Bin-Star(Binary Star Watching)

2020/01/15(水)12:19

クローズアップレンズによるコマコレクター・レデューサー(その2)

スターウォッチング(180)

さて、短焦点のニュートンが欲しくて購入したAT6IN。 気に入ってはいるが、無知であった。焦点距離が短くなるほど、口径が大きくなるほどニュートン鏡ではコマ収差が出やすくなる。そのことを知らずに個人輸入してしまったのだ。 610mmF4.0のAstro-Techイメージングニュートンでは、拡大画像にしなくても認識できるくらいコマ収差が発生し、なんとかこれを改善したい。 先人達の興味深いWeb記事を見つけた。 ケンコーACクローズアップレンズNo.4をレデューサー・コマコレクターとしてカメラのTアダプタ内に組み込む方法である。 この方法は、銀河☆(Galaxy star)ホームページの管理者の方が発案された。 また、その効果や制作記事については、お気楽天体観望のホームページで詳しく紹介されている。 お二人の先輩方より多くのアドバイスを頂きたいへん感謝致します。 私は、非常に大きな誤解をしていた。 市販レデューサーの多くは、レデューサー・フィールドフラットナーとかレデューサー・コレクターなる表示がされており、レデューサー自体がコマ修正の効果を副次的に有しているものと思い込んでいた。 クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターの情報を公開して下さっている上記のお2人から以下の様な貴重な情報を頂いた。 ・レデユーサー・コマコレクター・フラットナーは全て別もの ・クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターは、F5程度のニュートン反射望遠鏡を対象としたコンピューターシミュレーションによりクローズアップレンスNo.4が選択された。 ・コマコレクターの効果を優先していて、レデユーサーの効果は副次的なもの。 ・クローズアップレンスNo.4をTリングに組み込んだことにより、焦点距離がf750mmからf615mmに、F値がF5.0からF4.1の副次的効果が得られた。 ・クローズアップレンズを対物レンズ側へ更に移動させると合焦しなくなる。 ・レンズと光害カットフィルタなどの平面のフィルターが近いとゴーストが出やすい。 ・光害カットフィルタがクローズアップレンズより受光素子側にあるとゴーストが出やすい。 ・光害カットフィルタはフォーカサーのドローチューブ側につければゴーストが抑えられる。 ゴーストのことはさておき、まずは、試してみようと思い、合焦することを優先にカメラのTアダプタ内にケンコーACクローズアップレンズNo.4組み込んだ。 レンズの周囲はホームセンターで売っていてハサミでも切れる0.5mm厚の塩ビ板で囲んだ。 丁度バネの様に伸びようとする力が働くので、Tアダプタにしっかりと固定できた。 さて、Astro-Tech 15cm 610mm イメージングニュートンのコマ収差に気付いたファーストライト時の写真と、クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクター使用時の写真を並べてみた。(恥ずかしながら画質については、ディズニーランド横の湾岸エリアで超光害地のためかぶりがひどい) ・クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターなし:左 あり;右 レデューサーの効果によりは610mm F4.0から500mm F3.0になっていたらうれしい。 ただLPS-PII光害カットフィルタの画像上の有効域も狭くなってしまっている。 光害カットフィルタの画像上の有効域を広げるには受光素子にできるかぎり近づける必要があるのだが、クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターもTアダプタよりも接眼側にすると合焦しなくなる情報も頂いているので難しい選択をせまられる。 光害カットフィルターを優先させるか、クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターを優先させるかトレードオフの関係にあると言えるかもしれない。 ・画像の左下隅のピクセル等倍画像(Web上は1/2サイズの縮小画像:ダウンロードすればピクセル等倍) ・クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターなし:左 あり;右 コマ収差の補正はできているが、もう少し補正できないものであろうか? ・画像の右下隅のピクセル等倍画像(Web上は1/2サイズの縮小画像:ダウンロードすればピクセル等倍) ・クローズアップレンズによるレデューサー・コマコレクターなし:左 あり;右 撮影場所:浦安市総合運動公園(ディズニーランドと市川工業地帯に隣接する超光害地です。) 鏡筒:Astro-Tech 15cm 610mm F4.0 / 赤道儀:Twin Star CG-5 type レデューサー・コマコレクター:ケンコークローズアップレンズNo.4 光害カットフィルター:LPS-P II カメラ:SONY NEX-5(APS-C) 撮影条件・処理:露出時間5秒-7秒の30枚をレジスタックスで処理 さてはて、コマ収差改善のため、次にうつ手は何でしょうか? ケンコークローズアップレンズNo.5か?それでも合焦するのか? 今のところ思いつきません。 以上 Binary Star Watching

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