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カテゴリ:釣り
![]() 前回の「定置網周辺におけるオオクチバスをモニタリング 」では、 ・バスは朝に岸に近付いていき、夕方に定置網周辺に帰ってくること。 ・バスは岸と平行なラインをクルーズしていること。 ・東北風が強く水温が急激に下がった時には岸に向かって移動していること。 が分かった。 ではなぜ彼らはそのような行動を取っているのか。「なぜ」と言うよりも「どのようにして」その場所に向かうことができたのか? 考えてみてほしい。バスはGoogle Mapは使えない、たぶん。水上に出て望遠鏡で周囲を見回すこともできない、おそらく。彼らは自分の周りの水中を見て、匂いを嗅いで、水温を感じることはできる。でも情報はそれだけだ。あなたは自分がボンベをしょって琵琶湖の水の中にドボンと落されたら、バスと同じように岸を見つけたり、北風の影響のない所を探し出したりできます? なかなか難しいと思うよ。 ![]() ではバスはどうやって、岸と平行なラインが分かるのか。 これは何となく理解できる。「岸と平行」と言うよりは「同じ水深のライン」を回遊しているのだろう。基本的に水底を好むバスが同じ水深の岸沿いに回遊することは容易だ。彼らは側線という優秀な圧力センサを持っているのだから。 ではなぜ冷たい季節風の中、岸に向かって移動したのか。同論文では、岸方向に移動したらしいことまでは分かったが、最終的にどこに行ったのかまでは分からない。ならば推察しよう。「琵琶湖における水温、水流の年間変化」で紹介したように、12月の琵琶湖の水温は表層から底層までほぼ同じ水温となっており、10℃を下回っている。もちろん気象状況により微変動はするので、強い季節風により表層がより冷やされる日もあるだろう。しかし水深の深い琵琶湖で、より深い水底の水温がバスが好むような高い温度でいる事はない。バスはより高い水温を求めて岸に移動したのだ。おそらくは日光を浴びる事ができる浅瀬で、しかも季節風の避けられる岬の陰になる所を目指したのだろう。本論文の調査地域であれば下阪本の大宮川河口の岬か、マリーナが並ぶ地域か。 どうして? どうしてバスはそこが温かい水域だと分かったのか? 本論文のサンプルバスである Fish ID 105 が夜を過ごす定置網の位置から、大宮川河口までは500m。いくら水温に敏感なバスとはいえ、500m離れた水域の水温が高いことを体感することはできないだろう。ではなぜバスは決まったように季節風の強い日に岸を目指すことができたのか? 「記憶」 それしかない。彼は大宮川河口の南側、あるいはマリーナの中が温かく、ひょっとしたらお食事にありつけるということを憶えているのだ。毎日朝に岸に向かって移動するのも同じ。岸に近付けば温かく、しかもベイトがいるという事を憶えていて、そのような行動を取っているのだ。 逆に Fish ID 106 のバス君は同じ水深のラインをクルーズしていた。これも恐らくは彼独自の「記憶」によるものではないだろうか。ターゲットはワカサギ。水深4mラインを回遊してきたワカサギの群れに当たっておいしい思いをしたバス君は、この季節にはここを狩場と決めているのだ、きっと。 ![]() 魚類の記憶については「「魚は傷みを感じるか?」 解説編 - 2」でも魚がちゃんと記憶をしていることが示されている。餌を食べ身を守る術はちゃんと身に着けているのだ。 つまり一筋縄ではいかないと言う事だよ。十羽一絡げの魚じゃないよと言う事だよ。 彼ら以上には考えないと、なかなかいい夢は見られないのさ。 <#琵琶湖 #バス #モニタリング #行動 #定置網 #エリ #釣り> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026年07月04日 21時26分31秒
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