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鏡に映った自分の裸体を見て愕然とする。 さっきまで想像していた、あなたに抱かれている私はこんなにもキレイじゃない。 髪を下ろした自分を見て愕然とする。 さっきまで微笑もうとしていた、唇を濡らしていた私はこんなにもありふれている。
罪悪感と期待の間で揺れる毎日。 それでも絶頂はあなただけがいいと思う。その瞬間にあなたを呼んでしまう。 それはいけないことじゃないよって、誰かが言ってくれたけど、私はこんなにも。
全てを通り越してあなたと快楽に溺れたいよ。
あの手が私の顔の柔らかいパーツを撫で、あの瞳が今以上に熱を持ち私を見つめたら、きっとそれは極上。 ただあなたの体温を感じただけで、上りつめてしまうかもしれない。 触れたときから、我慢なんてできなくなる。 刹那でもいいから、あなたが欲しくなる。 見つめて欲しくなる。 どこでもいいから、服なんて破り捨てて裸になって、素肌で触れ合いたい。
言葉なんていらない。 ただ唇を求め合えれば、それだけでいいのに。 きっとそのときは同じ気持ちになれるでしょう?
果てた後にあなたが私を軽蔑したとしても、その瞬間さえあればいいかもしれないと思う。
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