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Feb 6, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
  古くからの町並みがつづき、人々の活気のみちた声と工事の喧騒の音が

響いている。 「天下は定まったか」 それが実感される光景である。

  堂々とした美丈夫の兼続の姿を行き交う人々が、好奇の眼差しでみつめる。

  ゆったりとした物腰、智謀をひめた双眸の輝きが人々を魅了するのだ。

  町外れの真新しい屋敷に兼続の長身が消えた。この屋敷は大納言四辻公遠

の別宅である、屋敷の費用は兼続がひそかに工面したものであった。

  兼続は一人座敷に座し、腕組みをして庭を見つめている。サイカチの新緑の

葉影から、春の日差しが射るように差し込んでいる。

「お待たせいたしました」  廊下を伝い品のよい老女が現れた。

「上杉の直江山城守にござる」

「わたくしが、お姫さまの乳母にございまする」

「かねてより無理なお願いを申して参ったが、お聞きとどけ頂けましたかな?」

  兼続が尋ねた。  「ようやく納得下されました」

「それは重畳」 「それにつけても不犯を通されるとは珍しいことにございますな」

「余りにも故謙信公が偉大な存在にござった、それ故に平素からすべてを真似ら

れた結果にござる」

「一言申し述べます。万一、お手がつかずばいかが思(おぼ)し召します?」

「この山城、腹を掻き切ってお詫びいたす」

  兼続の言葉に老女が微笑んだ。  「主にそのようにお伝いいたします」

彼女はそっと床の間に近寄り、垂れ下がった紐を引いた。微かに奥に鈴の音が

響き、廊下越しより足音が聞こえた。

「藤子にございます」 可憐な声がした。  「お入りなされませ」

  老女に促され前髪姿の小柄な若侍が姿をみせた、思わず兼続が息を飲みこ

んだ。色白で頬の豊かさが目をひく、つぶらな瞳と形のよい唇。どれをとっても

造形の妙を感じさせる乙女であった。

「直江山城守兼続にございます。お覚悟のほど出来ましてございますか」

「上杉家の血統を絶やさぬためとお聞きいたしました。それでこのような姿とな

りました」  「これで我家は磐石となりました」

  直江山城守の白皙の顔が珍しく朱色に染まった。

  夕刻となり小雨が降りだし、兼続は笠をかむった藤子を伴って宿舎にもどっ

た。すでに景勝は大杯をあおっていた。

「ただ今、戻りました」   「わしの相手をいたせ」

「喜んでご相伴つかまつります」  兼続が景勝の前に腰をすえ盃を手にした。  

  景勝は関白との会見が無事に済んだ気安さで大いに飲んでいる。

「お屋形さま、帰国いたしましたら早速、本庄繁長に命じ庄内に軍勢を進めます

が、宜しいな」  「大宝寺城の武藤義興(よしきよ)は大事ないか?」

「武藤義興は最上義光に所領を奪われ、旧領回復のために我家に救援を依頼

して参った。その点は大丈夫にござる」

「そうじゃな。そのためにわしが本庄繁長の次男、義勝を武藤の養子として送っ

たのじゃ」  景勝が納得顔でつぶやいた。

「拙者は石田三成殿に、奥羽惣無事令の使者を出羽に派遣いたすよう頼んで参

りました。我が軍勢が庄内に出兵すれば、最上義光はこれを好餌(こうじ)として

戦闘停止(ちょうじ)を訴え出る筈にござる」

「成程、庄内が我家の飛地となった事は義光は知らぬ。兼続、やったの」

  景勝の顔に満足の色が広がった。

「御意に、我が領地を取りもどすことは公戦にあらずして私戦にござる。これは

奥羽惣無事令に反することではござらぬ」

「最上義光め、己の外交の失敗を認めることになるか」

  景勝が、ぐいと大杯を飲み干した。

「ところでお屋形さま、美童をみつけ宿舎に連れまいっております。余り飲まれぬ

ようにな」  兼続が若侍のことを告げ、深酒を注意している。

「閨を共にいたせと申すか?」

「家臣が主人に、美童を薦めるは憚りおおいことにござる」

  大いに飲んだ景勝は、美童を喜んで寝所に呼びいれた。行灯の明りに照らさ

れた若者は躯を堅くしている、景勝はその美貌に魅せられた。

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Last updated  Feb 6, 2007 09:41:43 AM
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