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Apr 12, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
  矢張り、わしの考えが甘かった。山城の進言どうり家康が小山から反転する

時に、総力をあげて追撃するべきであった。

  景勝は青味をおびた剽悍な眼差しで、遥か先の美濃につづく地平線を見つ

め後悔の念に浸っていた。

  これで我が上杉家は孤軍となった。天下に名を轟かした武勇精強でなる、

不識庵公以来の武者魂を家康に示すために、一同そろって江戸に乱入いたす

か。じゃが、もう遅い。そんな思いを抱き悄然と自室に籠もった。

  彼はひたすら大杯を呷って思案にくれている。最上から兵を引き家康に恭順

するか、だが、死を命ぜられたら、何のための恭順か分らぬ。

  関ヶ原の合戦で家康は天下をほぼ手中とした。それもあの豊臣恩顧の阿呆

な猪武者の力が大であった。

  彼等が崇拝する秀頼公は、大阪城で健やかに成長なされておる。家康が

豊臣家から天下を継承するには、大阪城を攻略せねばならない。その時期がく

るまで家康に膝を屈し、奴が牙を剥き出し大阪城を攻めはじめたら、豊臣家の

お味方として大阪城に入城し、この度の屈辱を晴らすか。

  景勝の思考はちじに乱れていた。彼は城代の大石綱元を呼び出した。

「お呼びにございますか?」  綱元が厳つい顔をあわした。

「上方の合戦は西軍の敗北に終った」  景勝が無念の形相で告げた。

「何とー、石田三成さまが敗れましたか」  大石綱元が唖然としている。

「矢張り、石田治部少輔殿には荷が重かったよぅじや」

  景勝の脳裡を往年の石田三成の顔がよぎった、あの性格じゃ。西軍の武将

連を掌握仕切れなかったのじゃ、今になって判った。

「あの剃刀のような武将でも、内府には叶いませでしたか?」

「今更、言うても詮なきことじゃ。我が上杉は孤軍となった、このうえは山城に

撤兵命令をださずばなるまい」

「左様にございますが、西軍の敗戦は何時にございました」

「皮肉なものじゃ、山城が長谷堂城を包囲した九月十五日であった」

「たった一日でけりがつきましたのか?」  綱元が愕然とした顔をした。

「家康の利に調略された結果じゃ、大阪の千坂景親からの報告で察しがつく」

  景勝が青味をおびた顔で呟き、大石綱元に命令を伝えた。

「わしの書状を山城のもとに届けよ、速やかに撤退させるのじゃ」

「はっ、すぐに人選をつかまつります」

  若松城から、伝令の将が直江山城守の滞陣する長谷堂城にむかったのは、

九月二十九日の早朝であった。

  最上義光と伊達政宗には、この日に家康から東軍勝利の知らせが届いてい

たが、山城守は知らず、明日に陣変えをして決戦場を移す軍議を開いていた。

  その日に景勝からの撤兵命令を受け取った。

  山城守も暫し茫然とした。島左近とともに三成の壮大な戦略と味方の大軍を

知らされ、必勝の信念を胸に秘めていたのだ。

  だからこそ、家康が小山から軍勢を反転する際、景勝の意見を尊重し追撃を

諦め、この最上領に進攻してきたのだ。  「早々と敗れたか」

  関ヶ原合戦の敗北からもう、一ヶ月余りも経ている。山城守の決断は早い。

彼は諸将を招集し、西軍の敗戦を伝え撤兵命令をくだした。

「色部光長、そちは足軽二千を引き連れ狐越街道に急行いたせ」

「はっ、して任務は?」

「既にこの知らせは最上と伊達には届いておろう、わしは明日まで攻撃の気配を

示し、滞陣いたし両勢の反撃を許さぬつもりじゃ。狐越街道は狭隘険路、我が

大軍が素早く撤退できるよう、道路の拡張と補強を行い先鋒隊として会津に帰国

いたせ」  色部光長が意図を感じ取り、素早く軍議の場から消えた。

「水原親憲に前田慶次」  「はっ」  「そち等も隠密に先発いたせ」

「我等も帰国にござるか?」  両人が不満そうな顔をした。

「我等が撤退したと知ったら、最上勢の追撃はずいぶんと烈しいものになろう。

そち達は険路な場所に伏兵の策をなし、本隊の援護を頼む」

「殿軍にござるか」  「そうじゃ、本隊が狐越街道に入ったら両勢が殿軍となる」

「心得申した」  二人の猛将が甲冑の音を響かせ本陣から去った。

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Last updated  Apr 12, 2007 10:08:56 AM
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