スズメバチのような凶暴な生き物を除き、
とりあえず一度は接写で撮影したいとカメラ
を手に自然の生き物たちと対峙していますが、
多くの生き物はその命を守らんと必死で、
ちょっとの振動でもすぐに逃げてしまいます。
蝶なんかはその代表格で、花に夢中にでも
なっていないと、初めの一歩で逃げてしまい
ますね。
自分の影がかぶさっただけでもダメだったり
しますし。。。
イチモンジセセリ posted by (C)sasama_tea
こちらは、花に夢中になっているイチモンジ
セセリにじわじわと近づき、腕だけ伸ばして撮影
したものです。
運が良ければ上手くいきますが、このセセリも
ちょっとした振動であっという間にいなくなって
しまいました。
こちらも頑張って接近して、何とか近くで撮影すること
ができました。
キタテハは比較的おっとり型の性格なのでしょうか、
何かに夢中になっていると近づくのはそれほど難しく
ないみたいです。
ちなみに、白い花はヒヨドリバナで、この花が咲く頃
に何故かヒヨドリが人里に帰ってきます。
ギョエーギョエーと騒々しい声が聞こえていますよ。
うつろなヒメジャノメ posted by (C)sasama_tea
そして、前回の話題のオニヤンマの産卵に気づく
直前、この蝶をしげしげと眺めていました。
前述のように、近づいただけでも警戒して逃げて
しまうはずの蝶が、このときばかりは微動だに
しませんでした。
何かがおかしい、と感じて1枚撮影したのですが、
後ろで聞こえるバタバタとうるさい羽音のほうが
気になりましたのでそちらへ向かい、この蝶の
ことは後回しにしたのです。
じつはこの時点で何となく分かっていたので放置
したのですが、散々楽しんで戻ってきても微動だ
にしていません。
よく見ていただきますと、触角の向きが変なの
ですね。
ふつうは前方に突き出しているはずですが、
後ろ向きにうな垂れています。
戻ってきて、その場に動かずにいる蝶に手を
かざしてみましたが反応はなし。
そのまま翅に触れてみましたが全く反応がなく、
絶命していることに確信を抱いて翅を動かして
みて初めて、「黒い染み」と思っていたものの
正体を知りました。
黒い染みは翅についていたものではなく、翅と
腹部にうがたれた大きな「穴」でした。
カラスウリの葉をしっかりと掴んだ足は、触れた
くらいでは離れることがないほど強固なもので、
亡くなっているとは俄かに信じられないほど
堂々とした姿です。
寄生虫が無事安定した場所にたどり着けるように
蝶の思考を操っていたのでしょうか?
想像すると何だか怖いですね。
自然界には寄生型の生活をする種も少なくない
ようですから、実態を認識していないだけで、
身近にはもっと同様の事象も発生しているものと
想像できます。
願わくば、人に寄生するような生物が近くにいま
せんように。
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