金沢~東京、ヒッチハイクの旅!!ギラギラ太陽とギャーギャーセミの八月中旬。夏休みももう残りわずか。今年の夏は受験で毎日大学のことばかり考え、勉強のことが心配になり、しかし勉強できず、なんとも気分が悪くモヤモヤした毎日を送っていた。ある日、図書館へ勉強しに行った。勉強といっても、一時間寝ては10分やり、一時間本を読んでは20分やり、という感じであった。今日もいつものように寝ていた。 ---起きた。何かしたくなった。遠くへ行きたくなった。「ヒッチハイク」という考えが思い浮かんだ。行動力だけは誰にも負けない僕は、三十秒もしないうちにNピーへメールを出した。「今からヒッチハイクするぞ!」 N君はノリが最高にいい奴であった。一時間も経ったかたたないかのうちに、集合した。この時夕方五時。 八号線で、A4サイズの紙に大きく「新潟まで乗せて!」と書いて高く掲げた。なぜ新潟かというと、特に行くところはないが、一泊するくらいの距離で、ちょうどいいからだった。 五分後、一人のおもしろそうな兄ちゃんが、「新潟やったら通るよ!のってく?」と言ってくれた。初めてのヒッチハイクなのに、五分で止まってくれるとはびっくり! 兄ちゃんは年が僕らと近かったので、話していてとても楽しかった。兄ちゃんは東京まで行くらしかった。兄ちゃんは、「東京まで行く?俺も一人やし君らおったほうが楽しいし!」 僕らは後のことを考えずに「お願いします!」と言ってしまった。 兄ちゃんは東京に住んでいて、明日単車で北海道へ行くらしい。なんともハードな人・・・!お金がないらしく、下道で行く。 すぐ暗くなった。富山を超え、新潟を通った。車内からふと夜空を見上げた。真っ黒だった。車の窓を開けた。すると空にはぎっしりと星がひしめき、またたいている。新潟の海沿いを走っているはずだが、宇宙にいるかのようだった。(行ったこと無いけど) 長野に着いた。兄ちゃんは疲れたらしく、Nピーに運転を交代してもらっていた。Nピーの運転が怖くて、僕は前のめりになった。 もう夜中の12時を越えていたので、眠い。兄ちゃんは寝て、僕も何度か寝ては起きてを繰り返した。Nピーは道の先を見つめて車を進める。 朝四時。起きたら肌寒い。薄暗いのは分かるが、窓は少し曇っている。目をこすり、あくびをして外を見たら、相模湖が見えた。ここは山梨らしい。山道はクネクネしていて、大型ダンプがどんどん上ったり下ったりしている。 東京に入り、兄ちゃんの家があるらしい国分寺で降ろしてもらった。金沢を出てから十三時間が経っていた。 まだ眠いが、電車に乗り、新宿へ向かう。都庁の裏の公園で浮浪者に混ざって少し寝た。都庁はドッシリしていて、何とも重そうだ。本当にどうやったらこんなでかいものが立つんだろう・・と思った。田舎もんでスンマセン! エレベーターで展望台へ行った。外国からの方が多かった。すれ違うだけなのに、ニッコリ微笑んでくれた。 日本人なら、「気があるんじゃない?ウキウキ」となるところだが、さすが、外国の方!!と思った。 とにかく渋谷。ハチ公を見て、「あぁ思ったよりツルツルだなぁ」と思い、ビルに写る巨大スクリーンに「あぁテレビと一緒だ」と思い、しょーもない事ばかりに感動していた。 人気ナンバーワンらしいカレー屋へ行き、パク森カレー(辛さ普通)を食べた。うーーーんうまい!と言いつつ、実はチャンカレのLカツの方がうまいんでないか?と思った。 夕方四時からTさんという東京の友達に会った。東京駅で待ち合わせをした。とても元気そうだった。中学の時に引っ越してしまったのだが、僕はとても会いたかったのだ。三時間ほど一緒に遊んだ。気を遣ってくれて、フレンドリーで、やさしくて、すっごくいい人だ。昔からちっとも変わってないなぁと思った。 八時。新宿へ戻り、寝場所を探し、歩き回った。ホテルは高い。結局マンガ喫茶にした。マツヤでマーボー丼を食べ、新宿の街を歩きまわりった。金沢には無いドンキホーテへ行った。確かに安い!なかなかおもしろかった。 もう一度都庁から夜景を眺た。もう歩きすぎて足が棒になっていた。テンションが下がってきたのでマンガ喫茶へ。なんとシャワーがある。カルピスを飲みつつドラゴンボールの一巻を読みながら、寝た。 三日目。朝五時に出発。今日は帰らないといけない。地図を見て、一番ヒッチハイクしやすい場所を探した。 高田馬場駅で降り、新目白通りで「新潟まで」と書いた紙を掲げる。また10分もしないうちに一台のファミリーカーが止まった。パパぱとても愛想がよく、めがねの似合う人だった。パパさんも昔ヒッチハイクの経験があるらしかった。 その後もおばあさんを乗せた優しいオジサン、一歳と六歳の子を連れたファミリー、大学教授、アルファードに乗ったファミリーにと乗り継いで、金沢に着いた。 みんなとてもとてもいい人だった。人が好きになった。ヒッチハイクでこれほどのいい経験をするとは思っていなかった。また、楽しい旅ができればいいと思う! 2004.09.13の日記より引用 |