房総の片隅に佇むものの詩

縁起物『万両』由来

マンリョウ(万両・ヤブコウジ科ヤブコウジ属の小低木)

【文化史】
 同属のヤブコウジ(十両)がヤマタチバナの名で『万葉集』に登場するのに比べ、認識は遅れ、
『多識論』(1612年)でマンリョウの中国名スサコン
〈『石朱』砂根の字が当てられます。
ギャル文字風に表記した『』内は本来1文字の漢字ですが、
当用漢字にないためカタカナで表記します〉

にアカギが当てられたのが初出で、『本草薬名備考』(1678)にもスサコンにアカギが使われている。
〈中略〉
 マンリョウ系の名は18世紀末ころから使われ始めたが、初めはまん竜万量万里ゃうなどと綴られ、
文政(1818~30)のころから万両が定着し始めた。
マンリョウはカラタチバナの中国名百両金に対応した名と考えられる。
カラタチバナは18世紀末に大流行し、66品種を数えたが、
マンリョウは江戸の終わりにブームとなり、
『草木奇品家雅見(そうもくきひんかがみ)』(1828)には斑入りや葉変わり12品種が載っている。
さらに、明治の『スサコン銘鑑』(1901)には53品種が記録されている。

以上、[小学館 日本大百科全書]より抜粋



センリョウ(千両・センリョウ科センリョウ属の低木)

【文化史】
 江戸時代の初期から栽培され、生け花に使われた。
〈中略〉
『立花大全』(1683)は、水木の心、前置に用いる類、下にばかり用いる類に挙げ、せんりゃう仙蓼と綴る。
『なげ入花伝書』(1684)は仙蓼を、葉は蓼(たで)に等しと解説する。
『花壇地錦抄』(1695)も仙蓼と表記し、『花譜』(1694)は珊瑚(さんご)と綴る。
センリョウが千両に変わるのは江戸の後期で、万両などと対比した縁起物とされてからである。
現在ワシントン条約で、センリョウの野生種の国際的商取引は自然保護のため禁止されている。

以上、[小学館 日本大百科全書]より抜粋


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