2015/03/08(日)18:23
「0度仰臥位法」の適応患者
第20回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術集会でのポスター発表にて、「0度仰臥位法」が紹介されていました。
現在、当院で対象となりそうな、送り込み障害の患者さんがいます。
適応できるか、STスタッフで検討中です。
「0度仰臥位法」とは、嚥下時の姿勢の一つで、ベッドアップを0度、頚部前屈位にした姿勢で行い、主に送り込み障害の患者が適応となります。
以下は、学術集会での福村先生の発表の要約です。
『0°仰臥位での経口からのアプローチ~食塊移送不全患者への導入を経験して~』 福村直毅
【対象】
VFで、「0度仰臥位、頸部屈曲20~30度」で経口摂取可能と判断した2症例(脳梗塞、パーキンソン病)。
【0度仰臥位の適応】
◆頸部回旋困難
◆食塊移送不全あり
◆一定量の食塊で嚥下反射が惹起すること
【まとめ】
30度仰臥位以上で食塊移送不全やムセを認めた場合でもVF透視下ではあるが、条件が整えば「0度仰臥位」により経口摂取継続が可能であることが示唆された。※「頸部回旋困難」とは、おそらく、一側嚥下や側臥位法+頸部回旋が困難という意味だと思います。
『0度仰臥位での経口摂取』 福村直毅
【緒言】
2010年に「0度仰臥位」で経口摂取する方法に気づいた。適応症例が100例を超えたので報告する。
【嚥下機能の適応】
◆口腔からの送り込み障害がある。
◆嘔吐や食道咽頭逆流の明らかなリスクがないこと。
◆上咽頭逆流がないか軽度であること。
◆咽頭残留が少ないこと。
【身体機能の適応】
◆体幹機能が低下していて座位が不能な症例。
◆ギャッジアップ時に姿勢が崩れる症例。
◆体幹が緊張して嚥下機能が有意に低下する症例。
【利点】
◆姿勢保持の重点である頚部前屈の管理に集中できる。
◆姿勢介助が楽にできるため在宅や施設において介護負担軽減が期待できる。