ラストシーン・・・かりそめのファミリー
二人で一つの毛布に包まって迎えた2回目の朝。しかし昨夜と違い今朝は二人とも裸だった。彼女は素晴らしかった。彼女自身も満足してくれたようだ。二人はとても濃密な二日間を過ごし、お互いに離れられなくなっていた。週末だけだった電話が毎日来るようになり、私からも毎晩電話をした。あまりに長電話なので、電話代がもったいないから来て!と言う事になり、いつの間にか週末婚の状態になっていた。金曜の夜に車で彼女の部屋に向かい、月曜の早朝に部屋を出てそのままオフィスに向かった。前夜に出た方が身体は楽なのだろうが、二人には大事な夜と朝なのだ。夜明けと言える時間に私が駐車場から幹線道路に出るまで、彼女はずっとベランダで手を振ってくれていた。私からは彼女は見えないのに、毎回必ず、だ。ずっと先の信号で停まった時に窓を開けて振り返ったら彼女がベランダに小さく見えて、胸がきゅっとなった。頭を出して振り返った私に気付いて、彼女が大きく手を振っていた。それからはそこで振り返るのが二人の決まりになっていった。子供たちとの関係も良好だった。二人とも可愛く、よく懐いてくれた。色々な所に家族で遊びに行った。もはや家族のようだった。公園、遊園地、サファリパーク。。。 夏休みには旅行。高原の宿に泊まりテニスに興じたり、冬は温泉旅館で寛いだり。その頃にはいつの間にか娘たちは私の事を「パパ」と呼んでいた。このままずっと4人で暮らしたい。彼女もそう思ってくれていた。それがかりそめの家族だとは気付かずに。。。お互いの親にも会い、紹介し合った。彼女の親は無条件に喜んでくれた、私の親は少し驚いていたが、私の気持ちを尊重してくれた。何より彼女と娘たちを気に入ったようだ。新居はどうしよう、結婚式はやる?二回目だから派手にはやりたくないわ、学校も探さなきゃ。。。 新しい生活に向けて本気で準備をしていた。そんな時に事件は起こった。詳しくは書けないが、私と彼女にとって決定的な出来事だった。お互いに惹かれ合っていても、結ばれない事があるのに気が付かなかった。彼女が悪い訳でも私が悪い訳でもなく、亡霊のような残酷な時の悪戯が二人を引き裂いた。なぜそうなってしまうのか。どうする事も出来なかったのか。いっそ駆け落ちでもしようか。。。 色々な想いが絡み合ってほどけない。「私たち、別れましょう」彼女から聞いた最も悲しい言葉だった。【中古】 パパと呼ばないで DVD−BOX II/石立鉄男,杉田かおる,大坂志郎,三崎千恵子,松尾嘉代,有吉ひとみ,冨士眞奈美,大野雄二(音楽)価格:23,595円(税込、送料別) (2026/3/19時点)楽天で購入