一人職場を考える
質問も頂いたので、一人職場について考えてみます。就職活動の時に、STの立ち上げで、STが一人職場の病院に見学にいったことがありました。その病院はPT・OTが開設され既に10年以上は経っており、次年度にST立ち上げということでした。また、ST経験者ではなく、新卒の採用を考えておられたようです。PT・OTの先生方はよく相談にものってくれそうなアットホームな環境に見えました。また、系列病院のSTとの勉強会もあり、STの先生に相談する機会もあるようでした。一人職場では、すぐに、気軽に相談する相手がいない勉強会などに積極的に参加して、一般的な知識を得る必要がある。リスクを多く伴う嚥下評価・訓練に注意が必要逆に安全志向になると、リハビリが進めにくい。先輩がいないと「ここまではやっても大丈夫」という見極めがつきにくい。一年後、後輩STが入ってくると、責任を持って指導していかなければならない。(大げさですが)数年後に病院を変わったとき、評価・訓練の手技にギャップを感じる可能性がある。自分独自の評価・訓練になっている恐れがある。どちらかというと、「まずは自分で解決しよう」という考えより、「周りのスタッフに助けてもらいながら頑張っていこう」という気持ちになれる人のほうが、うまく進むと思います。(←私の考えです)まずは自分で調べることがもちろん重要ですが、一人職場ではリハビリ以外にもすることが多いと思いますので、時間がいくらあっても足りなくなるような気がします。さらに立ち上げの場合は、評価・訓練教材など環境設定が一から必要リハビリ実施の単位数の管理など、システム構築が必要(?)。PT・OTと同じやり方で行うとしても、作る時間が必要。 悪いことばかり書きましたが、何人かSTがいる職場でも、まわりにあまり相談せずリハビリを行っていると、「相談」という点では、一人職場と変わらないこともあります。特にSTは、個室で行うことが多いので、自分から相談しなければ、周りのSTには気づかれないことは多いと思います。PT・OTであれば、同フロアで行うことが多いので、間違った手技をしていたら、周りの先輩が気づいて指導してくれることもあります。また、先輩STのいる職場でも、もし、プレッシャーがあると、自分の中で「この評価は、本当に患者様のためにやっているのか? 先輩に言われたからやっているんじゃないのか?」とわからなくなることも出てくると思います。そういう意味では、一人職場では、先輩からのプレッシャーがなくやっていけるかもしれません。学校の先生からは、一人職場にいくためには、わからないことがあった時に、自分で調べて(自分から積極的に相談して)解決していけるような力が必要だといわれました。