1177665 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

長編時代小説コーナ

長編時代小説コーナ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

龍5777

龍5777

Favorite Blog

デラウェアグミ New! 千菊丸2151さん

春菊の花が咲きました New! よりすぐりさん

USB接続のFDDをゲッ… New! Pearunさん

^-^◆ 花巡りウォー… New! 和活喜さん

早とちり! 韓国の達人!さん

Comments

 人間辛抱@ Re:何故、安保法制が必要なのか。 (08/09) どうもお久しぶりです。 新型コロナウイル…
 http://buycialisky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) cialis muscle paincialis daily use side…
 http://buycialisky.com/@ Re:改定  上杉景勝(12/11) cialis 5 mg prezzo in farmaciaanti cial…
 http://buycialisky.com/@ Re:騒乱江戸湊(04/28) cialis in spanien kaufenavoid counterfe…
 http://buycialisky.com/@ Re:「改訂  上杉景勝」(04/21) what happens if a woman takes viagra or…
 http://viagraky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) offshore viagra &lt;a href=&quot; <sma…

Category

Freepage List

Calendar

May 6, 2008
XML
カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ クール にほんブログ村 小説ブログへ 

「あぁ、良いお風呂でしたよ、疲れがすっととれました」

 お蘭が顔を桜色に染めて戻ってきた。部屋に風呂の匂いと女盛りの体臭の

入り混じった香りが漂った。

「一杯、飲みますかえ」  「はいな、頂きますとも」

 猪の吉の注いだ酒を色っぽい頤(おとがい)をみせ飲干した。

「二人とも聞いてくれ、明日は待望の上諏訪に着くことになる。我等は

そこから諏訪湖に向かう」  求馬が厳しい顔で告げた。

「いよいよ信玄の隠し金塊を探りだしますか?」  猪の吉がはしゃいでいる。

「それが可能かどうかを見極める」

「旦那、絵図があれば見つかるのでしょう」  お蘭の顔にも興味の色が浮かん

でいる。  「それは現地を見ねば判らぬ」

「絵図が偽物てえ訳ですかえ」  猪の吉が不審そうな顔で膝を乗り出した。

「わしは、諏訪家の城の古書を調べた」  求馬が仔細を語りはじめた。

 もともと諏訪家のお城は島崎城と呼ばれ、信玄の侵略によって滅ぼされる

までは、諏訪湖の岬に築城されていたのだ。だが武田家が滅亡し太閤秀吉の

命で日根野高吉が、島崎城を廃城として角間川の三角洲に新城を築き直した。

それが今の高島城であった。求馬が喋りを止め、二人を順に見つめた。

「そうすると絵図に描かれた場所は、今の高島城を目安としやすと全く

違った場所という訳ですかえ?」

「そう云う事じゃ。だから現地を見ねば判断が出来ぬのじゃ」

「何ですか、つまらないの、それじゃあ骨折り損ですよ」

「お蘭、道中の旅はどうであった?」  「それは楽しい旅でしたよ」

「ならば金塊が見つからずとも良しとせねばな」

 求馬が覗き込むようにしてお蘭の眸の奥を見つめた。

 旅先の岩風呂で抱かれた時の興奮を思い出し、お蘭が顔を赤らめた。

 この道中に同行した事で、そんな楽しい経験が出来たのだ。

 その晩の食事は豪勢そのものであった。諏訪湖で捕れた、わかさぎや魚介類

と野菜の天麩羅、野沢菜の漬物、蕎麦、食後には林檎、梨、葡萄が出された。

「豪勢ですな、たまには茶漬けなんぞが食いたいね」

 猪の吉が贅沢な愚痴をこぼしている。

「女中さん、信濃でも天麩羅があるんですね」

「はい、最近、江戸から流行って参りました」

 女中が食後の果物を剥きながら答えた。  「天麩羅が食えるとはね」

 猪の吉が、わかさぎを口にして呟いた。

「江戸にもどったら、江戸前の魚介類を食べさせてあげるよ」

「楽しみにしていますぜ、だが道中の食事にも飽きたね」

 そんな二人の会話を聞きながら、求馬は黙然と思案しながら独酌している。

 そんな横顔を時折、女中がうっとりとした顔つきで盗みみている。

 求馬の虚無感を漂わす容貌が、女心をくすぐるようだ。

 食事が終わると猪の吉が真顔となって口を開いた。

「雨も止んだようです、あっしは夜風に吹かれ魚安に忍び込んできやす」

「無理はするな」  「丁度、腹ごなしです。奴等の思惑を探ってめえりやす」

 猪の吉が、そっと部屋から外の闇に忍び出て行った。

 求馬は暫く独酌し、「お蘭、ひと風呂浴びてくる」

 一声のこし手拭を持って風呂場に向かった。  「つまんないの」

 ようやく二人になったというのに、ついつい愚痴がでる。

「そうだ旦那のお背中を流してあげよう」  そう思い、そっと風呂場に向かった。

 風呂場から湯の音が聞こえてくる、お蘭が浴衣の裾をはしよった。

 求馬が檜の腰掛に尻を乗せ躯を洗っている。そっと足音を忍ばせ近づいた。
 
「お蘭、丁度よいところに来た、背中を洗ってくれ」

「気づいていたのですか?」  お蘭が顔を赤らめた。

「早くいたせ」  「はいな」  盥に湯を満たし手拭を絞り、求馬の背中を強く

擦った、面白いくらいに垢が気持ちよくでる。

「お蘭、襟元をひらけ」  求馬が思いもせぬ言葉を吐いた。

「はいな」  恥ずかしさを堪え胸元を大きくあけた、豊満な乳房がこぼれた。

「もそっと寄れ」  近づくと力任せに抱きすくめられ、乳首を吸われた。

 恍惚となり裾が乱れ、肉置き豊かな太腿が顕となった。

 唇が乳房から首筋へと這いまわり、お蘭が恍惚の呻き声をあげた。

 手が自然に求馬の股間を探った、そこは硬く熱く燃えていた。

「旦那、抱いてくださいな」  はしたないと感じたが、ついに口から出た。

血風甲州路(1)へ

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 6, 2008 11:27:30 AM
コメント(6) | コメントを書く
[伊庭求馬孤影剣] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


 Re:血風甲州路(89)(05/06)   rakutendaisuki123 さん
龍5777さま
こんばんは!

>「大輪の 真紅の薔薇に 見蕩れたり」

真紅の薔薇、私も大好きです。
ご挨拶の一句連休最後の本日も感謝です。

お返しのランクリ完了です! (May 6, 2008 06:44:05 PM)

 Re:血風甲州路(89)(05/06)    NB和 さん
隠されていたのが金塊ではなく
当時金にも匹敵していたものであったという
展開になってしまうでしょうか?
その想像の前に抱き合う二人。 (May 6, 2008 08:58:30 PM)

 Re:血風甲州路(89)(05/06)   kei30318274 さん
龍さま こんばんは。
今日も素敵な一句 ありがとうございます。
真紅の見事な大輪の薔薇に見惚れる龍さまを
そっと想像しています。
絵図は確か信玄公が亡くなった直後に作成され
たものですね。諏訪家のお城が廃城となり、新た
に築城された高島城を目安に出来ないのですね。
でも深謀遠慮な求馬さんのこと・・・。
次の展開が楽しみですわ。 (May 6, 2008 09:39:23 PM)

 Re:血風甲州路(89)(05/06)   abilitgrunavi さん
地図は役に立ったり、立たなかったり。 (May 6, 2008 10:08:22 PM)

 おはようございます(^^♪   つり丸1975 さん
刀持ってるんですか?
『また、くだらぬ物を切ってしまった』
な~んて言ってたりして(^◇^) (May 7, 2008 08:50:49 AM)

 求馬は、かっこいいですね!   flamenco22 さん
こんばんは~
こういう男性は、女性から見たら、たまらないですね。
素敵です! (Jul 9, 2011 09:18:13 PM)


© Rakuten Group, Inc.