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Aug 20, 2005
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カテゴリ:アートで潤う
本を読まない私が3日で読破した本「最後のロシア皇帝」植田 樹(著)

ロシア帝国の最後の皇帝・ニコライ二世と言えば、「血みどろの皇帝」と呼ばれる専制君主で、極東への強引な進出を図って日露戦争を引き起こした張本人。独裁政治を堅守するが故に、民衆の不満につけこんだ革命軍の進行を阻止できず、みすみすロマノフ王朝を破壊しソビエトの手に渡してしまったおろかな人物という印象でした。

ニコライ二世は、革命後、皇后と5人の子供と共に処刑されました。処刑は周到に準備して決行され、隠蔽工作は極めて入念に行われましたが、遺体が遺棄された場所は、民間により秘密裏に探索されています。皇帝を心から敬愛した「反革命派」の人々に見つけられなかったのは、彼らがまさか人馬ががんがん通る道の下に埋められているなんて夢にも思わなかったからです。

この本は、歴史を掘り下げると言うよりもニコライ二世の人格に焦点を当てた話でした。独裁者の素顔を紐解くと、実は内向的で、家庭的で、誠実であった姿が浮かび上がります。時代に「もしも」はないけれど、もしも乱世に生まれていなければ、その人生をまっとうしていたのでしょう。

やさしいが故に身を滅ぼしたニコライ二世。彼の温厚な人柄を知ると、家族を巻き込んだことを一番悔やんでいただろう、と思います。ソビエトが崩壊し、一家はやっと埋葬されましたが、非道な扱いをされたその魂は癒されたのでしょうか。






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Last updated  Aug 22, 2005 11:54:59 AM
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