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June 10, 2010
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孤高のメス.jpg
 現職医師でもある作家・大鐘稔彦のベストセラー小説を映画化。1989年、とある地方病院に赴任してきた天才外科医が、当時タブーとされていた脳死肝移植手術に挑む。

 
 充分とは言い難い人材と設備。患者の命より自分の保身を優先する医師と経営者。難解な手術は全て医大病院に送りつけが慣例化し、医療とは何なのかを見失いつつある看護士達。そんな地方病院に颯爽と現れたのは、どんな時でも決して諦めず、ただ患者の命を救うためだけに全力を尽くす孤高の外科医。
 本作の中枢となる部分、それは堤真一氏演じる天才外科医・当麻の英雄然とした活躍を描いたものではなく、むしろ周囲の人々や環境にクローズアップされた物語だと、小生は思う。
 慣例より患者の命を最優先に考え、そのために法さえも恐れない、まさしく孤高の医師。ゆえに彼という人間には、終始一切のブレがない。ただストイックに、一直線に、目の前の命へと向かっている。
 そんな彼の言動、信念、一挙手一投足に感化され、再び医を志す者として再生していく病院関係者やその周囲の人々、あるいは彼に疎み、貶めようとする輩。
 まるで一本の聳える鉄骨のようにブレのない当麻。そんな彼を中心に周囲が反応、共鳴していく事で、血の通った人間ドラマを形成している。
 原作全6巻(「メスよ輝け!!」なら全12巻)のうち、どこまでアレンジ、オミットされたか、あるいは原作ファンは本作をどう捉えたは存じ上げないが、これだけでも充分以上に見応えがある。

 また、ストーリー展開もさることながら、やはり医療ドラマだけあって、手術シーンは本物の術中かと見紛うほどの完成度。
 特にクライマックスの脳死肝移植手術の場面は、演技者の迫真の表情に加え、音楽による絶妙なアクセントも利いて、観ているこちらの呼吸さえ躊躇われる、この上ない緊張感を生み出す事に成功。ヘタなアクション映画など比ではない、まさに些細なミスも許されない、命を繋ぐ現場の再現であり、体現であった。
 余談だが冒頭、生瀬勝久氏演じるヘボ医師が、切ってはいけない血管を切ったがために噴出したタンク一杯の血を、看護士が流しに捨てる場面には、ついこの間左手小指骨折の手術を受けたばかりの身としては軽い寒気を憶えてしまった。
 いくら映画とはいえ、あの大量の血が一人の患者から出たと思うと、顔をしかめずにはいられない。
 もう一つ余談だが、作中、当麻がオペに際して看護士に都はるみのテープをかけるように頼むシーン。立ち会ったスタッフが「音楽をかけるんですか?」と驚いていたが、小生が手術を受けた時には絢香のCDがかかっていたので、今では当たり前なのかもしれない。その辺はどうなんだろう。
 なお原作では、当麻都はるみではなくポール・モーリアのファンという設定だそうだが、手術中に「オリーブの首飾り」なんぞ聴いていたら、それこそ「メスが暴れてしまう」のではないだろうか。
 まさか血管切ったら鳩が出てきた、なんて事もあるまいに。

 
 さておき。
 上記の事も踏まえた上で、…まあ、こういう事を書いてしまうのも何だが、実を言うと小生、本作に関して主演の堤真一氏と、武井静役の余貴美子さんの芝居が素晴らしすぎたので、それだけで非常に満足してしまった(笑)。
 
 「クライマーズ・ハイ」の熱血新聞記者、「容疑者Xの献身」の天才数学者等、氏が演じると、ただそれだけで役に説得力が生まれ、何だったら、そのまま普通に手術とか出来てしまうんじゃないかと錯覚するほど、自然と絵になってしまう。
 もちろん役作りのために、陰で相当努力はされていると思うが、あれで「自分は役者に向いてない」などと、どの口が言うのか。氏が役者に向いてなかったら、日本に役者で飯が食える者など、一人もいなくなる。
 作中、「(都はるみは)日本の宝だぞ」とぼやくシーンがあったが、小生が言わせれば氏こそ日本映画界の宝である。
 さんに関しても言わずもがな。彼女の凄さは、まったく普通の役を、まったく普通に演じつつ、前衛後衛を一瞬に切り替える天性の勘にある。
 普段は主演やメインキャラの後ろに隠れ、引き立て役のように振舞いながら、ある瞬間にグッと前に躍り出、かと思う間にあくまで自然に、しかしキラリと光る存在感を発揮する。昨日今日の女優もどきには決して真似できない、もはや匠の技である。
 日本アカデミー最優秀助演女優賞を2年連続で受賞している彼女だが、本作を観る限り、来年もまた壇上で自身の名をはにかみながら読む事になりそうである。
 もちろん夏川結衣さんの表情、生瀬勝久氏のボンクラ医師っぷりなど、他の出演者の仕事も素晴らしいのだが、あの二人の存在感が圧倒的過ぎる。
 映画レビューを書く者としては失格なのだが、正直本作は、御二方の演技だけで1800円払っても惜しくないと断じてしまいたい。
 地方医療の実態とあり方、命の尊さ、家族愛、その他様々なメッセージの込められた作品であり、素晴らしい映画である事は間違いないのだが、あのお二人が並んで同じ絵の中に立っているのを観に行くだけでも、劇場に足を運ぶ価値は充分にある。


 医療関係の問題については、高卒低所得の門外漢ゆえあえてコメントを控えさせていただくが、今年の7月から改正臓器移植法が全面施行され、さらに秋頃から運転免許証に臓器提供意思の有無を記載する欄が設けられる昨今、この作品がなにかしらの一助になればと、勝手に思ってみる。
 お世辞にも若者向けとは言いがたい内容だが、できれば若い人こそ観てもらいたい、そんな映画。ただし、手術のシーンは相当リアルなので、血に弱い方やスプラッター系が苦手な方はご注意を。
 あと鑑賞後、しばらく焼肉が食えなくなっても、小生はまったく責任持てませんので悪しからず(笑)。

 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★

 堤さんと余さんだけで、星3つ分以上の価値アリ(笑)、星4つ!!



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最終更新日  June 24, 2010 10:08:13 AM
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