2006/09/14(木)04:37
日本の父へ
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◆今日読んだ本
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題名:日本の父へ
著者:グスタフ・フォス
出版:新潮社
定価:750円(文庫版が出ています)
購入:ブックオフで105円
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◆本の目次
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1.父ありき-私は父からこう学んだ
2.おやじさまざま-私は教え子の父とこう語る
3.明日の父に-私は教え子の結婚式でこう話す
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▼本の成分解析
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知恵 :■■□□□
勇気 :■■■■■
豊かな心:■■■□□
おすすめ:■■■■■
この本は昭和52(1977)年3月に出版されています。
今から約30年前の出版です。
amazonによると、この本はベストセラーになったようです。
Vol.33で「日本の父へ再び」という本の紹介をしました。
そのときに、前著「日本の父へ」という本があることを知り、
ブックオフで探していたところ、ようやく発見できたのです。
著者は、1947年に栄光学園の初代校長に就任とあります。
戦後の混乱期に占領軍の指示によって学校を建設します。
30年前の父親の問題点と現在の父親の問題点はどの様に違うの
でしょうか?
その辺りのことも読んでみたいと思います。
今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
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■この本のどこを読むか
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1)話す父より話せる父とは、どのような父親か?
2)「みんなそうしている」で育つとどうなるのか?
「みんなそうしている」は今でもよく聞きます。
忙しい方のために、結論を先に紹介します。
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■この本をどう読んだか
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1)話す父より話せる父とは、どのような父親か?
「話し合いという言葉は、いまや教育問題の万能薬として考えられ、
とりわけ父親に強く求められている」
「良く耳にすることだが、息子と話し合わなくてはならないという
わけで、彼を正座させ訓話を聞かせる父親がいるようだ。そんな
ことは絶対にしてはならないとはいわないが、もちろん、それは
話し合いではない。話し合いは単なる説教とか、小言とか、ある
いは助言とかいうようなものではないからである」
「その一つは、家庭内の話し合いの雰囲気である。親しく話し合う
前に、親しくつき合うということだ。日常生活のなかでの自然な
ふれあいを通して、親と子の間に遠慮のないつながりが生まれ、
そしてはじめて気軽に語り合うことができるのである」
「もう一つ、話し合いの前に忘れてはならぬことがある。よく経験
することだが、親には、自分ではあまり話をしないのに、子ども
には大いに話してもらいたいと思う傾向がある」
「たとえば、勉強はどうだった?試験はできた?先生に叱られな
かった?どんなことをして遊んだ?などのような、子どもにとって
煩わしさ以外のなにものでもない質問をして、無理やりに報告さ
せる」
「子どもはこのような余計な口出しをひどく嫌悪し、心の中で反抗
してしまうことが多いのである」
「私は親と子どもがもっとおしゃべりになることをすすめたい」
「親子同士の話し合いは、親同士の話し合いからはじまる。と、
こういっても過言ではない。父親や母親は、その日にあったこと、
失敗したこと、楽しかったこと、悩んだり心配していること、
あるいは今度やってみたいと思っていることなどを、子どもの前で、
子どもを交えて語り合うべきなのである」
2)「みんなそうしている」で育つとどうなるのか?
「子どもの考え方というものは、自分が育つ間に見たり聞いたり、
経験したりすることによって、強い影響を受けるのである。道徳的
価値観も決まってくる。親、先生、そして大人の責任は大きい」
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★今日から実行すること
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【夫婦でもっと話し合おう】
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●もっと知りたい方のために
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●はじめに「話す父より話せる父」とはどのような父親なのでしょ
うか?
▽著者は次のように言います。
「話し合いという言葉は、いまや教育問題の万能薬として考えられ、
とりわけ父親に強く求められている」
「良く耳にすることだが、息子と話し合わなくてはならないという
わけで、彼を正座させ訓話を聞かせる父親がいるようだ。そんな
ことは絶対にしてはならないとはいわないが、もちろん、それは
話し合いではない。話し合いは単なる説教とか、小言とか、ある
いは助言とかいうようなものではないからである」
今でも、親子、とりわけ父と子の話し合いは問題になっています。
30年前から何も進歩していないのです。
でも、考えてみれば30年前に問題になっていた父親に育てられた
子どもが、現在は父親になっているのですから、しようがないで
すね。
例え話し合うにしても、サザエさんに出てくる「磯野波平」タイプ
の話し合いは、話し合いとは言わないのです。
確かに子どもと話をするときは、どちらかというと注意とか小言を
言う場合が多いような気がします。
これでは、嫌がられるに決まってますね。
▽著者は、親子同士が話し合いをするにはいくつかの条件があると
言います。
「その一つは、家庭内の話し合いの雰囲気である。親しく話し合う
前に、親しくつき合うということだ。日常生活のなかでの自然な
ふれあいを通して、親と子の間に遠慮のないつながりが生まれ、
そしてはじめて気軽に語り合うことができるのである」
親子が話し合いをするのは、普段からの家庭内での付き合い方が
大切なのです。
話したいときだけ話そうと思っても、子どもが聞いてくれるわけ
ないですね。
かといって、「友達のような父親」というのも問題だと思います。
以前、おもちゃ屋さんに行ったときに、子どもが親に対して
「ため口」で話をしているのを見たことがあります。
このときはとても違和感を感じました。
親と子が、親しく話すことは大切だと思うのですが、絶対に友達
ではありえません。
なぜなら、親は子に対して責任を持たなくてはならないからです。
一方の人間だけに責任が生じる関係は、友人ではないはずです。
友達のような父親は、気を付けなければならないと思います。
しかし、全く会話がない親子よりはまだマシかもしれません。
▽著者は言います。
「もう一つ、話し合いの前に忘れてはならぬことがある。よく経験
することだが、親には、自分ではあまり話をしないのに、子ども
には大いに話してもらいたいと思う傾向がある」
「たとえば、勉強はどうだった?試験はできた?先生に叱られな
かった?どんなことをして遊んだ?などのような、子どもにとって
煩わしさ以外のなにものでもない質問をして、無理やりに報告さ
せる」
「子どもはこのような余計な口出しをひどく嫌悪し、心の中で反抗
してしまうことが多いのである」
私はこれよくやります(笑)
平日は、あまり接点がないし、晩ご飯もどうしても時間がずれます。
毎日何をして、何を考えているのか知りたいので、休みの日に聞き
まくります。
「勉強何が一番得意なの?」等、知りたいことを聞いていたので
すが、これは子どもにとって単なる報告であって、煩わしいこと
だったのです。
この本には「取り調べ」と書いてありました。
▽では、著者はどうすべきだと言っているのでしょうか?
「私は親と子どもがもっとおしゃべりになることをすすめたい」
「親子同士の話し合いは、親同士の話し合いからはじまる。と、
こういっても過言ではない。父親や母親は、その日にあったこと、
失敗したこと、楽しかったこと、悩んだり心配していること、
あるいは今度やってみたいと思っていることなどを、子どもの前で、
子どもを交えて語り合うべきなのである」
親子の会話をスムーズに成立させるには、親同士の普段からの会話
が大切なのです。
言われてみると確かにそうですね。
また、子どもの前で両親が話をするということは、子どもを信頼
しているというサインを送っていることになるのだそうです。
夫婦が普段から普通に話し合う雰囲気があれば、自ずと親子が
話し合う雰囲気が生まれてくるのです。
●では「みんなそうしている」で育つとどうなるのでしょうか?
▽ここで言う、「みんなそうしている」は子どもの言葉ではなく、
親の言葉です。
ここで例としてあげられているのは、
「親が、率先してキセルする」
「親が遅刻届けの理由を腹痛と書く」
「親が税金をごまかす」
…
そして、この行動に対し「いいんだよ。みんなそうしているんだ」。
こんな言葉で子どもに話をしてはいけないのです。
著者は言います。
「子どもの考え方というものは、自分が育つ間に見たり聞いたり、
経験したりすることによって、強い影響を受けるのである。道徳的
価値観も決まってくる。親、先生、そして大人の責任は大きい」
周りの大人が「いいんだよ。みんなそうしているんだ」という
考え方で、行動していると、当然子どももそうなります。
「みんなそうしているから、やってもいいんだ」となります。
これは、ほんのささいなことから始まると思います。
例えば、車を運転しているときなどがそうかもしれません。
信号無視をしない。
スピード違反をしない。
お互いに譲り合う。
等々。
子どもはいつも見ています。
そして、親と全く同じ事をします。
「みんなそうしているから...」と平気で行動する子どもは、
その親がそのような考えで生活しています。
これは間違いありません。
親は、小さなことでも、子どもに見られていることを意識しながら
生活しなければならないのではないでしょうか?
この本を読んでいて驚いたのは、30年前に著者が危惧していた
ことが、現在ではもっとひどくなっているということです。
何も進歩せず、さらに悪化しているようです。
現代の親が読んでも、全く違和感なく受け入れられると思います。
子どもを持つ親、もしくは、将来親になろうと考えている方、
一読することをおすすめします。
人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋