建設現場における作業主任者の配置が必要な作業
先日、岐阜市で工場を解体中に外壁が倒壊し、女子高生が下敷きになって死亡した悲惨な事故がありました。 事故当時、鉄骨入りの建築物の解体に必要な資格を持つ社員が現場を離れていたことが警察の調べで分かりました。 これは恐らく労働安全衛生法のことを示すものですが、有資格者を現場に配置し作業者に適切な指示をしなければなりません。 特に事故の多い建設業においては人手が足りない・・・では理由になりません。 今回の事故は、労働安全衛生法で定められている高さ5メートル以上の建物の骨組みなどを解体する際、必要な技能講習を受けた「建築物等の鉄骨の組み立て等作業主任者」が現場を指揮するよう規定されています。 それでは建設現場で作業主任者の配置が義務付けられているものはどのようなものがあるのでしょうか。 以下に記載します。 1.足場の組立て等作業主任者(足場) つり足場、張り出し又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業 2.型枠支保工の組立て等作業主任者(型枠) 型枠支保工の組立て又は解体の作業 3.地山の掘削作業主任者(地山) 掘削面の高さが2m以上の地山の掘削作業 4.土止め支保工作業主任者(土止め) 土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしの作業 5.鋼橋架設等作業主任者(鋼橋) 上部構造の高さが5m以上又は支間が30m以上の鋼橋の架設、解体又は変更の作業 6.コンクリート橋架設等作業主任者(コン橋) 上部構造の高さが5m以上又は支間が30m以上のコンクリート橋の架設又は変更の作業 7.建築物等の鉄骨の組立て作業主任者(鉄骨) 建築物の骨組み等で金属製の部材により構成されているもの(高さが5m以上)の組立て、解体 又は変更の作業 8.木造建築物の組立て等作業主任者(木建) 軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立て、屋根下地、外壁下地の取付け作業 9.コンクリート造の工作物の解体等作業主任者(コン解体) 高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業10.ずい道等の掘削等作業主任者(ずい道掘削) 水道等の掘削、ずり積み、ずい道支保工の組立て、ロックボルトの取付け又はコンクリート等の吹付け作業11.ずい道等の覆工作業主任者(ずい道等覆工) ずい道等の型枠支保工の組立て、移動、解体、コンクリート打設等の作業12.酸素欠乏危険作業主任者(酸欠) 第一種、又は第二種酸素欠乏危険場所での作業作業主任者の配置が必要な作業 ⇒ こちらから これ以外にも危険が伴う建設現場では、取り扱う重機は免許制となっていたり、技能講習を行わなければならないものもあります。 しかし、悲惨な事故現場にはこれら監督を行う者や作業主任者が不在であることが多いと聞きます。 これは、体裁を整えるため、工事とは関係のない人(社長やその奥さん等)が講習会に行って資格は得るが現場には行かないことが多くなっていて形骸化していることが現状のようです。 今回の事故では、ワイヤや重機で壁を固定しないまま、壁のすぐ横にあったエレベーター外枠を倒そうとしたところ壁が倒壊したそうです。 「基本に徹してゼロ災害」 建設業における労働災害を防止するため事業者が講ずべき措置 ⇒ こちらから