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May 8, 2008
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カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
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「疲れがとれやしたね、ところで親父、一刻頃に十名ほどの浪人が通らなかった

かえ」    猪の吉がさり気ない素振りで話を聞きだしている。

「通りましたがの、もう上諏訪宿に着いているだろうね」

「旦那、どこかで待ち伏せておりやすかね」  「その心配はあるまい」

 求馬が常と変わらぬ相貌をみせ、最後の一滴を飲干して断言した。

 空はあくまでも青く澄み渡り、街道は白く乾いている。街道が徐々に

登り坂となってきた。  「綺麗な景色ですね」

 周囲の山並は紅葉に覆われ、紅葉や欅の葉がひときわ映えて見える。

 お蘭が汗を拭いつつ周囲を眺めている。

「足は大丈夫ですかえ」  「大丈夫ですよ」

 前方に大きな欅の大木が見えてきた、一里塚である。

 旅人が数名たむろして休憩をとっている。  「わしらも休もう」

 求馬が草叢に腰をおろし、おもむろに煙草入れを抜き一服燻らしている。

 汗ばんだ肌に心地よい風が吹きぬけてゆく。三々五々と旅人が出立する。

 お蘭が柳行李から瓢を取り出した。  「まだ持っておったか」

 珍しく求馬が白い歯をみせた。  「師匠、あっしにはねえんですかえ」

「心配ないよ、猪さんのもあるよ」  「ありがてえ」

 猪の吉も草叢に座り込んで瓢を口にしている。

「美味いねえ、こうして紅葉を拝んで飲む酒は堪えられねえよ」

 四半刻ほど休息し、再び三人は西に向かった。前方の山並に太陽が沈み

はじめ、西日が真正面から三人を照らしだした。  「眩しいねえ」

 お蘭が手を額にかざし街道を見つめている。

「あの侍は変だぜ」  猪の吉が異変を察し素早く駆けだした。

 西日を背に受けた侍が影法師のように近づいてくる。

「旦那、浪人風の侍ですぜ」  駆けもどった猪の吉が緊張した声をあげた。

「一人か?」  「へい」  求馬がずいと痩身を西日に向け、眼を細め近づいて

くる浪人を見つめた。野袴姿の浪人の袴の裾が風に煽られている。

「二人とも下れ」  求馬が厳しい声で命じうっそりと痩身を進めた。

 街道には旅人の姿はなく、求馬らと浪人の四名がひっそりと佇んでいるのみ

である。両者が三間の距離を保って対峙した。

「伊庭求馬殿か?」  低いが落ち着いた声の持ち主である。  「左様」

「何の遺恨もないが、貴殿の命を頂戴いたす」

「お主とは蔦木屋の風呂で一度会ったの」  求馬が乾いた声で応じている。

「左様、拙者は無双流の瀬川一馬と申す」 瀬川と名乗った浪人が抜刀し正眼

に構えた、西日を反射し大刀が眩しく煌いた。

「お主が仕留め人の瀬川一馬か、水野忠邦の飼い犬に成り下がったか」

 彼は流れ者の一匹狼で知られた殺し屋であった。

「どう思われようと勝手じゃ、拙者は貴殿の秘剣をやぶりたいまでじゃ」

「勝てるか」  声と同時に村正が鞘走った。街道に肌が粟立つような殺気

が充満した。求馬は得意の左下段に構え、うっそりと孤影を西日の中に

佇ませている。真っ向いから西日を浴びる求馬が圧倒的に不利な体勢である。

 求馬が瞑目した、それを見たお蘭と猪の吉が手に汗を滲ませ凝視した。

 じりっと摺り足で瀬川一馬が前進を始め、正眼から左斜め上段へと構えを

移している。下段と上段ながら同じ左構えである。

 この勝負は太刀ゆきの速さで決まる。徐々に勝負の潮時が近づいている。

 二人の大刀が同時に西日の中で煌き、宙を斬り裂いた。

「あっ」  お蘭が思わず目を閉じた、二人はお互いの攻撃を躱し正眼の構え

で対峙していた。  「畜生め、飛礫を見舞ってやるぜ」

 猪の吉が飛礫を握り締めた。  「無用じゃ」  求馬が制止した。

 二人が前進を始めた、ついに死への間仕切りに身を踏み込ませたのだ。

大刀と大刀が吸い寄せられるに光芒を放ち、西日の中で交差した。

「むっー」  瀬川一馬が呻いた。強かに右脇腹を村正が薙ぎ斬ったのだ。

「おうー」  獣の雄叫びをあげて瀬川一馬の体躯が求馬の痩躯に肉薄し、

一閃、二閃と大刀が白い光芒の帯を引いて襲いかかったが、ことごとく虚しく

弾かれた。 「おのれ」  瀬川一馬が左膝を街道につけ水平に左から右へと

求馬の痩身を両断すべく攻勢をかけた。

 ふわりと痩身が宙に踊りあがり、西日を反射させ村正が青白く迸り、瀬川の

背後に求馬が着地した。

 街道に真紅な霧が舞いあがり、どっと瀬川一馬が躯を街道に叩き付けてい

た。 「旦那っ」 駆け寄るお蘭を手で制し、「大事ない」と声をかけた。

 その瞬間、懐紙がぱっと青空に舞い上がった。

 何事もなかった風情で村正を鞘に納めた求馬が、ゆっくりと歩みだした。

「旦那、怪我はありやせんか?」  猪の吉が声をかけた。

「わしの腕が勝っておったようじゃ」  既に求馬は闘いを忘れたような声音で

応じた。お蘭と猪の吉が、安堵の思いをこめ痩躯を呆然と見つめた。

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Last updated  May 8, 2008 11:54:41 AM
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 Re:血風甲州路(91)(05/08)   rakutendaisuki123 さん
龍さま
こんにちは!
「空豆を 肴に一杯 生ビール」
ビールの肴が空豆とは活きですね(^^)
皮の内側の薄皮の部分が甘くて美味しいですよね

私は、アイナメ(アブラメ)の煮付けを食しながら
の地酒を頂きました。
ご挨拶の一句本日も感謝です!!(^ー^)

応援完了です! (May 8, 2008 12:46:54 PM)

 Re:血風甲州路(91)(05/08)   kei30318274 さん
龍さま こんにちは。
今日も素敵な一句 ありがとうございます。
莢が空を向いて伸びるから空豆とか、形が
繭に似ているから蚕豆とか聞いたことがあり
ますが、桜が咲いて二ヶ月くらいがその地方
の空豆の旬だそうですね。季節を感じさせる
食材ですね。此方では地の空豆はまだのよう
ですが、初物の空豆を肴に、然かしビールが
進んだことでしょうね。
仕留人の瀬川一馬を求馬さんの刺客として
水野忠邦は送り込んできましたね。
いつもながらの淀みない麗筆にスクリーンを
見ているような錯覚に落ち入り、楽しませて
いただいております。
(May 8, 2008 02:26:43 PM)

 Re:血風甲州路(91)(05/08)   youちゃん150 さん
こんにちは。
最近テレビを見ることも無く、小説も読まなくなったからなのか、
想像力が弱くなったように感じます。
関係ないですが、読みながらフッと「鬼平犯科帳」のテーマ曲
インスピレーションが頭に浮かんできました。
ゆっくりと読む時間はあまりないですが、またお邪魔します。o@(^-^)@o。ニコッ♪ (May 8, 2008 05:39:00 PM)

 Re:血風甲州路(91)(05/08)   abilitgrunavi さん
この人の腕が立てば、やる前にどちらが強いか分かりそうな感じですがね。 (May 8, 2008 11:05:26 PM)

 おはようございま~す   mi0mi0 さん
いつも一言ありがとうございます! (May 9, 2008 06:53:53 AM)

 おはようございます(^^♪   つり丸1975 さん
うちの庭にも
蝶が飛んでましたよ(^^♪ (May 9, 2008 08:47:25 AM)

 格好良いですね   素浪人199 さん
眠狂四郎を思い出しました!
ありがとうございます! (May 12, 2008 12:58:21 PM)


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