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旅のつれづれ

旅のつれづれ

シベリア鉄道 その2

シベリア鉄道の魅力はなんと行っても広い大地をどこまでもどこまでも走り抜けていくところだ。駅に停まる度にその土地の人たちが手に手に様々なものを抱えて売りに来る。また、乗っている人たちも中国や香港等で仕入れた商品名を連呼して売っている。私は地ビールとピロシキを買った。地ビールは最初なんだかわからずに買ったのだ。客室に戻ってきて友達になったロシア人にこのビンに入っている液体は何か聞いてわかったのだ。とてもうまいとはいいがいたい味だった。ピロシキはとてもうまかった。
中国の国境をすぎてロシア側に入った駅で一旦乗客が全員降ろされた。訳もわからず下りて駅の周りを散策していたら、今まで乗ってきた列車がいなくなってしまったのだ。荷物も全部置いたままだ。一瞬頭の中が真っ白になった。このままロシアの国境の街に置いていかれたのか、日本に帰れるのか?とても不安になったが、同室のロシア人を見つけほっとしたのだ。
北京~モスクワまで朝は食べずに昼は中国で買ったインスタントラーメンや駅で売っているピロシキなどを食べて、夕食を食堂車で食べた。食堂車では毎日黒パン、ボルシチとコーヒーを食べた。なにせ、現金をアメリカドルで10ドルしか持っていなかったのだ。他は安全のためにトラベラーズチェックで持っていた。ところが、トラベラーズチェックを現金にする手段がこの列車ではないのだ。だから、10ドルを列車の中で闇で両替をしてもらった。その分でしか食べられないのだ。
モスクワに着いてもモスクワの地図もないのだ。シベリア鉄道の本を買って出発したのだが、その本には、シベリア鉄道の切符をどこで売っているか、モスクワではどこにホテルがあるか、モスクワからの他の国に出る方法等は一切書いていなかったのだ。何が書いてあったかと言うと、シベリア鉄道からの風景写真が主でほとんど旅行者には役にたたないものだった。
モスクワでもトラベラーズチェックは現金にならず、持ち合わせは後わずかになった。
銀行探しも疲れたので、ホテル探しを始めた。待ち行く人に聞いても意味が通じず、銀行と言って教えてもらったところがパン屋だったりした。とにかくわけもなくまっすぐに歩いた。(私は方向音痴なので、どこへ行ってもはじめは、まっすぐに行って、まっすぐに戻るようにしていた。これなら迷いようがない。が、これでも道に迷うのだ)ずいぶんと歩いたところに、高級ホテルらしき建物があった。入ろうとしたら、マネージャーらしき人が私の格好をみて、入るなと言うジェスチャをするのだった。私はパスポートを見せる。と、そのマネージャーは態度を一変した。(日本のパスポートは結構有効だ。北京の駅の待合室に泊まった時も追い出されそうにあなった時パスポートを見せたら、何も言わなかった)
現金はないのでビザカードが使えるか聞いた。答えはイエスだった。持ってて良かったビザカードのテレビコマーシャルが頭に浮かんだ。
しかし、ここでもトラベラーズチェックはただの紙だった。日本領事館に電話して聞いてもそ知らぬ顔だった。(顔は見えなかったが、親身に相談には乗ってくれなかった。トラベラーズチェックを持ってきたあんたが悪いと言うような感じだった)


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