房総の片隅に佇むものの詩

2006/12/30(土)02:02

これをご覧になり、何を思われますか?

野鳥観察(35)

私が初めてアオジ(野鳥)に気付いたときのことになります。 アオジに気付かれないように物音を立てずひっそりとたたずんでいると、足許に何かの鳥の巣が落ちていることに気付きました。 大人の手の平くらいの大きさで、細い草のようなものや、何か白いものが器用に編み込まれた芸術的とも言えるようなものです。 アオジを気にしながらも、この巣について観察してみました。 写真からもお分かりのように、この巣が落ちていた頭上にはアカマツの木がありました。 使用済みの巣が、強風に煽られて落ちてきたものだろうと推測します。 そして、その素材。 茶色いものは枯れ草や根などとすぐに確認出来ましたが、さて、白いひも状のものは何か? その答えは、次の写真を見ていただきましょう。 何かお分かりになりますか? 実は人工物、ビニール製の紐を細かく裂いたものを、巣の底の部分に利用しているようです。 実に巧みに用途ごとに素材を使い分けています。 どのような過程を経て、このような巣を作るようになったのかを想像すると、なんだか楽しくなります。 カラスが針金ハンガーを巣の材料に使うことは聞いていましたが、人の想像の範疇を越えて、野生生物が人を利用していることがはっきりと分かります。 人が「畜生」と蔑んでいる存在に、まんまと利用されているのですから、滑稽と言わずになんと表現すれば良いのでしょう。 ただ、こんな材料しか得られない環境なのか、それとも今まで利用してきた材料を捨て去れるほど、それらの人工物をより良い素材として扱っているのか、そのあたりのことは想像すら出来ません。 前者の理由であれば気の毒ですね。 水鳥に関して聞いた話ですが、 釣り糸などを飲み込んだりして息絶えてしまうような事故が結構あるそうですね。 酷い話です。 こうした人工物が生物を豊かにする反面、 不幸な事故を引き起こす原因にもなることを理解した上で、 前述のような鳥の巣を目の当たりにしたとき、 あなたはどのように思うのでしょうか。 「すごいねぇ、偉いねぇ」と褒め称えますか? それとも…。 ブログランキングに参加しています。応援のクリックはこちらからお願いします

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