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Apr 14, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
  水原親憲は二百名の鉄砲隊を三隊に分かち、間断のない銃弾の幕をめぐら

したのだ。つぎつぎと敵兵が銃弾の餌食となって坂道を転がり堕ちてゆく。

  敵将の最上義光も兜に弾を受けたが、大事に至らず、ほうほうの体で後方

に退いた。

「皆の者、あわてずに退け、我等には二百挺の鉄砲がある。敵が返してきたら、

撃ち放せ」  こうして水原勢も反撃しつつ撤退を開始した。

  途中で直江山城守が待ち受けていた。

「よう成し遂げた、すでに先陣の一部は街道をぬけた」

「このまま会津まで戻りますのか?」  水原親憲が硝煙でくすんだ顔で訊ねた。

「米沢城で休息いたす、急げ」  前田慶次も心配して駆けつけてきた。

「最上勢の追撃は大丈夫にござるか?」

「慶次、義光の兵力は五千名に満たぬ、もはや襲いくる余裕はあるまい」

  軍神としてあがめられた『愛宕権現』『愛染明王』からとった山城守の愛の

前立てが、きらりと輝いた。

  十月四日、上杉勢は米沢城に着いた。こうして最上領からの撤退作戦は

終りをみた。山城守は兵士等に二日間の休息を与え、国境防備を厳しくするよう

命じ、直ちに若松城に急行した。

「お屋形、ただいま戻りました」  景勝が例の顔に憂愁をおびて出迎えた。

「山城、そちの進言を聴いておれば西軍は敗れなんだ。わしは後悔しておる」

「申されますな、勝敗は兵家の常。運がなかったと諦めることです」

  景勝と直江山城守が瞳を見つめあった、二人にしか判らぬ思いがよぎった。

「山城、一緒に酒を酌んでくれるか」  「喜んでご相伴つかまつります」

  景勝と兼続、城代の大石綱元の三人が、久しぶりに酒席をともにした。

「今後の展開をどうよむ」  景勝が濃い髭跡をみせ訊ねた。

「拙者にも判別がつきませぬ、家康が天下を得たことのみが真実。だが大阪城

には秀頼公が健在におわします」

「山城、豊臣家の直轄領は六十五万石に減封されたぞ」  「誠にござるか」

  直江山城守の白皙の顔が曇った。

「馬鹿をみたのが毛利よ、三成殿は毛利輝元を担ぎだしたが、分家の吉川広家

は家康に内通し、参戦しない条件で毛利の全所領の安堵を約束させた。・・・・

それ故に南宮山の諸大名は動けなんだ、そのために家康は勝利したが、狸め

約束を反故(ほご)にいたし、改易をほのめかしたと云う。広家は輝元の赦免を

懇願し、ようやく周防、長門の二ヶ国三十万石の安堵を得たと云うは」

「まんざら、家康も馬鹿ではありませぬな」

  大石綱元が、含み笑いをし大杯を口にした。

「綱元、笑い事では済まぬ、我家はどうなる」  「これは、・・・」

「家康が上方に居る、今、一団となり江戸に乱入いたしますか?」

「山城、そちは本気か?」  景勝が驚いた顔をみせた。

「我家は義と信をもってたつ家、お屋形の下知なれば全員討ち死にの覚悟で

合戦におよびまする」  「うーん」  景勝が唸り大杯をあおった。

「いずれにせよ、近々のうちに狸爺から恭順か合戦かの使いがござろう」

「わしは、奴だけには膝を屈する屈辱を味わいたくはない」

「ならば一家全滅を覚悟いたし、奴の非を天下に示す合戦を為されよ」

「わしの意地のみで家臣等を殺すことは出来ぬ、そこが苦しい」

  景勝が苦しそうに胸中を語った。山城守が笑い声をあげた。

「山城、何が可笑しい」  景勝の浅黒い顔に怒気が刻まれている。

  山城守が杯で唇を濡らし顔を引き締めた。綱元がその様をみつめている。

「拙者は、とうにお屋形に命は預けておりますが、ここは重臣、諸将等の意見も

聞かずば成りますまい」  「・・・・」  景勝は無言のままでいる。

「一同が合戦を望まぬとしたら、お屋形はいかが為される。家康に膝を屈します

るか」  景勝が山城守の白皙の顔をみつめた。胸中には無念と怒りが渦巻い

ているが、それを飲み込んで命を下した。

「綱元、直ちに三十三の城代と全ての重臣、諸将をこの若松に参集させよ」

「はっー」  大石綱元が厳つい顔をして部屋をあとにした。

  十月二十日、若松城で会議がひらかれた。今後の方針について激論が交わ

された。降伏止むなしの派と合戦に及ぶべきと唱える派が対立し、容易に意見

の統一ができず、虚しい議論が続出していた。

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Last updated  Apr 14, 2007 09:16:21 AM
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