テーマ:機械式腕時計を語ろう(345)
カテゴリ:ドイツ時計情報
ドイツ宝飾界の老舗ヴェンペから、新しい手巻き時計が発表になっています。 「N E W M o d e l - Wempe Chronometerwerke」 「The new WEMPE CHRONOMETERWERKE Power-Reserve.」 ヴェンペはドイツ時計界において戦前は非常に大きな影響力を持っていましたが、大戦後は西ドイツの老舗の一宝飾店に過ぎない存在になってしまっていました。ところが、東西ドイツ統一後、グラスヒュッテの各時計メーカーが勃興してくると、ヴェンペの時計に対する情熱も復活し、特にここ何年かでは、オリジナル・ムーブメントの時計や、ドイツ唯一のクロノメーター規格検定所を設けるなど、再びドイツ時計界の重鎮に復帰しつつあります。 今回の新製品も、そうした流れの中でリリースされた物で、非常に興味深いムーブメントを搭載しています。 何年か前にリリースされた戦後ヴェンペ初のオリジナル・ムーブメントのトノー型時計は、特別仕様のトゥールビヨン機も含めて、グラスヒュッテのノモス社が設計・製造を担当していたのですが、今回の時計は何処が設計・製造を担当しているのか、今のところ良く分かりません。 それにしても、この機械は非常に魅力的です。両持ちで保持されたテンプは緩急針のないフリースプラング式で、チラネジで調速しています。もちろん、グラスヒュッテ特有の3/4プレートがガッチリと輪列を保持し、青ネジで固定されたゴールドシャトンも美しいです。 テンプ直径はやや小さく、二番車がセンターに来ないという、古典から離れたやや変則的な輪列配置に見えますが、それはそれで現代的だとも言えます。 こういう魅力的なムーブメントの時計が、貴金属ケースだけでなく、ステンレス・スチールケースでも供給され、しかもメーカー希望小売価格が8,500ドルからというのは、かなり良心的な設定に思われます。 ただ、残念ながらヴェンペは日本に店舗を持っておらず、通常の輸入ルートでこの時計が日本で売られる事はありません。 でも、わざわざこれを買うためだけにドイツに出かけても良いかなと思わせる程の魅力はあります。 [魅力ある時計ブログは此方 Click!] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.05.21 17:38:42
コメント(0) | コメントを書く
[ドイツ時計情報] カテゴリの最新記事
|
|