薬剤師Stephenのよろずブログ

2021/01/02(土)08:16

サフラン

医学の歴史(202)

紀元前1500年頃 古代ギリシアのエーゲ海諸島のテーラ (Thera) でサフランが(通風)薬として使われた。 サフラン(番紅花、咱夫藍、洎夫藍、洎夫蘭、 Crocus sativus、蘭: saffraan、英: saffron、仏: safran)はアヤメ科の多年草およびそのめしべを乾燥させた香辛料をさす。イラン原産とされるが諸説あり、地中海の島で発掘された壁画によると、青銅器時代から栽培されたと考えられる。 別名薬用サフランと呼んで、同属植物で観賞用の花サフラン(クロッカス)、アルカロイドのコルヒチンを含むイヌサフラン科のイヌサフランと区別する。サフランは最大20 - 30センチメートルに成長すると花を一株に最大4つつけ、3本ずつある鮮やかな深紅の柱頭は単雌蘂の先端部で花柱とともに摘み取って乾燥させ、主に食品の調味料や着色料に使用する。サフランは重量単位で比べると世界で最も高価なスパイスのひとつ。遺伝的に単形クローンであることから分布の拡大は遅く、ユーラシア全域に広がった後に北アフリカ、北アメリカ、およびオセアニアに持ち込まれた。日本では、咱夫藍の漢字を当てる。洎夫藍、洎夫蘭という借字を用いた表記もされる。泊夫藍という表記も見られるが、これは「洎」を「泊」とした誤字である。成分は、α、β、γ‐カロテン。他に色素配糖体であるクロシン、無色の苦味配糖体ピクロクロシン (picrocrocin)、精油(8 - 10%、テルペン、テルペンアルコール、エステル)、クロセチンなどを含む。クロシンは水溶性で油には溶けない。香りの主成分はサフラナールである。 サフランの語源には諸説ある。12世紀の古フランス語 safran からたどると、ラテン語 safranum、さらにペルシャ語 「ザアファラーン」(zaʻfarān زَعْفَرَان)、あるいはさらに古い言葉 zar-parān (زرپران)へとさかのぼる可能性もあるという。アラビア語 az-za'faran (زعفران)が語源という指摘もあるが確認されていない。サフラン栽培は3000年以上前から記録に残り、おそらく原種の Crocus cartwrightianus から雄蕊が長いものを選別した変異体 C. sativus が青銅時代に確立して以来、栽培が続いたものと考えられる。調理に関わる記述にサフランの名が初めて現われたのは、いまから数千年前のペルシャ語の資料である。紀元前から世界各地でめしべを香辛料・染料・香料・薬用として利用している。古代ギリシアではサフランの黄色を珍重し、王族だけが使うことを許されるロイヤルカラーとされた時代もある。日本へは江戸時代に薬として伝わった。国内での栽培は、1886年(明治19年)、神奈川県大磯町(旧国府村)の添田辰五郎が病気の母親のため、球根の輸入と栽培を試みたのが始まり。1897年(明治30年)に内務省横浜衛生試験所の認定を受け、商品化・輸出されるようになった。1903年(明治36年)には、辰五郎から球根を譲り受けた吉良文平によって大分県竹田市へ伝わり、同地は名産地になった。現在、日本国内の約8 - 9割が竹田市で生産されている。他の産地は宮城県塩竈市などである。 生薬としては番紅花(ばんこうか、蕃紅花とも書く)と呼ばれ、鎮静、鎮痛、通経作用がある(日本薬局方第二部に「サフラン」の名で収録)。中国では西紅花、藏紅花の名で生薬として流通している。動物実験では、サフランの黄色色素であるカロテノイドの一種「クロシン」の摂取が大腸がん予防に効果があるとする研究もある。 着色や風味付けなどの通常の用途で、食事から経口で摂取する量では安全とされている。しかし、以下の場合には注意が必要である。堕胎作用、子宮収縮作用、通経作用に注意が必要である。「授乳中の安全性については充分な情報がないため、避けたほうがよい」、「妊婦には禁忌である」との記述もみられる。大量摂取は危険と言われており、5グラム以上摂取すると重篤な副作用が出る。致死量は12 - 20グラムである。オリーブ属、オカヒジキ属、ドクムギ属の植物に過敏症がある人はアレルギー症状に注意が必要である。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ​ サフランゴールド(90粒)【森川健康堂】​

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