トールキソの継承者FTにおける「人類共通の意識」を探る J.R.R.トールキン著『指輪物語』が、エピック・ファンタジーの金字塔であることは周知の事実であるが、 中山星香氏は同著を読む4年も前、少女期には既に『妖精国の騎士』の土台を編み出していたという。 ここでは両著書の共通点、類似点を抽出することにより、FTにおける「人類共通の意識」を検証したい。 (★=『妖精国の騎士』(三剣物語)、☆=『エイリエルとエアリアンの詩』、◆=『指輪物語』、◇=『シルマリルの物語』で表す) 【注】著作権法は「表現」を保護するものであり、設定やネタの類似、被りはその対象とならない。 故にこの試みは、パクリ検証とは趣を異にすることをご承知頂きたい。 ≫最終目的 ★三剣(太陽、月、星)の内の一本、創始の星石「サフィール」を組み込んだ、凶運を呼ぶ魔剣 「ルシリス」を封印する。【予定】 ◆全てを支配する力をもつ「ひとつの指輪」を、滅びの山の火口へ投げ込み、葬り去る。 ◇浄福の国にあった二本の木(後にその最後の果実が、太陽と月になる)の放つ光を封じ込めた 三つの宝玉シルマリルを、冥王の手から浄福の国に取り戻す。 最後にシルマリルの一つは天へ上げられ、明けの(宵の)明星となる。 ≫キャラクター ★アルトディアスの王女、ローゼリィ。 国を亡ぼされて両親を失い、緑の妖精王ルシアン(アルフのクォーター)の元で養育される。 長じて人界に戻り、悪しき者との戦いに身を置く。 ◆イシルドゥアの末裔で、ゴンドールの王位継承権を持つアラゴルン。 生まれてすぐ父親を亡くし、ハーフエルフである裂け谷の領主エルロンドに養子として育てられたが 後にさすらい人となる。 旅の仲間と出遭い、悪しき者との戦いに赴いた。 ★ローゼリィ。「光の姫」という呼び名を持つ。 ◆ガラドリエル。エルフ語のひとつシンダール語で「光の姫」の意味。 ★緑の妖精王、ルシアン・エルフェルム。アルフと人間のクォーター。 エメラルド(エメルディ)のはまった、額飾りを持つ。 ◆裂け谷の領主、エルロンド。父親がエルフと人間のハーフ、母親がクォーターなハーフエルフ。 サファイヤのはまった、風の指輪ヴィルヤを持つ。 ★水の館の領主にして、妖精の女王フェルレイナ。呼び名は「水の奥方」。 「光の晶滴」を保持し、それを盗み出したエアリアンが主人公へ贈ることを黙認した。 ◆黄金の森ロスロリアンの領主にして、妖精の女王ガラドリエル。呼び名は「奥方」。 主人公に、エアレンディルの星の光「玻璃瓶(はりびょう)」を贈る。 ★白の魔法使い。光を信仰する魔法使い。 白い長衣に杖を持ち、長じると、長い髭を蓄えることが多い。 ◆白のガンダルフ。魔法使い。 元は「灰色のガンダルフ」と呼ばれていたが、モリアの悪鬼バルログとの戦闘の後 高い次元を超えて若返り、甦った姿を指す。 白髪に白髭、白いローブに杖を持つ。 ★エアリアン(白妖精)&銀の手のトパット(瑠璃洞の鍛冶職人、小人族)どつき漫才コンビ。 ◆レゴラス(エルフ)&ギムリ(ドワーフ)コンビ。 ★『三剣物語』第3部『はるかなる光の国へ』より、ユング・アルダ。 西方の地、ル・ダイン(通称「玉ねぎの郷(ルビ:オニオンフィールド)」)の村人。 時を超えてローゼリィと巡り合い、後の世へ一時的に光の剣をもたらす。 ★アルダ姫。『三剣物語』第4部、『アルディアの炎(仮題)』のヒロイン。【予定】 ◇アルダ。語源は「王国」で、地球のこと。中つ国と至福の国が含まれる。 ★ヴェイン。海辺の民、海辺の蛮族と呼ばれる、海賊の一族。 グラーンと同盟を結んでいるが、内陸戦が中心のため活躍の場はない。 ◆黒い帆を掲げる海賊船。大型船50隻+小型船から成る、ウンバールの主力艦隊。 アラゴルン一行がペラルギアで制圧し、ペレンノール野の合戦の最後に王の軍勢として現れる。 ≫動植物 ★鷲の王、ヒリアードル。 ◆大鷲の王、グワイヒア。 ★ローゼリィが呼び寄せの魔法で召喚した白馬、ローチャ。 ◆ガンダルフの白馬、飛蔭(シャドウファックス)。全ての馬の長。 ★ニールニカ(日金草)。内側から金色の光を放つかのような、白い花弁をつける。 薬草効用があり、新鮮なものだと殆どの怪我や病気を癒すことが可能。 ◆エラノール(elは星・anorは太陽の意)。星型の金色の花。 ◆ニフレディル。ルーシアンが生まれた時に咲いたと伝えられる、白い花。 ◆アセラス(王の葉)。薬草。「正当なる王の血筋」に使われることにより、絶大な効果を発揮する。 ★リネス。月光に属する白い花。5枚の花弁を持つ。 ◆エラノール(elは星・anorは太陽の意)。星型の金色の花。 ≫アイテム ★フェルレイナ、ルシアンの水鏡。水盤に水を満たして、あらゆるものを見ることができる。 ◆ガラドリエルの鏡。水盤に水を満たし、あらゆるものを見ることができる。 ★エメルディ。緑の妖精王が持つ、緑石。 これの子供石で額輪(サークレット)が作られ、ローゼリィに贈られた。 ◆エレスサール。アラゴルンがアルウェンから贈られた、エルフの緑色の石。 職人が、陽光の当たった木の葉の色を宝石の中にとどめたいと考えて作成し、そこに癒しの力が 込められたもの。 それを所持することから、アラゴルンの別名ともなった。 ★創始の星石。 青石(サフィール)、紅石(リビール)、夜石(エメジェス)、緑石(エメルディ)、水石(アクア)、 銀石(ディアン)、金石(ゴールディ)の七石からなる。 それぞれが強い力を持ち、使い方によっては世界を治めることもできる。 その内のいくつかは、歴史の中で失われた。 ◆ひとつの指輪。冥王サウロンが滅びの山で鍛えた指輪のこと。 エルフの王に3個、ドワーフに7個、人間に9個与えられた力の指輪の、すべてを支配することができる。 「ひとつの指輪」以外の全ての指輪には、それぞれにふさわしい宝石が嵌まっていた。 指輪は長い歴史の中で失われたものもあり、「ひとつの指輪」も滅びの山の火口で消滅した。 ★トパットの短剣。養父ルシアンより、ローゼリィに贈られた剣。 小人族の鍛冶職人、銀の手のトパットにより鍛えられたもの。 ローゼリィの友人クレアが闇に取り憑かれた際、魔法で刀身を光らせ、正気づかせた。 ◆つらぬき丸。養父ビルボより、フロドに譲られたエルフの中剣。 オークが近づくと、刃の部分が青い光を放つ。 ≫土地・建物 ★キリアンのリネスの丘。リネス(月光に属する白い花)が咲き誇る。 精霊祭の夜、アーサーがローゼリィに想いを打ち明けた場所。 ◆ケリン・アムロスの丘。エラノール(星型の金色の花)とニフレディル(白い花)が咲き誇る。 アラゴルンとアルウェンが結婚の約束を交した場所。 ★緑の館。アルフのクォーターである、緑の妖精王が住む。 ◆裂け谷(最後の憩い館)。智恵の持ち主であるハーフエルフの、エルロンド殿が住む。 ◆エルフの王国、ロスロリアン。マルローン樹の上に住まう。 ★魔の森。人間の侵入を防ぐ、魔法の障壁が張られている。 ◆黄金の森。魔法で外敵の侵入を防いでいる。 ◇ネルドレスの森。エルフのシンゴル王の住処。 ヴァラールの一段階下の精霊マイアである、メリアン王妃の魔法帯に守られており、入っても迷って 結局は外に出てきてしまう。 シンゴルとメリアンの娘がルーシエン。 ★不毛の荒地。古代の妖精の戦士や魔法使いのなれの果て、呪われた亡者が住まう古の戦場跡。 幽鬼が生者を襲ってくる。(ローゼリィがサラマンディアを召喚したことにより浄化) ◆死者の沼地。サウロンとの戦いで討ち死にした、人間やエルフの墓場となっている。合戦場跡。 死者の霊が生者を引きずり込もうとする。 ◆荒れ地(ロバニオン) ★キリアン城。古い歴史を持ち、崖の上に建つ。城下町は見当たらない。 ◆ミナス・ティリス。古い歴史を持ち、崖の上に建つ。城と城下町が一体化している。 ★オディアルが囚われていた、虚無の獄。 ◇メルコール(モルゴス)が第一紀の大会戦で打ち破られ、放逐された先が虚無。 ≫エピソード ★教育係のエドストレームが、王女を庇って谷底へ転落。死亡したと思わせ、後に謎の楽師として復活。 ◆魔法使いガンダルフが、仲間を庇って奈落の底へ転落。死亡したと思わせ、後に復活。 ★アーサーがローゼリィをグラーンから救出し、脱出。 →地下道を抜けたところで黒の歌長に襲われ、アトウィルが犠牲に。 →水の館へ逃げ込む。 ◆モリアの坑道を抜けるところでバルログに襲われ、ガンダルフが犠牲に。 →ロスロリアンへ逃げ込む。 ☆姿変えの魔法で一本の樹に隠れながら歌うエイリエルを、エアリアンが見つけ出し、捕まえる。 (冒頭シーン) ◇魔法の森の花咲く空き地で春を歌い、踊っていたルーシエンを、ベレンが追いかけて捕まえる。 最初は逃げ回っていたルーシエンに、ベレンは昔エルフ族に教わったエルフ語で呼びかけた。 ルーシエンの足元に咲いていた白い花はヘムロック。 ≫神話・概念 ★エア。大地の女神。 ◇エア。存在の意。物質界を指し、アルダ(地球)とメネル(天)を含む。 ★グラーン城内、処刑の塔に巣食う飢餓の触手。正体は大地の女神エア、闇の聖母。 人の世となり、全ての神々が眠りについた中、一人それを拒み地上を支配しようとしたが 大地への愛が欲へと変化した結果、姿が醜く歪み、見るも恐ろしい姿となった。 三剣の騎士により「沈黙の岩」へ封印された後は、石の魔女と呼ばれる。 ◆オーク。元はエルフ。 メルコオル(モルゴス)に捕らえられ、拷問にかけられて堕落した姿。 苦痛と憎悪によって醜くゆがんだ姿をし、体内には黒く冷たい血が流れている。 ◇アルダ(地球)の諸事を行う精霊ヴァラールの一人であり、その長マンウェ以上の力を持つ とも言われたメルコールが、支配欲から堕落して、見るも恐ろしい冥王モルゴスと成り果て 地下の大宮殿サンゴロドリムにこもる。 ★世界に神が複数存在し、妖精にも緑・炎・水などの属性がある。 ◇唯一の神イルーヴァタールの創世した、アルダ(地球)の諸事を行う精霊ヴァラール。 それぞれに、関心事、得意、担当、住む場所などが違う。 浄福の国に呼び寄せられてそれぞれのヴァラに師事したエルフ族も、得意分野を極め 一種の魔力を身にそなえるようになった。 ★太古の昔、神々と妖精族が戦争を行っていた。 ◇創世紀のアルダ(地球)をめぐる、ヴァラール(精霊)の戦争。 ≫歴史 ★物語終盤、女神エアを封印した際に大規模な地殻変動が起こる。【予定】 ◆サウロンに堕落させられたヌメノールの王が、エルフの不死の国を攻撃。 地殻に大変動が起こり、ヌメノールは水没。不死の国はこの世から切り離された。 ◇第一紀最後の大会戦でサンゴロドリムが破壊されたとき、そのあまりの凄さに大陸北西部が海に沈む。 ☆白妖精エアリアンが、闇の神に狩られた「夕の星」の異名を持つ恋人エイリエルを追って、 死に際の人間の魂に精神を添わせ、死者の住まう影の国へくだる。 エイリエルの詩声により発見。 影の国に流れる死と忘却の河の氾濫に、2人は固く抱き合ったまま、その濁流に流れ去る。 →転生後に巡り合い、また恋人となる。(★) ◇「夜鶯」の異名を持つルーシエン(エルフ)が、恋人ベレン(人間)の死に際にマンドスの館へ 留まることを約束させ、自らも身体から抜け出て魂だけの存在となり、神々の住む不死の国へ赴く。 神々に悲嘆と慈悲を訴えて歌を捧げ、ベレンを生き返らせてもらう。 許された短い期間を2人で暮らし、この世を去る。 →ルーシエンの再来と見紛うほどに生き写しの、エルフ族の夕星アルウェン(エルフ語でウンドミエル。 「宵の明星」の意)が、ルーシエンと同様、人間を伴侶に選ぶ。(◆) ≫エンディング ★ルシリスを光の国に封印するため、すべての世界へ通じる「時の海」に入り、永遠の旅人となる。【予定】 また封印のためには、剣の持ち主が生者のまま、光の国まで到達せねばならない。 ◆エルフの白い船に乗り、大海を超えた不死の国へと旅立つ。 ◇ヴァラールに中つ国の窮状と慈悲を訴えるため、シルマリルを携えたエアレンディルが船出する。 シルマリルがあったので、惑わしの島を抜けて浄福の国の不死の岸辺に降りることができるが 中つ国に戻ることを許されず、シルマリルと共に星になり、天を航行する永遠の船乗り人になる。 ★ローゼリィ。アーサーとの間にできた子供を、3年間過ごした「玉ねぎの郷(ルビ:オニオンフィールド)」の村人に 託し、時の海へと旅立つ。【予定】 ◇ルーシエン。ベレンとの間できた一人息子を残し、この世を去る。 ★スレ住人の皆さま 魚茶 さま 花と名無しの一人 さま 天体観測者 さま 名無し さま 流し読み読者 さま ≪ Special Thanx! ≫ |