房総の片隅に佇むものの詩

2008/04/16(水)01:59

ボケといっても ツッコまないで

植物礼賛(189)

春のこの季節、桜や桃、杏などのバラ科の花木が 花を咲かせていますが、朱色が基本の木瓜(ボケ) も色とりどりの花を咲かせていますね。 つい先日も、スーパーでボケの展覧会がありました ので覗いてきました。赤や白、それにしぼりの入った 花など、どれもきれいでしたよ。ところで、この庭木でも馴染みのボケは中国原産の 植物で、日本の野山を見渡して見つかりませんが、 それはそれ、実際には日本にも固有のクサボケと いう近縁の植物が自生しています。人によっては「シドミ(由来不明)」と呼ぶほうが通じる 場合があるようですが、他にも「ジナシ(地梨)」とも 呼ばれています。 分布域は関東以西の暖かい地方で、日の差し込まない 林内よりは、野原や林縁などの日当たりの良い場所を 好むようです。 また、地を這うようにして生えているその光景から 「草ボケ」と表現され、小さいボケなので「コボケ」とも 呼ばれるようです。 写真はその地を這うような枝についた花を撮影した訳 ですが、ほんとに地面すれすれに咲いているのです。 クサボケ全体 posted by (C)sasama_teaどこまでがひとつの木なのかは定かではありません が、地下茎で地面を覆うほどにクサボケが繁殖して います。 本来は枝が膝の高さくらいには伸びるのですが、 この場所は定期的に草刈りされてしまいますので、 その都度にざくざくと刈り込まれてこの程度しか 枝を伸ばせないのですね。 ただ、それでも充分とばかりに花は見事に咲いて います。 (なお緑色の物体は、土砂流失防止用のナイロンネットです。)写真はありませんが、秋には「地梨」の名の元にも なった梨のような実がつきます。 この実は渋くて生食には堪えられないようですが、 その香りは甘く、果実酒には最適だそうです。私はお酒にはしませんでしたが、芳香剤代わりに 机の上に飾ったことがあります。 ひと月以上も香りが続き、当時は満ち足りた思いを させてもらえました。 ただ最近は、その実に出会う機会がなく、今年こそ は、と探しては見つからないを繰り返しています。 刈り取らないで欲しいのですけれどね。。。なお余談ですが、この撮影場所のすぐ近くで大きな 掘り跡を見つけてしまいましたが、その場所にも クサボケの花が前の週まで咲いていました。 クサボケの数も減少傾向にあるそうで、何かがっかり させられてしまいました。以下はおまけですが、明るい場所を好むクサボケ とは正反対に、こちらの植物は暗い場所を好みます。 ヒトリシズカ posted by (C)sasama_teaセンリョウ科の多年草で、ヒトリシズカ(一人静)です。 花弁はなく、白い棒状のものは雄しべの花糸に あたる部位になります。そして何故か、花粉はその 基部から出ています。何もなかった場所からボコボコと出現して、ぱっと 花を咲かせたかと思うと、あっという間に花の期間 が終わってしまうせっかちな植物です。 花の時期は清楚な静御前のような雰囲気でも、 花が終わった途端に植物体は巨大化します。 まるで、結婚当時は可愛かった若奥様が、時間 経過とともに肥大化していくような・・・そのような ものですかね。 (私の実体験ではありません、念のため)ヒトリシズカの開花期間は非常に短いため、 ご覧になる場合はお早めに。ブログランキングに参加しています

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