シベリア鉄道 その3モスクワのホテルのマネージャーが一生懸命に駅などに電話してモスクワからの鉄道の切符を探してくれたが、見つからなかった。インツーリストに直接行けば買えるかも知れない、そう言ってマネージャーがタクシーを手配してくれた。しかし、私はお金をほとんど持っていない。なにせこの中国からモスクワに到着するまでの約一週間の間、10ドル闇両替したお金を使っていたからだ。他には現金にならないトラベラーズチェックしかないのだ。わずかに残ったお金を見せこれで足りるか聞くと、ノープロブレムだと力強く答えが返ってきた。タクシーに乗って、安さの秘密がわかった。タクシーとは名ばかりで、助手席は取れてなくなっているし、イスも穴だらけで、かなりの年代物の車なのだ。それでも、救いはタクシーの運転手の愛想の良さだった。インツーリストで、モスクワからどこへ抜けたらよいのか、どこに抜けられるのかもわからなかった。適当に貼ってある地図を見ながら行けそうな駅名をいくつか書いた。そうしたら、係員はフィンランドのヘルシンキを指差してオーケーと言った。そこで、またまた問題が残った。現金がないのだ。おそるおそる、ビザカードが使えるか聞いた。返ってきた答えは、イエスなのだ。またまた、私の頭に「持ってて良かったビザカードのコマーシャルが流れる」。 一体何が書いてあるのか良くわからない、モスクワ~ヘルシンキまでの国際列車の切符。 ジャンル別一覧
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