあ、としみじみ有難く思ったものです。いま日本中で、もうすぐ訪れる中学受験の本番のために、日夜、粉骨砕身で取り組んでおられる塾の先生方は、大勢います。そんな先生を慕って、楽しみながらがんばる受験生も、また大勢います。どうか、この悲しい事件を乗り越えて先生方も、受験生の皆さまも、この冬精一杯に本領発揮されますように。いつも浮かれた内容ばかりの私で、なんだか申し訳ないんですが、今日はここから、エールを送らせてください。 Designed by Shion