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映画レビュー(☆☆☆☆★)

March 25, 2011
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ラプンツェル.jpg
 記念すべきディズニー・クラシックス第50作目にあたる本作は、「髪長姫」の邦題でも知られるグリム童話を原作に、長い間塔の上に閉じ込められていた少女の、初めての外の世界と冒険と恋を描くフルCG3Dアニメーション・プリンセスストーリー。


 基本に忠実な、王道的ストーリー。それでいながら、昔ながらの手法と新しい技術を融合させた、多くのアイディアをふんだんに盛り込み、超一級のエンターティメントに仕上げた、まさに次世代スタンダードと呼ぶべき傑作。本作を見ずして、これから先3Dアニメを語るなかれ。

 美しい少女がとある男性と運命的な出逢いを果たし、行動を共にするうちに恋が芽生え、幾多の困難を乗り越えた後、悪者を倒してハッピーエンド。
 何世紀も昔から連綿と続く、ディズニーお得意の超弩定番ストーリーながら、表情豊かでイキイキとしたキャラクターの動きと、本場アメリカらしいカートゥーン的面白さ、そして、絶妙の緩急の利いた展開に、最後までまったく飽きない。

 お淑やかで清楚可憐、旧態依然としたヒロイン像を覆す、ラプンツェルの現代的で天真爛漫、同時にティーンらしい感情の揺れ幅を見せる姿が単純に愛らしく、そのお相手となる盗賊フリンの、ちょっとお調子モノでナルシスト、でもやる時はやってくれる憎めないキャラクターも、いわゆる王子様キャラとは一線を画し、コチラも高評価。
 この二人のキャラクターバランスが、何の変哲のないお伽話をまったく新しい世界へと生まれ変わらせるコンバーターとして機能。大時代から使い古されたはずのパターンを、一味違った物語への昇華に成功させている。

 突然、80、90年代のヒットダンスナンバーに合わせて躍り出したり、悪党の放った弓を仰け反りながらかわしたり、なんて小手先のごまかしは一切なし。純度100%の直球勝負で、これだけのモノが作れるとは。
 いやはや、基本を突き詰めた者だけが、独創性を得られるという手本のような作品である。エンターティメント界のドンとして君臨するディズニーならではの、強烈な正拳突きと評したい。

 また、一つのエピソード内にもきっちりと起承転結をつける堅実な作りと、コメディならコメディ、シリアスならシリアスと、巧みに切り替える構成力は、もはや神業。
 特に、本作の要ともいえるミュージカルシーンは秀逸。個人的にミュージカル映画は、「歌わんでええから、早よ話し進めろや」とか、「なんで突然唄いだすねん。アホちゃうか?そんなんいらんねん」とか思ってしまい、あまり好きではないのだが、本作のそれはとにかく出来がものすごく良い。
 楽曲が良いのはもちろんだが、ストーリー進行を邪魔せず、物語を彩る重要なファクターとして、しっかりと成立している。変な歌と踊りを無理やりねじ込んで、出来そのものを台無しにしてしまう作品も中にはあるが、本作に関して言えば、ミュージカルシーンがなければ、この物語は完成しなかったと断言できる。
 とにもかくにも、そのくらい素晴らしい。

 それにしても、ラプンツェルの日本語版の声を担当したしょこたん。知らない間にずいぶん歌が上手くなったな、と思ったら、歌は違う人だった。お前はシェリル・ノームか。仮にもCD出してるプロの歌手なら、そこは頑張るところだろう。
 まあそのおかげで、作品の完成度に、妙なケチがつかなくて済ん(以下略)。


 しかし何度も言うようだが、やはり日本は「観せる」アニメーションに関しては世界でもトップクラスだが、こと「楽しませる」事に関しては、アメリカに一歩も二歩も遅れているように感じる。
 もっとも、これは単純に「寄席と劇場」という文化の差であるので、比べる事自体詮方ないところではあるのだが、これからジャパニメーションが世界市場で生き残っていくには、この辺りのスキルをもっと盗んでくる必要があるのではないかと、少しばかり思った。

 
 シンプルにして贅沢。革新的にして正統派。本作を形容するなら、おそらくこんな言葉が適切か。
 久々に、400円多く払っても惜しくない作品で出会えた気分。家族連れでも、夫婦でも、カップルでも、友達同士でも、もちろん一人でも、誰が観ても楽しめる名作。

 ディズニーの底力、ここにあり。必見!!


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★+

 星4つプラス!!



 余談だが、原作の初版版は、本作とは似ても似つかぬエログロナンセンスの物語だったらしく、とてもチビッコ達に見せられるような内容ではなかったという。
 その後、大部分が書き換えられ、かなりマイルドになった改訂版が出版されたそうだが、当然、本作ではそういったシーンは全てカット、アレンジされているので、小さなお子様をお持ちのお父様お母様は、どうかご安心を。



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最終更新日  March 25, 2011 10:51:20 PM
January 19, 2011
ソーシ~1.JPG
 鬼才・デヴィッド・フィンチャー監督最新作は、若くしてSNSサイト「Facebook」を創設した天才・マーク・ザッカーバーグの成功と、その裏に隠された孤独を描いたノンフィクション。

 ちなみに、マーク自身は本作を「創設目的が事実と異なるが、キャストが着ている服は自分が着ていた物と同じ」と評しているとか。


 さておき。
 「セブン」「ファイトクラブ」デヴィッド・フィンチャーだけあって、登場人物の心理描写がとにかく素晴らしいの一言。ちょっとした仕草やセリフはもちろん、時には歩調一つでそのキャラクターの心境、思想を、雄弁に表現してみせている。
 特に冒頭、恋人エリカの話しを聞き流し、思いついた事ばかりをマシンガンのごとく早口で喋り倒すマークの姿は、常に相手を見下し、誰も信用せず、しかしその胸中に捌け難いコンプレックスを抱え込んだ中二病DT根性丸出しのヲタク像そのもの。
 わずか数分のカットで、主人公のポジションを明確にしたばかりか、「コイツ、絶対に友達になりたくないわ(笑)」と思わせる事に成功している点は、もはや完全に脱帽モノの職人技。
 きっと本作を観たヲタクの方々は、彼に嫌悪感を抱くと同時に、我が身を俯瞰するような、居た堪れない気分に陥ったに違いない。かく言う小生もそうだったりする(笑)。
 
 かつての親友エドゥアルドと、同じ大学のボート部の双子に訴訟を起こされる件を、過去と現代、それぞれの視点を巧みにシャッフルし、何故そうなるに到ったかをスリリングに、且つ繊細に描ききった映像センスもまた、監督らしい上手さ。並の監督ならば、普通の青春サクセスストーリーにヒューマンドラマをプラスしたような仕上がりに落としてしまうところを、もう一ランク上、もしくはそれ以上の作品へと昇華させている。
 ただ奇抜なだけでなく、根底にしっかりとした基礎があるからこその芸当と見受ける。当然、誰がやっても出来るようなモノではないので、若いクリエイター諸君は、簡単にパクろうと思わないように。


 主人公のマークをはじめ、本作に登場する学生達の多くは、一様に精神年齢が幼く思う。一見立派に見える双子も、実は親のコネに甘え、誰かに泣きつく事しかできない、ただのとっちゃん坊やだったりする。
 監督自身は本作を「若さゆえに、自分の力を世間に認められない鬱積を、形にしたかった」そうだが、小生が思うにこれは、まだ大人になりきれない彼らが、自分達の立場も弁えずに手にした力を振るい、その吐き出した鬱積に対する制裁を受ける物語ではないかと察する。
 物語途中から登場するショ-ンなどは、まさしく「大人になりきれないまま大人になってしまった」典型的悪例と言え、またその制裁の相手が、親友のエドゥアルドであるという点からも、その事が伺える(ある意味彼は、今回の出来事でマークより一足早く大人になれたという見方もある)。
 印象的なあのラストカット、小生には酷い事を言って傷つけた元恋人に、素直に「ゴメン」と言うタイミングを見計らっていたように見えた。世界中に友達を作る技術を持ち、巨万の富を得ようと、彼が孤独だったのは…まあ、小生のような極悪非道の妖怪が言っても何の説得力もないのだが(笑)、ひとえに彼が「子供」だったからに、他ならないと思うが、いかがだろうか。


 小生も含め、ちゃんとした大人が減ったと言われる現代。この映画はそんな我々に「お前ら、もうちょっと大人になろうよ」と訴えかけているのかもしれない。もちろん、ノンフィクションものとしても、非常に完成度の高い作品ですので、興味がある方もない方も、是非映画館でご鑑賞を。オススメ!!


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★

 星4つ!!



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最終更新日  January 20, 2011 07:02:16 PM
November 19, 2010
おまえうまそうだな1.jpg
 絵本作家・宮西達也「ティラノサウルスシリーズ」をアニメ映画化。草食恐竜マイアサウラに育てられた肉食恐竜・ティラノサウルスハートと、彼を父親と信じるアンキロサウルスうまそうとの奇妙な親子関係を描く。

 
 累計155万部を突破した人気シリーズだけあって、この上なくシンプルで分かりやすい内容ながら、大人の胸にも迫る鋭い切り口に、思わず「やるな」と唸ってしまう出来。
 原作絵本三冊の物語を一本にまとめたそうで、どこをどうアレンジしたかは例によって存じ上げないが、前、中、後、それぞれのパートのバランスも良く、子供が観ていて疲れないよう、工夫して作ってある点は非常に好感が持てた。
 
 さて思うに、この物語はティラノサウルス・ハートの視点を通じ、我々人間、特に男の子がこれからの人生で待ち受けている様々な苦難や障害、あるいは不条理に対し、どう立ち向かっていくかを縮図化してみせた作品ではないかと、小生は察する。
 他者との差異に苦悩し、自分を見失いそうになる、子供のハート。成り行き上とはいえうまそうを育てているうちに、特別な感情が芽生えてくる、父親としてのハート。そして家族のため、強大な敵との避けられない対決に臨む、男としてのハート
 それぞれの場面に、人はどう立ち向かっていくかという命題を、可愛らしい恐竜たちの姿を借り、しかし時には残酷な現実を垣間見せながら、同時に、どんな決断をしようと、どんな自分になろうと、必ずそれを受け止め、見守ってくれる人がいるんだよ、という事をチビッコ達へ示しているように感じた。

 確かにキレイごとかもしれない。事実、子を虫けらのように殺し、あるいは物かゴミのように扱う親も、またその逆も、世の中にはあるという。
 それは否定しない。だが、理想論であろうと、キレイごとであろうと、それに近づこうとする努力まで無駄だとは、小生は思わない。世の中が少しでもよりよい方向に向かうためにも、こういった作品を子供達にたくさん見せてあげるのも、一つの手段であり、立派な教育だと思うが、いかがだろうか。

「ボクを育ててくれてありがとう。ボクは母さんの子でよかったよ」

 諸兄姉が人の親なら、いつか自分の子供にこんな言葉をかけてもらいたくはないか?


 先日感想を書いた「ハトプリ」同様、本作もまた、子供達が何年か経った後、思い出すか観返すかした時に、その真価に気づく作品だと思う。残念ながらほとんどの映画館では上映が終了しているようだが(「それはお前がレビュー書くのが遅いからだ」というツッコミは、その際無視する)、できればDVDでもいいので、親子での鑑賞をオススメしたい。

 実は子供向けの作品こそ、大人はもっと真剣に取り組むべきなのかもしれない。


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★

 原田知世さんのお母さん恐竜に号泣必至、星4つ!!



おまえうまそうだな

ティラノサウルスのおえかきブック 【おまえうまそうだな ポイント5倍】

おまえうまそうだな 【おまえうまそうだな ポイント5倍】

あなたをずっとずっとあいしてる 【おまえうまそうだな ポイント5倍】

きみはほんとうにステキだね 【おまえうまそうだな ポイント5倍】

君といる時間の中で






最終更新日  November 19, 2010 09:15:12 PM
November 16, 2010
映画ハートキャッチプリキュ.jpg
 小さなお友達から大きなお友達まで大人気の「ハートキャッチプリキュア!」待望の劇場版。花の都パリを舞台に、サラマンダー伯爵の野望を阻止すべく、プリキュア達が大活躍。


 毎度毎度の事ながら、30過ぎのオッサンがチビッコで溢れかえった会場に座するのは、非常に肩身が狭く、正直年を重ねるごとにアウェー感もますます増してくるわけだが、それを踏まえても本作は充分に元が取れる、素晴らしい出来映えであった。
 「プリキュア」シリーズの劇場版全てを鑑賞したわけではないが、今回は歴代でも屈指の完成度ではなかったかと察する。


 作画については、今さら言わずもがな。劇場版だけあって、いつも以上に気合の入ったキャラクターの描写線に、美しいパリの景観を再現した背景、そしてグリグリと目まぐるしく動き回るキャメラワーク&アクションは、思わずさすがと唸ってしまう、納得のクオリティ。
 また、チビッコ達に分かりやすい明快な物語でありながら、単純な勧善懲悪に落とさず、精神年齢の高い良質なドラマを構成している。

 中でも特に小生が絶賛したいのは、オリジナルキャラクター・オリヴィエの存在。
 テレビシリーズの、いわゆるつぼみ達視線を主とする物語に加え、「オリヴィエから見たつぼみ達」という視点を導入。これによって主要キャラクターを改めて掘り下げる事に成功しつつ、悩み、足掻き、時に間違えながら、共に成長していく重要なポジションとして、本作の出来に大きく貢献している。
 彼なくして、本作の完成はなかったと断言できる。まさしく脚本力と構成力の賜物である。スタッフ皆様のご尽力には、ただただ脱帽するほかない。

 さて、少し飛躍した考えかもしれないが、テレビシリーズを「プリキュア」という世界の内側だとするなら、本作はそれを外側から見た物語と言える。
 もっと言うなら、これは現在進行形で成長し続けるプリキュア達に影響、感化され、自身の成すべき事に向き合おうする少年の物語であり、つまりオリヴィエとは、実は劇場に足を運んだ観客(チビッコはもちろん、我々大人も含めて)の具体であったように思う。
 作中、文字どおり彼の視点から捉えたカットの多さ、あるいは彼の見せる未熟さ、孤独、不器用さ(我々がかつて持っていた、または持っている)が、その証左とも取れるが、いかがだろうか。
 ために、本作の真の主人公はオリヴィエであり、オリヴィエでなければならないと断じたい。


 本作は人気テレビシリーズの劇場版でありながら、同時に一人の少年の目から見た家族のあり方、友情、正義、または「なぜ悪は、悪でなければならなかったのか、悪にならざるを得なかったのか」という壮大なテーマを内包した、しかし誰にでも楽しめる一級の娯楽アニメ映画である。
 対象年齢であるチビッコ達にとっては、純粋に楽しいだけの作品かもしれないが、10、20年後、彼ら彼女らが大人になり、自分の子供を持つようになった時に改めて観返すと、初めてその真価が伝わる作品と思われる。
 宮内洋氏の仰られるように「ヒーロー番組は、教育番組である」とするならば、これは紛れもなく、最高の教育番組である。
 だからこそ、あえて大人の、いや、かつて子供だった人達の鑑賞をオススメしたい。

 まだ観に行くべきかどうしようかと躊躇っているそこの諸兄姉。騙されたと思って、是非劇場に。観ておかないと、いつか絶対後悔しますよ。


 ところで、別にネタバレにはならんと思うので書いてしまうが、以前「超劇場版ケロロ軍曹4」を観た時も、モン・サン・ミッシェルの内部からドラゴンが出てきたが、あそこにはそんな伝説なり伝承はあるのだろうか。

 
 余談だが、今パリっ子の間で一番流行っているファッションブランドは、ユニクロなんだとか(笑)。どうだ、スゲェだろ山口県!!


 まあそんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★-

 星4つマイナス!!


 (マイナスの内訳は、ミラクルライトくれなかった腹いせ 笑)


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最終更新日  November 16, 2010 08:43:35 PM
September 3, 2010
Colorful.jpg
 直木賞作家・森絵都原作小説を、「河童のクゥと夏休み」原恵一監督、サンライズ制作でアニメ映画化。

 「地獄は一定」
 本作を鑑賞中、歎異抄の中にある有名な一節が、小生の脳裏に浮かんだ。
 自殺した中学生・の身体を借り、もう一度人生をやり直すチャンスを与えられた「ぼく」。いじめや援助交際、母親の不貞等、少年には耐え難い様々な重圧に打ちのめされ、傷つきながら、少しずつ自分自身と向き合い、いつしか家族とともに人として再生していく様子を、瑞々しいタッチで描いている。
 本作で注目すべきは、タイトルが指し示す通り、その色彩。彩色がキレイなのはもちろん、主人公・の心境と呼応し、ビジュアルとして表現してみせた監督の手腕とセンスには、ただただ脱帽。
 特に、自暴自棄になり、全てを投げ出そうとする中盤にかけてのくすんだ街並と、それを乗り越えたラストカットの鮮やかな空の青さは、アニメーションでしか成しえない究極の演出術と断じたい。
 個人的には、母親の作る料理の描写にも注目したい。一見して美味しそうでありながら精神的な「汚さ」が滲み出し、決して口にしたくないと思うの心理を見事に具現化。登場する料理が美味そうで良かった映画は今までいくつもあったが、不味そうで良かった映画は、多分本作が初めてである(笑)。

 さて、いきなりだが、少し私事を書かせていただく。
 小生は子供の頃から軽度ながらAD/HDの気があり(ちゃんと診断をされたわけではない)、そのためクラスメイトはもとより教員、はては親兄弟に至るまで、人外のごとき扱いを受けてきた。
 常に劣等性、下から数えて何番目のレッテルを張られ、それをネタにからかわれては噛み付き、時には相手の骨の一本や二本折れるまで暴れ倒し、結果小生だけが悪者扱い。そしてそれをネタに…、を繰り返す毎日。
 悩みを相談する相手もなく、仮に親にでも話してみても、ゲラゲラと一笑されるか、「忙しい」か「くだらん」と切り捨てられるか、何故か逆ギレされるか、「勤行したら、全部解決する」とか言いながら創価学会の会合に連行されるかのどれか。
(おかげで小生は、今でも連中が心の底から大嫌いだ。大人になって少し勉強してみたが、思想も行動理念もまったく共感できず、ますます嫌いになった。詳しい事は後日、また何かの機会に書くとして、人ン家の合鍵を勝手に作ろうとするような連中とは、絶対にお友達にはなれない)
 もっとも、荒療治と称して自分の子供の背中に「僕は頭のおかしい子です。笑ってください」なんて書いた張り紙を貼り付けて登校させようとする人達なので、こちらも当時から過度の期待などしていなかったが、まあ、そんな毎日が幼年期から10年近く続いたら、一体どんな人間が出来上がるかは、想像に難くないと思われる。

 …随分と鬱っぽい話しをしてしまったが、つまりそんなわけで、かつてその一人だった身として、小生には自殺したくなる人達の気持ちが、ほんの少しながら分かっているつもりである。
 よく「自殺するぐらいなら、死ぬ気になって立ち向かってみろ」なんて輩がいるが、それとこれとは全く別問題。個人差はあるにせよ、自殺したくなる人間というのは「拠り所」がないのだ。
 例えば愚痴を言い合える友人、文句が言える親、くだらない喧嘩し合える兄弟。どんなに些細でも、自分のいい面悪い面、特に後者を受け入れてくれる存在が、人間には絶対に必要なのである。
 受け入れるとは、すなわち「赦す」事だと小生は思う。母親の不貞も、憧れていた女子の援助交際も、そして自分自身の罪も、全て赦し、受け入れる。それが結局、お互いがお互いの拠り所となる事には、成りえないだろうか。
 実は自分の身の回りにいる全ての人に、自分が支えられている。そこまで考えられて、人は「生きている、生かされている」と言えるのだと、小生は思う。
 余談だが、のお父さんとは、それを作中で唯一、悟っている人物なんじゃないだろうか。人が陰で何を言おうと、息子や妻から何と思われようと、全てを受け入れ、ニコニコと平穏に生きる。それが自分にとっての幸せだと、覚悟を決めた人なんじゃないだろうか。
 現世が地獄なら、自分の中に極楽浄土を作ればいい。そうすれば、半分の肉まんだって、人は充分に幸せを感じられる。
 ラストカットの「僕は、生きてます」というセリフには、そんな想いが込められているような気がしてならない。

 まあ、小生のような極悪非道が言っても、何の説得力もないんだが。


 小生の、この映画に対する評価は…。

 ☆☆☆☆★-

 星4つマイナス!!

 
 マイナスの要因は、本作で語られている全てに共感できているわけではなく、必ずしも正解とは思えないので。
 とはいえ、かなりの秀作である事は疑いようナシ。

 さあ、お前の罪を数えろ!!(エ)


 余談。
 図らずして恥部を曝け出すような醜態を演じてしまったが、ではなぜ、5分に一回のペースで死にたくなるような暗黒時代を過ごしてきた小生が、今日まで生きてこられたか。あるいは生き恥を晒してきたか。
 学校の屋上のドアに鍵がかかっていた事と、睡眠薬が子供の小遣いで買える値段じゃなかった事と、首を吊るのに最適なロープと枝がなかった事を差し引けば、…まあ、他人からすればバカみたいな話しなんだが、実はアニメが見たかったから、である。
 当時はほぼ毎日、夕方にはどこかのテレビ局で再放送なりが放映されており、どんなに辛いいじめに遭おうと、どんなに理不尽な仕打ちを受けようと、この番組が終わるまで生きていよう、次の週まで自殺はしないでおこうと、それだけを心の支えに生きていた。
 おかげで、かどうかは知らんが、18、9歳から以前の記憶の多く、特に人の顔と名前ほとんど全員忘れてしまった小生だが(原因は今でもさっぱり分からない。多分、それほど重要な事柄じゃなかったんだろう)、その辺りの事だけは、今もはっきりと覚えている。
 人は支えがなければ簡単に死ねるが、同時に小さな支えが一つあれば簡単に生きようと思える。あの日々から学んだ事があるとすれば、多分そんな所だろう。
 くだらない話しかもしれないが、今小生がここでしょーもないブログを書いていられるのはアニメのおかげ。これは、疑いようのない事実である。

 (ちなみに、小生はナメられるのと同じくらい、同情されるのがキライである。たまにこういう事を書くと、モノも満足に知らん頓馬がカウンセラー気取りで慰めにやって来るが、そんな輩には一人残らず鳩尾へのパチキをお見舞いするので、その辺どうかご注意を)


カラフル

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最終更新日  September 3, 2010 10:22:21 PM
August 2, 2010
マイ・ブラザー.jpg
 戦場で死んだはずの兄が、別人のように変わり果てて帰ってきた。兄に何があったのか。その時、彼の妻は。そして弟は…。


 ありがちな「戦争仕掛けちゃってゴメンナサイ映画」にサスペンス的要素が加わったような作品かと思いきや、どこまでも濃厚で哀しく、そして美しいヒューマンドラマだった。
 子供の頃から優秀で、理想的な家庭を持つ米国大尉の兄の崩壊と、定職にも就かず、いつも問題ばかりを起こす弟の再生を、対比させて観せる秀逸な構成もさることながら、ともに正反対でありながら、お互いを深く信頼し合っている二人が、それゆえに家族というキーワードを中心に、衝突し、傷つけあいながらも、再び絆を取り戻そうする人間ドラマに、強く胸を打たれる。
 「プリンス・オブ・ペルシャ」で観せた壮絶アクションから一転、ムショ帰りの飲んだ暮れながら、実は愛に飢え、兄の残した家族を守ろうと奮起する弟トミー演じるジェイク・ギレンホールと、そんな彼を当初嫌いつつ、いつしか亡き夫を忘れるかのように心惹かれるグレース演じるナタリー・ポートマン。二人をはじめたとした出演陣の演技が、作品の重厚さにより深みを与えている。
 特に、家族のために犯した罪の意識に苛まれ続ける兄サム演じるトビー・マグワイアの圧倒的存在感は、とにかく素晴らしいの一言。
 良き夫であり、良き父親、良き息子、そして良き兄であった男が、徐々に狂気に支配され、戦地から帰還した後も自分の居場所をそこに見出す事ができず、ついに暴挙へと走る悲劇の様を、卓越した演技力で見事に表現。ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門主演男優賞ノミネートも頷ける、完璧な仕事ぶりであった。
(ちなみに、同年の最優秀主演男優賞は「クレイジー・ハート」ジェフ・ブリッジス。観てぇなぁ、チクショー)
 
 なぜ彼の演技に正当な評価が出来る国が、日本のイルカ漁の隠し撮り映像に正当な評価ができないかはさておき。
 例によって邪推するに、本作の根底にあるテーマ、それは「家族」と「自分の居場所」なのだと思う。経験則も踏まれて書かせていただくと、物理的な意味合いはもちろんとして、自分の帰るべき「家」、もしくはそこに自分の「居場所」はないというのは、それだけで自身の存在意義を奪われるに等しい。
 喩えは悪いが、野球で言えば9人分のポジションが埋まっている中、10人目として放り出されるような、「オレ、どこ守ったらええねん」状態。それは場合によっては、肉体的な死さえ超越した絶望を意味する。
 「何をバカな」と思う人もいるかもしれないが、現にそれを理由に自殺した人間を、小生は何人か存じているし、さらに誤解を恐れずに言えば、その気持ちも少しだけ理解できる。
 「ここは自分の帰るべき家。いるべき場所」と言えるモノを持たない事が、どれほどの恐怖か。作中の改装されたキッチンは、まさにその象徴といえる。
 もしかしたら、「自分」というモノを形成しているのは、家族であり、友人であり、その他周囲の人々なのかもしれない。そしてそれは、どんなお偉い宗教や霊験あらたかなパワースポットなんぞより、よほど自分を守ってくれる拠り所なのではないだろうか。

 本作は戦争の悲惨さと、その愚かさを訴えると同時に、真の意味での家族愛、人間愛を謳った作品であると察する。「僕は再び生きられるのか?」というサムのつぶやきは、人と人との絆が希薄になった現代人にこそ、深く突き刺さる。


 もっとも、小生みたいな極悪非道の妖怪が言っても、何の説得力もないけどね(笑)。
 

 というわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★-

 とにかく重く、娯楽性が薄いって意味で、星4つマイナス!!



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最終更新日  August 2, 2010 09:20:24 PM
June 16, 2010
告白.jpg
 作家・湊かなえのデビュー作にして、2009年第6回本屋大賞に選ばれた傑作ミステリー小説を映画化。

 自分の生徒に一人娘を殺された中学教師の復讐劇を、様々な視点から淡々と一人称で語っていく原作独特の雰囲気をそのまま生かしつつ、一級のエンターテイメント作品として昇華させた中島哲也の手腕は見事。
 実は当初、小生自身「パコと魔法の絵本」があまり好きではないだけに、もしかしたらトンでもなくおかしな物が出てくるんじゃないかと懸念していた。
 それがまったくの杞憂に終わったばかりか、人間の奥深くに押込められた負の部分を抉り出し、冷たく突き放した視点で傍観していく文体そのままに、スローモーションや軽快な音楽を多用する事で、ある種ミュージカルかオペラを彷彿とさせる目にも耳にも鮮やかな絵に仕上げ、同時に登場人物、とりわけ生徒達の「現実を夢かテレビの中の出来事のようにしか認識できない」、未成熟な精神をビジュアルとして作り出す事にも成功している。

 出演者、とりわけ主演の松たか子の仕事も文句ナシに素晴らしい。恥ずかしながら小生は、という女優の実力を、完全に見くびっていた。
 原作の読了後、本作を映像化するなら主演は松雪泰子米倉涼子、あるいは大穴で最近成長目覚しい小池栄子辺りが妥当と考えていただけに、上記の監督の件と合わせて、お二人に土下座謝罪したい気分である。
 賢しいだけで知恵も恥も経験も礼儀も常識も足りてない、年相応かそれ以上に幼い生徒達。彼等同様、あるいはそれ以上に幼く、「やればできる」「本当はいい子なんだ」「みんな頑張れ」などと、根拠のないカッコよさ気な言葉ばかりを吐く空っぽの大人達。
 そんな、自分の事しか考えてないくせに、まるで自分が分かってない連中の中で、唯一演じる森口だけが、しっかりと地に足のついた大人として君臨している。 
 一人の生徒の暴走のため、森口は凄惨な復讐計画を実行するが、本能と自惚れのまま行動する少年Aに対し、森口はあくまで冷静に、理論的に、客観的に状況を把握、コントロールし、少年Aを完膚なきまでにぶちのめす。
 世の中で一番怖いのは、後先考えずにキレられるヤツ、という者がいるがそれは違う。一番怖いのは理性と知性を保ったまま、自らの狂気を解き放てる人間である。
 言うならば森口は、本作唯一の良心でありながら、最大のヒールと言える。良識も自我も持ち合わせるがゆえの狂気。松たか子はほとんど表情を変えず、しかし全ての感情を観客に読み取らせなければならないこの超難役を、完璧に演じきった。
 あるインタビュアーが彼女を「日本のニコール・キッドマン」と称したが冗談じゃない。ヒース・レジャーだ。あんな芝居、シガニー・ウィーバーだってそうそうできるものか。

 余談だが、各レビューサイトで物議を醸している作中の号泣シーン。森口が見知らぬ子供からキャンディーをもらって微笑む前カットを踏まえると、娘の復讐のためとはいえ、結果的に他の犠牲者を出してしまった事への後悔、自分が少年Aと同じ過ちを犯してしまった事に対する自責と懺悔、と同時に、復讐の最終段階に向けて改めて狂気を纏うために、最後の良心を搾り出した、と小生は察するがいかがだろうか。
 そのあと、驚くほどさっぱりした顔で歩き出した事からも、そう思わずにはいられない。
 
 なお、文字通り身体を張った生徒達をはじめ、他の出演者の熱演も見逃せないと付け加えておく。

 一見すると本作は、命の尊さ、罪と罰、親子愛を謳っているように見えるが、実はそんなものはフェイクに過ぎない。もっと根底にある倫理や道徳や教養、否、よりプリミティブな、それこそ小学校に上がる前には分かってないといけないような事を分かっていない「大人になりきれてない大人」とその予備軍に対する痛烈な皮肉であり、嘲笑であり、憤怒こそ、本作の核である。
 原作には登場しない最後の一言は、(森口の手による)復讐計画の終焉を知らせるとともに、(たとえ脳がキャパを越えて、鼻血を噴出そうとも)ここが逃げ場も隠れ処もない「本当の地獄」「現実」だと心身に叩き込み、頭の中にこさえた勝手な妄想の殻から引きずり出し、大人の本当の怖さとテメェの未熟さを知らしめる、まさにトドメの一撃であると断ずる。
 本作の鑑賞後、読了後に訪れる後味の悪さの正体とは、我々の中にある幼児性、無知、あるいは無恥を透かし見られた後ろめたさなのかもしれない。
 
 兵庫で教鞭を取っていたという作者の思想・体験談が多分に含まれていると察するが、こういう作品こそR15+などにせず、中学生から観せた方がよいと個人的に思う。原作ファンでも、また違った楽しみ方のできる作品。
 ガチでオススメです!!


 な~んてね。


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★+++

 原作を読んでなかったら、満点つけてたかもしれん。星4つとプラス3つ!!



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最終更新日  June 16, 2010 08:29:39 PM
June 10, 2010
孤高のメス.jpg
 現職医師でもある作家・大鐘稔彦のベストセラー小説を映画化。1989年、とある地方病院に赴任してきた天才外科医が、当時タブーとされていた脳死肝移植手術に挑む。

 
 充分とは言い難い人材と設備。患者の命より自分の保身を優先する医師と経営者。難解な手術は全て医大病院に送りつけが慣例化し、医療とは何なのかを見失いつつある看護士達。そんな地方病院に颯爽と現れたのは、どんな時でも決して諦めず、ただ患者の命を救うためだけに全力を尽くす孤高の外科医。
 本作の中枢となる部分、それは堤真一氏演じる天才外科医・当麻の英雄然とした活躍を描いたものではなく、むしろ周囲の人々や環境にクローズアップされた物語だと、小生は思う。
 慣例より患者の命を最優先に考え、そのために法さえも恐れない、まさしく孤高の医師。ゆえに彼という人間には、終始一切のブレがない。ただストイックに、一直線に、目の前の命へと向かっている。
 そんな彼の言動、信念、一挙手一投足に感化され、再び医を志す者として再生していく病院関係者やその周囲の人々、あるいは彼に疎み、貶めようとする輩。
 まるで一本の聳える鉄骨のようにブレのない当麻。そんな彼を中心に周囲が反応、共鳴していく事で、血の通った人間ドラマを形成している。
 原作全6巻(「メスよ輝け!!」なら全12巻)のうち、どこまでアレンジ、オミットされたか、あるいは原作ファンは本作をどう捉えたは存じ上げないが、これだけでも充分以上に見応えがある。

 また、ストーリー展開もさることながら、やはり医療ドラマだけあって、手術シーンは本物の術中かと見紛うほどの完成度。
 特にクライマックスの脳死肝移植手術の場面は、演技者の迫真の表情に加え、音楽による絶妙なアクセントも利いて、観ているこちらの呼吸さえ躊躇われる、この上ない緊張感を生み出す事に成功。ヘタなアクション映画など比ではない、まさに些細なミスも許されない、命を繋ぐ現場の再現であり、体現であった。
 余談だが冒頭、生瀬勝久氏演じるヘボ医師が、切ってはいけない血管を切ったがために噴出したタンク一杯の血を、看護士が流しに捨てる場面には、ついこの間左手小指骨折の手術を受けたばかりの身としては軽い寒気を憶えてしまった。
 いくら映画とはいえ、あの大量の血が一人の患者から出たと思うと、顔をしかめずにはいられない。
 もう一つ余談だが、作中、当麻がオペに際して看護士に都はるみのテープをかけるように頼むシーン。立ち会ったスタッフが「音楽をかけるんですか?」と驚いていたが、小生が手術を受けた時には絢香のCDがかかっていたので、今では当たり前なのかもしれない。その辺はどうなんだろう。
 なお原作では、当麻都はるみではなくポール・モーリアのファンという設定だそうだが、手術中に「オリーブの首飾り」なんぞ聴いていたら、それこそ「メスが暴れてしまう」のではないだろうか。
 まさか血管切ったら鳩が出てきた、なんて事もあるまいに。

 
 さておき。
 上記の事も踏まえた上で、…まあ、こういう事を書いてしまうのも何だが、実を言うと小生、本作に関して主演の堤真一氏と、武井静役の余貴美子さんの芝居が素晴らしすぎたので、それだけで非常に満足してしまった(笑)。
 
 「クライマーズ・ハイ」の熱血新聞記者、「容疑者Xの献身」の天才数学者等、氏が演じると、ただそれだけで役に説得力が生まれ、何だったら、そのまま普通に手術とか出来てしまうんじゃないかと錯覚するほど、自然と絵になってしまう。
 もちろん役作りのために、陰で相当努力はされていると思うが、あれで「自分は役者に向いてない」などと、どの口が言うのか。氏が役者に向いてなかったら、日本に役者で飯が食える者など、一人もいなくなる。
 作中、「(都はるみは)日本の宝だぞ」とぼやくシーンがあったが、小生が言わせれば氏こそ日本映画界の宝である。
 さんに関しても言わずもがな。彼女の凄さは、まったく普通の役を、まったく普通に演じつつ、前衛後衛を一瞬に切り替える天性の勘にある。
 普段は主演やメインキャラの後ろに隠れ、引き立て役のように振舞いながら、ある瞬間にグッと前に躍り出、かと思う間にあくまで自然に、しかしキラリと光る存在感を発揮する。昨日今日の女優もどきには決して真似できない、もはや匠の技である。
 日本アカデミー最優秀助演女優賞を2年連続で受賞している彼女だが、本作を観る限り、来年もまた壇上で自身の名をはにかみながら読む事になりそうである。
 もちろん夏川結衣さんの表情、生瀬勝久氏のボンクラ医師っぷりなど、他の出演者の仕事も素晴らしいのだが、あの二人の存在感が圧倒的過ぎる。
 映画レビューを書く者としては失格なのだが、正直本作は、御二方の演技だけで1800円払っても惜しくないと断じてしまいたい。
 地方医療の実態とあり方、命の尊さ、家族愛、その他様々なメッセージの込められた作品であり、素晴らしい映画である事は間違いないのだが、あのお二人が並んで同じ絵の中に立っているのを観に行くだけでも、劇場に足を運ぶ価値は充分にある。


 医療関係の問題については、高卒低所得の門外漢ゆえあえてコメントを控えさせていただくが、今年の7月から改正臓器移植法が全面施行され、さらに秋頃から運転免許証に臓器提供意思の有無を記載する欄が設けられる昨今、この作品がなにかしらの一助になればと、勝手に思ってみる。
 お世辞にも若者向けとは言いがたい内容だが、できれば若い人こそ観てもらいたい、そんな映画。ただし、手術のシーンは相当リアルなので、血に弱い方やスプラッター系が苦手な方はご注意を。
 あと鑑賞後、しばらく焼肉が食えなくなっても、小生はまったく責任持てませんので悪しからず(笑)。

 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★

 堤さんと余さんだけで、星3つ分以上の価値アリ(笑)、星4つ!!



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最終更新日  June 24, 2010 10:08:13 AM
May 21, 2010
グリーン・ゾーン.jpg
 イラク戦争戦時下のイラク・バグダッドロイ・ミラー率いるMET隊は、大量破壊兵器(WMD)捜索作戦を三度展開するも、いずれも空振り。飛び交う嘘情報に苛立ちを募らせていた。
 続いて捜索場所に指定されたアル・マンスール地区で、ロイは英語に堪能なイラク人・フレディに出会い、近くでフセイン政権の要人達が集まっているとの情報を得る。現場に乗り込むMET隊。そこに彼等が目にしたモノとは…。


 「ワシントン・ポスト」の元バグダッド支部長ラジブ・チャンドラセカラン原作。内容はほぼノンフィクションの上に、本編に登場する兵士は、主演のマット・デイモンニコイ・バンクス以外本物の米軍兵、しかも実際のイラク戦争経験者も多数参加しているというから、まったく驚く。
 
 肝心の中身は、大まかに言って近年多く観られる「戦争仕掛けちゃってゴメンナサイ映画」ではあるものの、上記したとおり脚本面、ビジュアル面、アクション面と、細部までしっかりと作りこまれているため、作品全体のクオリティは非常に高い。
 また、WMDを巡る様々な思惑、両国間のイデオロギーの違い、MET隊と特殊部隊との因縁と確執等、サスペンスとしても充分以上に見応えありで、いつ戦闘が始まり、どこから銃弾が飛んでくるか分からない緊張感も相俟って、上映時間114分とは思えない超濃厚なドラマを見せつけてくれる。

 特に本作の面白いと思うのは、登場人物全員、各々なりの「正義」を持っている点。主人公のミラーをはじめとしたMET隊メンバー達はもちろんの事、アメリカ人、イラク人に関係なく、皆等しく「テメェのタマより大事なモノ」を抱えている。
 そのために、ある者は命がけで死地に赴き、ある者は銃を取り、またある者は世界を揺るがす大ウソをばらまく。
 それら全てをひっくるめて肯定しよう、甘受しようなんて気はサラサラないが、もしかしたら、根底の部分で同じ思想を持つ者同志が、ちょっとしたすれ違いや立場や貧富の差で、今も世界中で紛争が起こっていると考えると、何だか滑稽にさえ思えてしまう。
 作中、あるイラク人の発する「イラクを復興させるのはイラク人だ。アメリカ人の統治など必要ない」というセリフは、まさしく本作の真意を表現している。一方的な正義の押し付けは、相手にとって「悪」でしかない場合もあり、時には大きな悲劇を生む要因ともなり得る。自国を客観的に見て来た原作者ならではの見解か、それとも国民の総意かどうかはさておき、「世界の警察」を自称するアメリカで、こういう映画が作られるのは素直に喜ばしい事だと思う。

 できれば本作を「沖縄の米軍基地どうしようか?」なんてほざいてるどこぞの鳩ポッポに見せ、「テメェの国ぐらいテメェで守るから、とっとと荷物まとめて出て行きやがれ」ぐらいの事を言わせてやりたいモンである。

 ついでに岩国基地も民間空港ごとどっかに持って行きやがれ!!夜11時過ぎまで発着陸訓練とかしてんじゃねぇぞボケナス!!

 …話がそれた。閑話休題。

 さて余談ではあるが、雑誌や新聞で本作のレビューを拝読すると、どこも口を揃えて「悪くはないが『ハート・ロッカー』と公開時期がカブってしまったのはまずかった」みたいな事を書いている。小生から言わせれば、まったくナンセンス。
 確かに両作とも、同じ時期の同じイラクはバグダッドを舞台に、同じく米軍海兵隊員の活躍を描いた作品ではあるが、ともに本質とするところは対極と言っていいほど違う。
 「全体」のためにと連れて来られた戦場で、自らの「個」について向き合った男の物語が「ハート・ロッカー」とするならば、本作は「個」の思念から端を発しつつ、あくまで「全体」のために動いた男の物語であると断ずる。
(ここで言う「個」とは、すなわち「個人、もしくはその生命、思想」、そして「全体」とは、「集団=米軍、つまるところ=アメリカそのもの」を差す。念の為)

 「ハート・ロッカー」はもちろん素晴らしい映画であるが、本作も負けず劣らず、なかなかの力作である。
 ただ、一つだけ苦言を呈したい。最近の流行なのか、本作でも戦闘シーンにハンディカメラによる撮影を試みているが、どうにも手ブレが酷く、加えて真っ暗な中をこれまた真っ黒な顔したイラク人を追いかけているため、途中どこに視点を合わせればよいのか分からなくなり、軽く酔ってしまった(笑)。
 臨場感が出るというメリットはあるものの、まだまだ改善の余地のある撮影法なので、これからの技術の進歩に期待したい。
(個人的な意見としては、あのシーンはイラク人を追うよりも、イラク人の視線として撮った方がより良かった気がする。まあ、素人考えなのでスルーして)


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★-

 少ーーーしだけ惜しい、星4つマイナス!!

 


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最終更新日  May 21, 2010 10:45:16 PM
May 5, 2010
てぃだかんかん.jpg
 「妻と子供達に、キレイな海を見せてあげたい」
 その一念で私財を投げ打ち、生まれ故郷・沖縄でサンゴの養殖を決意した男が、数々の苦難に見舞われながらも、周囲の人達に支えられ、ついに世界で初めて養殖サンゴの産卵に成功するまでを描いた実話を、ナインティナイン・岡村隆史主演で映画化。


 ちなみに、「てぃだ」は沖縄の言葉で「太陽」。したがって「てぃだかんかん」とは、「太陽がかんかん照りの、天気のよい日」との意味。
 そういえば、↓の名前も由来もそれだという話しを、ファミ通か何かで読んだ記憶がある。実はやった事ないけども。

スクウェア・エニックス ファイナルファンタジーX プレイアーツ ティーダ(T8790)


 さておき。
 「95%ぐらい、本当にあった事」というだけあって、ストーリーについて野暮ったくアレコレ言うのは割愛するとしても、近年のノンフィクションものでは文句ナシに上位の出来。
 下世話な言い方をすると、我々はこの物語の結末が、ハッピーエンドである事を知った上で鑑賞している。しかし実際、文字通り明日がどうなるかも知れず、苦行にも等しい困難の中に立っていた金城氏の当時の心境を慮れば、また、そんな精神的にもドン底の窮地に追い込まれながらも、周囲の人々に支えられ、たった一つを夢を実現するため「なんくるないさー」と何年も走り続けた結果が、夏の満月の光の下、ようやく実を結んだあの瞬間の気持ちを察すれば、自然と胸が熱くなる。
 その想いが集約されるラストのスピーチでは、氏の朴訥としながらも真っ直ぐで、単純明快で、しかし確固たる信念を抱く力強い言葉に、極悪非道と揶揄された小生でさえ、数年ぶりに映画館で目頭の押さえてしまった。
 
 公開前からバラエティ番組に出まくり、本作を猛アピールしていた主演の岡村隆史がまた、非常にいい仕事。
 個人的に、彼の役者としてのセンスはそれなりに評価しているものの、同時にこういった作品で、彼のコメディアンとしての悪い癖が出ないかと不安視していたが、それが杞憂であったばかりか、こちらの予想をはるかに越える素晴らしい名演技を見せてくれた。
 思えば、彼の真剣な表情を見るのは、随分久しぶりな気もするが、外見や、沖縄言葉のイントネーションもさることながら、金城氏の内面的な焦り、憤り、悔しさ、情けなさ、そして喜びや幸福感も、見事に表現している。
 もちろん、松雪泰子さんをはじめ、他の出演陣あっての事ではあるが、もはや金城氏を演じられる役者は、彼以外に考えられない。まさに適役、最高のキャスティングと、断じてしまいたい。

 さて、誤解を恐れずに言えば、この金城氏という人物は、あまり要領のいい人ではないように見える。専門的知識もなく、打算も勝算のなく、時に簡単に人を信じ、騙され、結果、周りに奇異の視線を向けられ、迷惑をかけ、嘲笑されては、何度も挫けそうになる。
 もっとはっきり言ってしまえば、氏は決して都会では生きていけない人物に違いない。冒頭でも触れられているが、人ごみの中で暮らすには、氏はあまりに自分がなさ過ぎ、また、優しすぎるように思える(あくまで、映画の中の人物像は)。
 そんな、なんら特別な人でない彼を突き動かしているモノは、金でも名誉でも、ましてエコでも、誰かを見返そうという暗い感情ではない。「子供達に、ピカピカの海を見せてやりたい」という、ただその一点だけ。
 「自分がない」とは、私欲はないが確固とした自我を持つ最高の人間と、自我はないが私欲だけはある最低の人間、二つの意味がある。実は本作の核たる部分は、間違いなく前者である氏が、世界で始めて養殖サンゴの産卵に成功した偉業はもちろんとして、ある意味「純粋」の塊のような氏を少しずつ理解し、惹かれ、最終的にその背中を精一杯支え、後押ししてくれるようになった、たくさんの人達の輪にこそあると、小生は思う。

 現在社会において「純粋」「バカ」は同義だ、と公言して憚らない小生だが、自分が正しい、絶対に必要だと思った事を、私利私欲を捨てて全力で挑む氏のような「バカ」が、そして、それをお互いが支えあい、一つの事を成そうとする人と人との繋がりが、もしかしたら中途半端な小賢しさよりも、世の中にはもっと必要なのかもしれない。
 
 結果オーライじゃねぇか、という人もいらっしゃると思うが、真っ青な海と空の景観、そして「1ヶ月粘って撮った」という渾身の産卵シーンも相俟って、鑑賞後に晴れやかな感動を呼ぶ、なかなかの秀作。
 この映画を観た後に、沖縄の海を埋め立てて米軍基地を作ろうなんてほざくヤツがいたら、一度海に沈んでイラブチャーのエサにでもなればいい(笑)。


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★-

 星4つマイナス!!

(マイナス要素は、宣伝のためとはいえテレビに出すぎだから 笑)


小説てぃだかんかん

てぃだかんかん

希望という名の光






最終更新日  May 6, 2010 09:46:45 PM

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