狂人ブログ　～旅立ち～

　トム・クルーズ＆キャメロン・ディアス、ハリウッド２大スター競演でも話題となった本作。
　ある平凡な女性が、謎のイケメンとの偶然の出会いをきっかけに、世界を股にかける大騒動に巻き込まれる、サスペンス・アクション・ラブロマンス。


　多分、主演俳優を決めてから脚本を書いてであろう、この手の映画にありがちな内容ながら、想像していた以上になかなか面白かった。
　相変わらずトム・クルーズの爽やかクールガイっぷりと、キャメロン・ディアスのいい女っぷりが前面にフューチャーされているものの、最後まで飽きずに観られただけでも、賞賛に値する。


　なにはさておき、本作のキモといえるとは、キャメロン・ディアス演じるヒロインの存在感。
　突然現れた、危険な薫り満載のお茶目なハンサムに振り回されながらも、あくまで対等に渡り合い、場面によってはイニシアチブさえ握ってしまうタフさに加え、従来の、ただ守られるだけのお姫様的ポジションから脱却し、時には信じられないほどアグレッシブな行動に出る大胆さ。
　多少「アグレッシブにもほどがあるやろ」とツッコミたくなる部分はあるものの、現代の「強い女性像」の具体のようなその様に、男女問わずスカッと爽快感を得る事ウケアイ。
　最近、母親役がやたらと板についてきた彼女だが、やはり天性的にこういった役がよく似合う。
　余談だが、他にも作中、イケメンとの恋の予感にキャッキャとはしゃいだり、カクテルでベロンベロンになったり、驚いてマシンガンを乱射したり、ついには大胆なビキニ姿まで披露したりと、彼女のセクシー＆キュートな魅力が満載。本作の彼女を観て「かわいい」と感じる人は、意外と女性の方が多いのではないかと、勝手に推測してみる。

　また、全編通してほぼヒロイン目線でストーリーを展開させる事で、例えば、敵に捕まる→トムが全員片付ける→脱出、といった一連の流れを、無駄なカットを省きつつも、無理なく、スピーディに進行させる事に成功。ただ単にユニークなだけでなく、必要最低限の労力で最大級の成果をあげるための、もはや発明と言って差し支えない、斬新な手法であった。

　物語やアイディア自体に、それほど特筆すべき驚きはないものの、同時にこれといった減点対象も（目につく限りでは）思ったほど多くない。
　使い古されたモノでも、組み合わせ一つでそれなりの作品が作れるもんだなと、改めて実感。例えは悪いかもしれないが、冷蔵庫の中の残り物だけで作ったにしては、意外と美味いやん、みたいな映画。
　
　繰り返すが、おそらく本作は女性の方が好きかもしれない。もちろん男性でも充分楽しめる出来なので、興味がおありならどうぞ。

　それから、登場するアメリカンクラシックカーが無駄にカッコいいので、そっち方面に興味がある人は要チェック。


　ポロリはないけどねっ！！！
　（当たり前）



　そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

　☆☆☆★★＋
　星３つプラス！！



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