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2006年10月28日
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カテゴリ:「武術的議論」
ブログにエントリーをあげることを交換条件に試写会「甲野善紀・身体操作術に招待された。ま、ブロガーということは無名人ということだから、交換条件をつけられても仕方がない。
とはいえ、甲野善紀氏の思想に大いに感服する私、すでに一般人の批評眼を持っていないのだが…。そこで、甲野氏の思想に沿って、自分の精神を割って考えてみる。

そうして得られた答えは、甲野氏を知らぬ人や講習会に行ったことがない人にとっては、甲野氏の技の一端が垣間見れる作品となっている。甲野善紀という人物をはじめて知るにはいいのかもしれない。

そして、いままでDVDで見ていた人も劇場の大画面で見ることで新しい発見があるかもしれぬ。何よりも、甲野氏のすごさを強引に知り合いに見せるには格好の機会である。逃す手はない。

甲野先生とて、劇場で観客とともにこの映画を見ることで新しい気づきが得られるかもしれない。

甲野さんの身体術は、見なきゃ分かりません。本人を見るのがいちばんですが、それができなきゃ、映画館で見るしかない。養老猛司(解剖学者)


養老氏は解剖学者であるから、日本の伝統的な身体操作術に興味があるのは当然のことだろう。パンフレットには身体表現をする俳優や宮本武蔵を描く漫画家が推薦文を書いている。彼らが身体動作や古武術に興味を持つのは当然のことだ。

実際の作品の中に登場するのは、介護師、演奏家、スポーツマンなど、身体を使って商売をする人たちである。また、甲野氏の出自である合気道に取り組む人たちである。

・井桁くずし
・垂直離陸
・ナンバ歩き


それらは武術の動きであり、一般人が習得することに直接的な利益はない。
だが、それらを参加者のために介護、演奏、スポーツなどでの身体活用に応用してみせるのが甲野氏の稽古・講習会だ。
甲野氏は、武術的身体操作法を21世紀の日本の諸相で、身体に絡みつつ悩んでいる人たちに接することを楽しんでいる。その姿が画面からひしひしと伝わってくる。
そういう師の姿を楽しんでいただければ、この作品の価値を享受したことになる。



「武術とは、矛盾あるものを矛盾のまま、矛盾なく取り扱うこと」であり、「人間の一生は運命により決められているが、同時に自由でもある」と、甲野氏は言う。
武術とは、ルールのない戦国時代で勝つための技術であるのに、なぜ、矛盾とか運命という語が出てくるのか。
彼が稽古を通じて彼自身が何を得ようとしているのか。それを推理しながら、この作品を観ると面白いかもしれない。だが、この作品はその答えを出していない。そこが私には唯一不満なのだが、それは甲野氏の望むことかもしれない。

私の中の甲野善紀氏はすでに武術家ではなく、稀代の思想家である。それは、甲野氏と日本有数のベストセラー作家との対談本を読めば分かるはずだ。甲野氏の思想と叡智の前に、マスコミを席巻する知もひれふしている…。

思想家としての甲野氏を紹介できなかったのは、この作品の瑕だが、映像というものが、思想を描きにくいというメディア特性を考えるならば、監督氏を責めるわけにもいかぬのかもしれぬ。





私が、甲野氏を始めて知ったのは、日経新聞に乗った「ナンバ歩き」の記事だと思う。甲野氏が書いたのかどうかは定かではないが、そんなことを書くのは、甲野氏以外に考えられない。多分90年代だと思う。
私が明確に甲野先生を認識したのは、NHKの人間講座「古の武術」に学ぶ。(2003.10月から11月)である。

当時の私は娘の小学校の保護者の集まりで、オールブラックス(ニュージーランドのラグビー代表)の元選手と親交があり、日本のトップリーグのチームに2年間契約で来ている選手に日本の伝統の素晴らしさを知ってもらおう、甲野先生を紹介できぬものかと思い、千代田区立総合体育館で開かれた「身体運用術理説明会」(2004.06.13)に参加した。稽古の後、私のつたない説明を真剣に理解しようとする甲野先生の姿を印象的に覚えている。
その後、トップリーグのチームに手紙を書き、甲野先生のことを説明したが、何の反応もない。当のオールブラックスの選手にも、私の英語力ではなかなか細かい部分を伝えることができず、残念ながら甲野先生とオールブラックスの選手を合わせることはできずじまいだった…。



オールブラックスの選手に日本の身体操作術を知ってもらう。それは世界的な出来事だと私は感じていた。だが、それは叶わなかったのである。

当時もいまも、言論とアクティビズムの同時進行を目指している。安倍首相のホームページに平成目安箱を提案したのも同じこと。
勿論、自らにアクティビズムを強いるだけであって、それを他者に強いることはできぬ。産経新聞の古森氏や、須磨学園の池田先生はコメント欄に反応していただいたが、「ウェブ進化論」の梅田氏をはじめ、CGM(消費者参加型メディア)を声高に論じる人たちでさえ、ほとんど無反応である。

だから、無名者のアドバイスをトップチームが耳を傾けぬことなど、批判に値しない。
それでも、無名氏は諦めてはならぬ。そういうことだ。



追記:
試写会の会場であった方が甲野先生のことを知らなかったので、次のように簡単に説明した。
「甲野先生の動きっていうのは、サッカーのロナウジーニョのような動きなんですよ。作用反作用、うねりやねじりじゃない動き。一切の予備動作がない動き。
甲野先生が言っているのは、中央集権的・クライアントサーバー的を身体の使い方じゃないんだよ。負荷分散処理なんだよ。鳥の群れのように方向を変えるのではなく、魚の群れのように一瞬にし向きをかえるんだ」
彼は、わかってくれたのだろうか…。



蛇足:
3次元CGソフトを使っている人ならば、次のように言えば、甲野先生の動きが理解できると思う。

甲野先生の動きはリニアなんだ。

通常は生き物の動きでは、空間補完法と時間補完法において、連続ベジェ曲線にするが、甲野先生は、そうではない。


甲野先生は、はじまりと終わりを消すことと仰るが、その実は連続ベジェ曲線をやめ、リニア補完法にすることなのだ。特異点はひとつ。そういうこと。
そのひとつは確実にあるんですよ。

甲野先生は、古武術は漫画にならぬと仰られているが、それ、アニメーションという意味でも、当たっているんですよ。






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Last updated  2006年10月28日 19時36分25秒
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