テーマ:パイプたばこを吸おう(1805)
カテゴリ:パイプ煙草インプレ
昨年末に新たに輸入が始まった三つのダンヒル銘パイプ煙草の内の一つ「スリーイヤーマチュアードバージニア」を今回は吸ってみます。名前に「バージニア」と入ってはいますが、オリエントとバージニアのブレンドなのだそうです。で、この名前は和訳すると「3年熟成のバージニア葉」となるかと思うのですが、熟成期間が3年というのは、長いという事になるのでしょうか。個人的には、葉巻の熟成期間とかだと数年というレベルが割りと普通に語られるので、熟成期間3年はそれほど長くないような気がします。まぁ、とにかく吸ってみましょう。 開封時の香りは、カブトムシを飼育する時に使う大鋸屑の匂いに近く、それほど深い熟成臭・発酵臭ではありません。ただ、ちょっとした酸味はあります。カットは細かいリボンカットで、これは他のダンヒル銘柄でも良く見られるサイズです。色は普通の茶色のレベルで、湿気も普通だと思います。 これを火皿内径21mmのパイプに詰めて着火しますと、微妙な砂糖系の甘味を伴った紅茶っぽい味が来ました。バージニア系ブレンドの典型的な喫味です。ただし、注意深く吸うと、中にオリエント葉由来と思われる鰹出汁系のコクもあり、バージニアストレートとは違う組み立てになっている事が分かります。熟成感は浅くもなく深くもないレベルで、まぁ、中庸といった所でしょうか。ですから名前の「3年」というのは、短くもなく長くもない絶妙な熟成期間というようなニュアンスを示しているのかも知れません。 火付きと火持ちは普通だと思います。燃えにくい訳でもなく、燃え過ぎる感じでもありません。この辺も中庸といった所です。 喫煙中盤も基本的には序盤と同じ味わいです。ただ、この段階で気付いたのですが、この煙草ではバージニア葉の甘さがさほど強調されていないのです。オリエント葉の出汁系のコクによってコーティングされ、バージニア葉の甘さが決してドッとは押し寄せては来ません。むしろ、やはりバージニア葉由来と思われる酸味の方が前にあって、甘味の方は脇役になっているような気がします。酸味と甘味とコクのこの辺のバランスは、常喫用としてなかなか上手く出来ていると思います。ただ、インパクトには欠けるでしょうか。 喫煙終盤も同じ喫味で来て、そのまま喫煙終了。後味にはかなり酸味が残り、残り香は焚火系でした。 全体的に見て、酸味と甘味とコクのバランスが中庸で、どの部分も過度には主張してこない絶妙なブレンドでした。ただ、こうした纏まりの良さは極めて優等生的でインパクトがなく、その意味ではダンヒルらしい煙草だったと思います。また「3年熟成」という名前も、深い熟成を意味するのではなく、そのくらいの中庸で絶妙な熟成具合を示しているのだろうという事も分かりました。 個人的には、もう少し酸味を押さえ甘味を前に出してくれていた方が好みではあるのですが、こうしたバランスの煙草であれば常喫用にしやすく、淡々とずっと吸っていられるのではないかと思います。これもやはりダンヒルらしい出来栄えの煙草だと思います。 ところで、この名前の「YEAR」が複数形になっていないのは何故なんでしょう? [上手い煙草ブログは此方 Click!] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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