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Feb 20, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
          (疑惑)
   上杉軍団は庄内から春日山城に帰還し、城下で盛大な解散式を行った。

  各軍勢は国許に戻り、景勝と兼続は久しぶりに戦塵の疲れを癒していた。

  太閤殿下は上杉勢が庄内一揆を鎮圧中に、奥州に軍勢を進め、あの曲者で

知られた伊達政宗を屈服させていた。小田原合戦の前には九州を平定し、今や

日本全土で豊臣政権に刃向う者は居なくなっていた。

  そういう意味では越後一国も、景勝の手で完全に平定されていた。景勝は

三十五歳となり、壮年武将としての貫禄が滲みでている。一方の兼続は三十歳

となり風貌人を圧し、ますます智謀が冴えわたっていた。

「お屋形さま、徳川殿の仕置きで天下は定まりましたな」

「徳川殿の関東移封が効いたの、全国の有力大名もこれで鎮まるであろうな」

   景勝が青味をおびた顔色をみせ、ぼそっと答えた。

「しかし油断は禁物にござる、これで徳川殿の心中は穏やかならぬものになりま

したな。かの人は己の力のみで領土を拡張した人物、以前は織田信長さまに頭

を押さえられ、又、今回は殿下に頭を押さえられ申した」

「そうよな、誰の助けもなく領土を広げられたが、何時も誰かが実力者として上に

居られる。何れ、反抗心が面に現われような」  「御意に」

「我が上杉も大国じゃ、常に用心を怠るまいぞ」

「それにつきましては手を打ってござる」  「石田三成殿か?」

「左様、大阪城の陰の実力者にござる」

「山城、余り信用いたし手を噛まれぬなよ。忍城攻城戦ではだいぶ武将とし不評

をかったようじゃ」

「豊臣対策は拙者に任せていただきます」  兼続が断言した。

「分かった。我家の頭脳はそちに任せたのじゃ、久しぶりの帰国じゃ。面倒な議

論は本日はやめる」  景勝が面倒そうに手を振った。

「左様ですな、拙者も与板に戻り、暫く休息いたします」

   直江山城守が低頭し景勝のもとを去った。 

   真夏の春日山城が薄闇に覆われはじめた、格子戸から心地よい風が吹き

ぬけてゆく。日本海の地平線に雲が横たわるような翳が見える、あれが佐渡で

ある。 影勝と城代の黒金泰忠の二人が、ひっそりと酒を酌み交わしている。

   相変わらず漬物が肴である。

「お屋形さま、これからは合戦が無くなりますのか?」

「豊臣家の天下が定まった今の時期に、合戦の起こることはあるまい。たが人間

には闘争本能がある、それがある限り合戦は無くなるまい」

   普段は無口な景勝が珍しく能弁である。

「お屋形さま、なぜ側室をお持ちになられませぬ」

「泰忠、そちまで山城と同じことを申すか、わしは女子に興味がない」

「ならば、お菊の方さまを大切になされませ」

「諫言無用じゃ」  景勝が沢庵を噛み砕いた。

「申し上げます」  下座に小姓が現れた。  「何事じゃ」

   黒金泰忠が声を発した。

「仙桃院さまの、ご容態が悪化したとの知らせが奥より参りました」

「なにっ、母上はご病気か?」  景勝が大杯を片手に剽悍な眼差しで尋ねた。

「はい、先日来より夏風邪をこじらせておられましたが、今朝はお元気な様子に

ございました」  「泰忠、何故それを先に申さぬ」

「申し訳ございませぬ、仙桃院さまが内密にいたせと申されまして、ご報告を

はばかりました」

「奥に参る」  景勝が廊下を伝って北ノ丸に向かった。

「お屋形さまじゃ」  奥の腰元たちが慌てて跪(ひざまず)いた。

「騒ぐな、母上のお見舞いじゃ」  「ご案内申し上げます」

   奥の部屋で仙桃院が、苦しげな呼吸をして眠っている。介護の腰元が、

桶の水で手拭を浸し額の汗を拭っている。  「母上は、そんなに悪いのか」

「今朝は微熱がすると申されましたが、お元気でお過ごしにございました。

夜となり急に気持ちが悪いと申され床につかれました」

「道元、容態はどうじゃ」  医師の道元が平伏し答えた。

「夏風邪にございますが、熱の元がお駆の奥に入ったものと推察いたします」

   仙桃院は今年で六十二歳を迎えた筈である。

「母上は高齢じゃ、暫くわしが看病いたす」  景勝が皆をさがらせ水に手拭を

浸し、そっと仙桃院の額に乗せ替えた。

   呼吸が荒く聞こえるが、品の良い顔立ちをみせ眠り込んでいる。幼い頃 

から慈愛をこめ、慈しんで育てられた。その思いが景勝の胸を去来した。

「影虎殿」 突然に仙桃院が寝言を呟いた。景勝が凝然と母の寝顔を見据えた。

「なりませぬ」 再び低い声を洩らし、仙桃院の顔に微かな笑みが浮かんだ。

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Last updated  Feb 20, 2007 03:34:07 PM
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