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Apr 16, 2007
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カテゴリ:小説 上杉景勝
  この場の有様を見つめていた直江山城守が、威儀を正し滔々弁じだした。

「意見は出尽くしたとみた、いずれも正論でござろう。この山城にも決めかねる。

お屋形のお考えを披瀝ねがい、上杉家の去就を決めていただこう」

  一座の者が、一斉に景勝を仰ぎ見た。景勝が剽悍な眼差しをみせ口を開いた。

「わしは、この場になって己の節を曲げてもよいと考えておる」

  一同の者から声にならない溜息が洩れた。

「家康づれに膝を屈するならば、死花を咲かせ見事に散ろうと考えたが、それは

わしの我が儘じゃ。恭順した場合、我家の存続を認めてくれるかどうかじゃ」

「この西軍の敗北で改易された大名家は、八十八家におよんでおる。減封は三

家ある」  山城守が代って答え、なおも言葉をつづけた。

「我家が恭順と決しても、存続を認められることは至難の業と思わずばなるまい」

  一座に重苦しい雰囲気が漂った。

「拙者は我家と常陸の佐竹殿と連携し、我が上杉家の戦法の激しさを家康に見

せつけたい」  山城守が烈しい言葉を吐いた。

「賛成にござる」  真っ先に甘糟景継が賛意を示した。

  彼は主戦派の急先鋒の武将である。景勝が例の浅黒い顔に憂愁の色を

浮かべ、暫く黙し再び口を開いた。

「山城が、長谷堂城の包囲を完了した日が九月十五日であった。その日に西軍

は、たった一日で敗北した。皆に撤兵命令をだし、わしは家康という武将の生き

ざまに思いを馳せた。少年時代に織田、今川家の人質となり義元公の戦死によ

り、三河を己のものといたし、艱難辛苦のすえに今の地位を築いた。太閤殿下

と互角の戦いをした武将は、家康以外はおらぬ。・・・・わしは合戦では家康に

敗けぬ自信はある。だが治世面では家康が数段わしより勝ると知った。よって、

わしは徳川との和平の道を模索いたす」

  景勝が沈痛な面持ちで上杉家の行く末を断じた。一同の者が声を失ってい

る、尚武の家として謙信公以来、天下に恐れられた我家が家康づれに屈服す

る。その屈辱を押さえ平伏した。

「お屋形のお考えが和平と決まれば、拙者にも考えがござる」

  直江山城守が全治全能をかたむけた考えを述べはじめた。

「下野に居られる、結城秀康殿とは昵懇の間柄。彼の仁は故太閤殿下の養子に

ござった。拙者は秀康殿を通じ家康に我家の意思を伝えて頂く考えにございま

す」  山城守が景勝はじめ、一同にむかって語り終えた。

「お忘れか、山城守さま。我等は徳川勢に対抗すべく会津の総力をあげ、兵力を

白河口に集結した事実を」  すかさず、甘糟景継が声を荒げた。

「そんなことで心配する必要はない、合戦を仕かけられ準備せぬ大名があるか。

あの時は会津防衛の処置じゃ、我等は家康が小山から軍団を反転した際も、

国境から一歩も踏みださなんだ。それは家康が誰よりも一番に承知の筈じゃ、

我家は徳川家に、一度も兵力でもって刃向ったことはない」

  直江山城守が、明快に断じた。

「山城、秀康殿と話をつめてくれえ、わしは本多正信と交渉いたす」

  景勝の言葉で山城守は、合点する思いがあった。

「あの謀臣の本多正信が、お屋形に和平を勧めると上方の千坂景親から知らせ

が参りましたな」  「そちには叶わぬ、すべてが見通しじゃな」

「お屋形、和平勧告と申しても全面降伏となりましょう。拙者は上杉家の存続を

秀康殿にお願いいたす所存にござる」  「もし、ならぬと申したら如何いたす」

「ならば、お屋形と枕を並べて討ち死にするだけにござる」

  山城守の白皙の顔が引きしまり、景勝の顔つきが和んだ。

  こうした決意を秘め、上杉家の重臣会議は和平にむけた方針の決定をみ

た。会津一帯は武装を解き、恭順の姿勢をしめし静まった。

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Last updated  Apr 16, 2007 09:21:55 AM
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