むーじっく

2007/07/18(水)21:53

NIKKI

CD-邦楽(65)

by くるり 軽めでポップなギターロックが心地良い作品です。 キャッチーでもなく、難解なこともなく、バランスの取れた浮遊感が終始漂っていると思います。 「Bus To Finsbury」はイントロのリフが良いです。 シンプルなリフに2本目のギターがすっと入り、2本がそれぞれの音を鳴らしながら進行していく辺りはローリングストーンズを彷彿とさせてくれます。 骨太の王道ロックであるようで、くるりらしい肩の力の抜け具合も見られ、味のある曲となっています。 「Baby I Love You」はしっとりとした雰囲気が良い感じです。 話し掛けるような歌声にきれいめなバックギターとコーラスが乗っかり、柔らかい浮遊感を出している気がします。 「Superstar」は遠くから聞こえてくるように出だしから鳴り続けるギターが、曲の淡々とした雰囲気を助長させていると思います。 1番では終始淡々と、2番では1オクターブ挙げグッと雰囲気を高める構成も良い感じです。 余韻を残すように消えるサビの終わり方も好きです。 「雨上がり」も淡々とした雰囲気が良いです。 この淡々とした抑揚の無さが、まったりと落ち着かせてくれる良い雰囲気を出している気がします。 「Birthday」は頭のベースに始まる、ポップな疾走感が良いです。 その軽さでグイグイと押し進みながらも、間奏でグッと溜めを作り、曲を引き締め再構成する感じも好きです。 「赤い電車」は「Birthday」とはまた異なる、ポップな浮遊感が良い感じです。 「Birthday」の駆け抜けていくような疾走感に対し、この曲は一歩一歩着実に踏み込むような高揚感がある気がします。 その中を高音で軽快に動くサウンドが、曲に良いスパイスを加えていると思います。 「虹色の天使」はシンプルでスタンダードをいく、心地良いギターロックだと思います。 軽めのサウンドの中にきらっと光る力強さがあり、爽快な雰囲気を出していると思います。 全体を通し、シンプルで聴きやすくまとまっています。 後ろで踊る変幻自在のサウンドや曲調の中で、前面に出てくる岸田の唄が一貫した統一感を出している気がします。 BGMとしての浮遊感、聴き込む音楽としての様々な要素、どちらも兼ね備えている一枚です。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る