Perpetual Traveler(時由人)

2006/02/15(水)10:43

【私の夢】Perpetual Travelerについて~その2

PT(13)

前回の記事はこちらです:【私の夢】Perpetual Travelerについて~その1 もう一回、おさらいしてみます。 日本におけるPT研究の大家である木村昭二氏は、PTを次のように定義しています。 「ある国の居住者になれば当然にその居住国で納税の義務が発生するので、 合法的に納税義務が発生しないように六ヶ月や一年毎に居住する国を変えて 税務上どこの国の『居住者』にも属さない『終身旅行者』になるということ」 繰り返しになってしまいますが、 これはPTの「方法」が端的に述べられているに過ぎないものであり、 『あなた(私)の人生設計においてはこういった方針で行動すべきだ』 といった生き方の指南ではない、という疑念があるのです。 ------ PTの小手先の方法論や絵空事にとらわれれば、 例えば次のような物言いにもなってしまうでしょう: 『日本という狭い地域にこだわらず国境や世界各国税制の違いを研究して 「非居住者」になって租税回避地域(タックス・ヘイブン:tax haven)に資産を疎開し、 日本の税制体系が及ばない地域を次々に巡って(滞在して)行きましょう』 いかがでしょうか・・・何だかいかにも‘うわ滑り’な物言いですねぇ。 完全に目的と方法を履き違えて本末転倒になってしまっていますね。 私には、国境や税制といった物理的に眼で確認できる要素についてのみの、 いわゆる近視眼的行動の人生になってしまうのではないか、という疑念があります。 何より、「非居住者」とか「租税回避」というワードが 「胡散臭そう」、「やましいことがありそう」。 (お仕事の都合とか、「正当」な事由の場合はもちろん除きます) そんな状態の生き方では、何か、堂々としていないと言いますか・・・ やはり人生、清濁併せ呑み、やましいところ無く過ごしたいものです。 ------ また、「海外在住」という形やテクニック的なものだけが先行して、 それが目的やテーマ自体になってしまうと、こんな悲劇が起こります: 「とある夫婦が、夫の定年リタイアを機に、老後に海外在住(永住に限らない)を目論み 日本国外に飛び出したが、結局現地になじめず、毎日がつまらなくなった」 ・・・こんな失敗例がよく起こるそうです。 これも目的と方法を履き違えて本末転倒になっている。 私は、老後こそ生活に小慣れた日本がいいんじゃない?って思います。 このように、よくある海外在住失敗の例は、 「老後≒仕事から定年でリタイアメント≒海外在住?」という 固定されたシナリオに‘乗せられて’いるだけで、 個々の志向とか事情、結局のところ人生設計を考慮せずに 形だけいきなり海外に飛び出しているから無理が生じたんだろうと思います。 行動も思考も硬直化し始める老人になってから飛び出すのでは なかなかうまくいかないのではないでしょうか。 若いうちから、積極的に旅行にでも出かけて実地見聞(検分)していかなければ。 (つづく)

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