緑。d
海につながるあの空の色を
目の前を通った大きな機体を
帽子を飛ばした少し乱暴な風を
きっと僕は忘れずにいられるだろう
それを日常とする日がくるまで
それが憧れなんかじゃなく
現実のものにできるまで
きっと僕は少しも色あせずに
この胸にとどめておけるだろう
外の通りから聞こえる子供の声も
まぶしすぎて反射していたあの光も
たしかにそこにあった石畳の道も
きっと僕はいつでも思い出せるだろう
夢見心地のときが過ぎても
どんなに悲しいことを繰り返しても
きっと僕はひとつも欠けることなく
脳裏に思い描けるだろう
|