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テーマ:映画館に行こう!!(383)
カテゴリ:映画レビュー(☆☆☆★★)
![]() 福本伸行原作、ギャンブルコミックの金字塔的作品を映画化。ちなみに、福本先生自身も、俳優として作中に出演されている。 省略されたエピソードは多少あるにせよ、超有名ベストセラーコミックだけあって、やはりメチャクチャ面白い。 「いつかオレは、何かをやるんだー」「人生まだまだこれからさー」なんてのたまう、甘っちょろさ全開のクズの皆様を、「勝たなきゃゴミだ」「積み重ねて来てないヤツは、一生地べたに這い蹲って生きるしかない」と断じ、文字通り奴隷のごとく扱う超資本主義の帝愛グループは、まさしく社会の縮図そのもの。皮肉なようだが、キレイ事や理想ばかり並べるクズ側よりも、帝愛側の見解の方が概ね真理を突いている点も、耳に痛いが見逃せない(金が命より重いとは、さすがに思わないが)。 そんな中、クズ側の代表たる主人公・カイジが、様々な心理ゲームになけなしの度胸と知恵を振り絞って勝ち進み、社会の底辺から這い上がろうとする姿は、観ていて実に痛快。「生きる事」とは、すなわち「人が人として人らしく生活する事」の、体現のようにさえ思えた。 しかし、あれだけ「ひりつくような」勝負を経験しながら、結局また簡単に他人を信じたり、約束とはいえせっかく手にした金をポンとあげたりと、根本的にお人よしのクズ人間のまんまのカイジ。そこがまた、彼の魅力なのかもしれないが、若い諸兄姉は間違っても、彼のような生き方に憧れたりしないように(笑)。 本作の最大の見所である「限定ジャンケン」や「Eカード」はもちろん、福本作品には欠かせない独特のセリフ回しも完全再現。たった1枚のカードが残りの人生の全てを決める、息をする事さえ躊躇われるような極限の緊張感は、そこいらのB級アクション映画などまったく話しにならない、独特の迫力と重厚さ。印象的な心境音(?)「ざわ…」も相俟って、不思議と香川照之氏や佐藤慶氏、さらには藤原竜也くんのキレイな顔出しさえ「やたらと汗だくで、顎が異常に角ばった『福本伸行顔』」に見えてくる、見事なまでの完成度であった(笑)。 それにしても、福本作品を読むたびに思うのだが、よくもまあ、あんなゲームやら罰やらを考え付けるモンである。指の先にドリルで穴開けるとか、熱々の鉄板の上で土下座するとか、マトモな人間の発想とは思えない(笑)。 他にもツッコミどころを挙げるとするならば、都心の地下にあんだけ巨大な帝国築いとったら、雨降った時に地盤沈下とか浸水で大変じゃないのかな?実際、落盤してたし。 大体、地下労働150年って、何年後の完成を目標にプランを立てとるんだ。サグラダ・ファミリアか。それとも、完成後の補修工事とか、拡張工事も視野に入れてるとか?でも順番からいって、あの総裁が絶対一番最初に死ぬだろ。どっちにしろ、完成したの見れないじゃん。 あと個人的には、何故あの まあ、とはいえ、「本当は、人生逆転なんてねぇんだぞ」という、著者の人生哲学的な部分も匂わせながら、娯楽作としては相当いい出来。 原作の再現度にゲラゲラ笑うも良し。熱い勝負に手に汗握るも良し。観て損なし。 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、 ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ざわ… ☆☆☆★★ 星3つ半!! ![]() 逆境無頼カイジ DVD-BOX(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 23, 2009 10:05:32 PM
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