2004/12/26(日)00:38
―不思議な航路―「1998年夏、山際淳司とループ」後編:万有の引力
前編はコチラ:―不思議な航路―「1998年夏、山際淳司とループ」前編:琉球は着火
@論文、〆切ギリギリで完成@
二週間と少しの旅から戻り、論文執筆に集中する。
沖縄の海は美しかった。しかし、どんなに美しくても、ゴミは捨てられる。
何故か。結局、ゴミ問題とて「心の問題」なのだ。そんな流れ。
さて、論文は完成した。「リング」(鈴木光司/角川文庫)でも読んでみようか。。。
@なんで売ってないのよ@
「リング」は面白かった。恐怖の連続という程ではなかったけれど、
ミステリとして大変良かった。
ダッシュで本屋へ――
続いて「らせん」。。。
終わり方に少し納得がいかなかったけれど、全体的に〇。
そして、「ループ」。
以前、店頭で相当数見かけた「ループ」。
平積み、平積み、平積み。
ところが今はどうだ。一冊もない。
5、6件探したが、ない。おそらくヒットが落ち着いた時期だったのだろう。
新たに追加注文されることもない。そんな時期。あるいは増刷準備中だったのか。
「本は気に入った時に買っておく」――
さて、まだ夏休みである。
一つ足を伸ばして、都市部の大型書店へ。ココならあるだろう。
そしてまさしく、出会いは起こる。
「ループ」はどこ?
ミステリコーナーを隈なく探す。
「リング」、「らせん」は見つけた。しかし「ループ」がない。
平積みコーナーを確かめるが、ない。
文庫コーナーで、
・「麻雀放浪記(2)~(4)」(阿佐田哲也/角川文庫)
・「軍閥興亡史(2)」(伊藤正徳/光人社NF文庫)
をゲットした。
再度、メインを求め平積みコーナーへ。
やはりないモノはない。
…いや、あったのだ。
素晴らしい出会いが、そこにあった。
山際淳司の顔が、そこにあった。
「急ぎすぎた旅人―山際淳司」―著者・山際澪(講談社)
やまぎわ・れい?たぶん奥さんかな。ウン当たってた。但し、レイではなくミオさん。
ページを捲ると、冒頭に数枚の写真が載っている。
発行日を見る。
8月29日初版。
おいおいメチャ新刊じゃん!
@偶然と必然@
この夏、旅先で淳司さんと、そして「ループ」を求めた先で澪さんと出会った。
それは素敵な感動であった。
本書の感想と、この偶然さを澪さんに伝えたい、と思った。
澪さんにしてみれば迷惑な話かもしれない。
でも、手紙を出そうと決めた。
・本書発売一ヶ月ほど前に旅先で淳司さんに出会ったコト
・そして全くの偶然で本書を手にしたコト
ただそれだけを言いたかった。
そして、手紙を書き出す。
連鎖は、そこで終わらなかった。
内容確認のため、「急ぎすぎた旅人―山際淳司」をパラパラと捲る。
ふと、あとがきを読む。
その終わり方。幕の閉じ方。
「ハッピーバースデー山際淳司さん。
1998年7月29日 山際澪」
7月29日。
1998年7月29日。
何をしていた?
沖縄で――
図書館に行って――
そして、、、山際淳司と出会った。
彼の誕生日に!
彼の妻が原稿を書き終えたその日に!
僕は、山際淳司と出会った。
偶然の三重奏――
人生の、ループ体験。
読書って良いな、と実感した夏。
(完)
□ 参考 □
★【山際淳司】スローカーブを、もう一球/角川文庫/「江夏の21球」収録
★【山際淳司】山際淳司スポーツ・ノンフィクション傑作集成/文藝春秋
★【山際淳司】男たちのゲームセット―巨人・阪神激闘記/角川文庫
★【佐野正幸】1979年日本シリーズ、近鉄vs広島 もうひとつの「江夏の21球」/新風舎
★【山際澪】急ぎすぎた旅人ー山際淳司/講談社
★【鈴木光司】「リング」/「らせん」/「ループ」/「バースデイ」(角川文庫)