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Apr 11, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
「敵じゃ」  最上勢が一斉に丘にむかって身構えた。

「味方が来るまで敵を引きつけるのじゃ、我等三人での」

  泰綱の言葉に二人の部下が声を失った、眼下には百五十名もの敵勢がい

る。上泉泰綱は、なんとしても敵の増援部隊を城に入れずに阻止したかった。

そのうちに我が軍の救援が来る。泰綱が馬腹を蹴った。騎馬が狂ったように

敵勢にむかって駆けた。

「上杉が先鋒大将の上泉泰綱なり、いざ見参」

「小癪な、一騎で襲ってくるとはいさぎよい」

  敵の騎馬武者が数十騎ほど馳せ向かってくる。残りの敵勢は足を早め城に

向かってゆく。泰綱が馬上で愛用の大刀を抜き放った、どっと敵の騎馬武者と

激突した。先頭の武者とすれ違いざま顔面を薙いだ、悲鳴とともに落馬した。

敵の騎馬武者が怒りの形相で手槍を繰りだすが、泰綱は軽々と躱し、的確に

一人又一人と斬り伏せている。流石は一刀流の達人である。

  馬がいななき、土埃が立ちこめ凄惨な戦いとなっている。

「強かじゃ、気をつけよ」  敵の騎馬武者があいだを取っている。

  見守る二人は怖気づき蒼白となり、戦いに加わる気配をみせない。

  血ぶるいした泰綱が再び突撃し、二人の敵を血祭りとした。

「汝等、なぜ加わらぬ」  怒りの声で非難した泰綱の背に手槍が突き刺さった。

ふり向きざまに一刀で斬り伏せた泰綱に、銃撃が加えられ。馬がさおだちとな

り、どっと落馬した。 「あっー」  見つめる二人が悲鳴をあげた。

  泰綱が素早く起き上がり大刀を振り上げた時に、猛射を浴びせられた。

  兜が転がり、泰綱の躯が後方に吹き飛んだが、彼は刀を杖として仁王立ちと

なった。敵の騎馬武者が猛然と駆け寄り、手槍が襲いかかった。

  緩慢な動作で大刀が煌き、一人の武者の首が宙に舞った。それが最後であ

った。手槍を胸にうけた泰綱の体躯が、地面に転がった。

「首を討て」  敵の生き残り武者がどっと駆け寄っている。

「おうー」   悲鳴のような声をあげ、二人の部下が騎馬で馳せ下った。

  怒号と馬蹄の音が乱れとび、必死で二人が防戦している。

「わーっ」  丘に喚声が沸き味方の兵が猛然と駆け下ってくる。ようやく間に合っ

たが、上泉泰綱は既に呼吸を止めていた。壮烈なる最後であった。

  血塗れの二人が茫然としている、前田慶次が騎馬で近づき、無言で非難の

眼を浴びせ、上泉泰綱の躯を抱えあげている。

  二人の部下の眼に後悔の色が刷かれている、怯懦の振る舞いを恥じている

のだ。「ご免ー」  二人が同時に大刀を逆手として己の頚動脈を断ち切った。

  上泉主水泰綱の戦死は、上杉の将兵に深い悲しみを残した。

  山城守にこの知らせがもたらされた。  「戦死いたしたか」

  この合戦を甘く見すぎていた、その思いが山城守の胸を締め付ける。

思いもせぬ損害をだし、未だに長谷堂城も上ノ山城も陥とせずにいる。このまで

は関ヶ原に出馬することは夢に終る。

  我が上杉家の精兵三万名をもってしたも、たかだか一万に満たない最上勢を

壊滅できないとは。上方の様子が気にかかるが一切の情報が途切れている。

(治部少輔殿、合戦を引き伸ばして下されよ)

  直江山城守は仏にすがる思いで本陣に腰を据えていた。

         (朝の露)

  慶長五年九月二十八日である。景勝は天守閣より南方を展望している。

  鈍色(にびいろ)の空が地平線の果てまで広がっている。景勝は、つい先刻、

関ヶ原合戦の東軍勝利の知らせを受け取ったのだ。

  西軍に加担した諸大名の大軍と、石田三成の描いた壮大な戦略が、開戦一

日で破れさるとは、到底、信じられないのだ。負けるいわれのない合戦の筈であ 

った。 「何故じゃ」  景勝が独語した。

  しかし情報によれば、西軍の影の総帥の石田三成や、西軍最大の野戦軍団

を率いた宇喜多秀家、小西行長も捕縛されたという。景勝のもとにつぎつぎと

関ヶ原の情報がもたらされる。直接の敗戦の原因は、豊臣連枝の小早川秀秋

の一万六千の裏切りと知った。さらに南宮山に布陣した、毛利秀元、吉川広家、

長曾我部盛親、安国寺恵瓊、長束正家等の諸隊は、最後まで合戦に参加せ

ず、傍観していた事実も知った。

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Last updated  Apr 11, 2007 11:15:53 AM
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