2009年12月国内機械受注統計[内閣府]
機械受注の推移は底入れし始めた可能性を示している。しかし、銀行貸出残高は減少基調に転換していて、機械受注と不整合となっている。どりらかが調整されるはずで、機械受注の方に調整圧力がかかると個人的には考えている。今月は非製造業が対前年同月比でプラス転換した影響で全体の推移が横ばいに転換したようである。製造業の機械受注は順調に改善しているが対前年同月比は未だマイナス圏で推移し、その水準は陳腐化設備のリプレース需要のみと言う感じである。国内製造業は今後5年程度で国際競争力を失うのではと考えている。 10~12月機械受注、7期ぶり増加 1~3月見通しもプラス(2010年 02月 10日 日経ネット) 設備投資の先行指標として、船舶・電力を除く機械受注をグラフ化すると下図のようになる。 船舶・電力を除く民儒は横ばい、直近は増加。9月実績を超えたことから底は間近若しくは通過したかもしれない。対前年同月比はマイナス圏で推移し上昇基調、直近5ヵ月は上昇。改善速度が加速し来月にはプラス転換が予想される。今後しばらくは改善基調が揺らぐことはないと見るが給与所得の伸びから内需縮小は当分とまらず国内設備投資の増加幅は限られると考えている。 内訳をグラフ化すると下図の様になる。 製造業は横ばい、直近は増加。対前年同月比はマイナス圏で推移するも上昇基調、直近も上昇。非製造は緩慢な下降基調、直近は増加。対前年同月比はプラス圏に突入し、上昇基調。直近は上昇。非製造業は依然、下降基調ではあるが下降幅が縮小傾向にあり、対前年同月比もプラス圏入りで早晩底入れしそうである。また製造業は底を形成しつつあり1-3月期には上昇基調へ転換すると思われる。 現在の水準を見るために長期推移をグラフ化すると下図の様になる。 グラフを見る限り、今の製造業の機械受注水準は非常に低く、陳腐化・老朽化設備の置換にも足りていないと考えられる。この状態では、元の生産高に戻ることは不可能で縮小均衡が5-10年は続く可能性がある。機械受注の一次回帰直線が示す様に国内の資本財投資は長期減少傾向にあり、製造業のそれは民需全体よりも減少率が大きい。人口動向と合わせて考えると、今後もこの傾向が変化するとは考えられない。当然、資本財投資の縮小は生産性向上を抑制するから、労務費を継続的に引下げていかないと製品の国際価格競争力が失われることになる。労務費の継続的な引下げは社会不安を引起す可能性があり政治的に不可能、よって、製品の国際競争力が失われることになると個人的には考えいる。製造業も未来は相当に暗い。 日本経済は長期縮小傾向にあると見られる。一時的に回復することあっても、余程のことがないと拡大することはなさそうである。参照資料 機械受注統計調査報告 平成21年12月実績[内閣府]国内経済(設備投資) ブックマークプラス by SEO対策 経済と株式経済ニュース株取引