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May 9, 2008
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カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
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「我々のことを、加地三右衛門は知っておりやしたな」  猪の吉が気を取り戻し

訊ねた。  「今の刺客は加地の指図ではない、水野忠邦の差し金じゃ」

「それはどういう意味です」  猪の吉が瀬川一馬の死骸をふり向いて聞いた。

「わしは瀬川とは、蔦木宿の風呂で相湯をいたした仲じゃ」

「奴はそんな近くに潜んでおりやしたか」

「そうじゃ、あたら腕前に慢心し一命を落としたのじゃ」

「驚いたね」  猪の吉か吃驚顔をした。

 太陽が急速に連綿とつづく山並に沈み、街道に薄闇が忍びよってきた。

 暫く急ぐと前方に、きらきらと灯が見えてきた。

「あれが最後の上諏訪宿じゃな」  「さいですな」

「猪の吉、済まぬがひと走りしてくれぬか」  「旅籠ですかえ」

「本陣宿の茶臼屋じゃ、既に高島藩より知らせが参っている筈。我等の

到着を知らせてもらいたい」

「合点承知の助ですぜ」  猪の吉が脱兎のごとく走り去った。

 求馬とお蘭は肩を並べ、ゆっくりと宿場町へと歩を進めた。

「旦那、あれが諏訪湖ですか?」  お蘭が立ち止まり指をさした。

 大きく仄暗い湖水が眼の前に広がり、灯をうけてきらきらと白波が輝いて

いる。  「海のように大きな湖ですね」

 二人は湖水の横の常夜灯を横切り、宿場町に足を踏み入れた。

 さすがに城下町である、旅人に交じり町人や藩士が急ぎ足で行き来している。

「とうとう最後の宿場に着いたのですね」  お蘭が感慨ぶかい顔をしている。

「旦那、こちらで」  猪の吉が駆けよってきた。

 三人は茶臼屋の奥座敷に案内された、そこには裃姿(かみしもすがた)の主人

が待ち受けていた。

「遠路、ご苦労さまにございました。わたしめが主人の与兵衛にございます」

 初老の男が丁重に名乗った。

「伊庭求馬にござる。国家老、磯辺頼寛殿のお手配りにござるか?」

「はい、明日の四つ(午前十時)に、お伺いいたすそうにございます。今宵は

ゆるりとお寛ぎ頂きとう存じます」

「丁重なる挨拶痛みいる、お言葉に甘えさせて頂く」

「早速、茶なぞ差し上げましょう」  「冷や酒もお願いいたす」

「畏まりました」  与兵衛が下がろうとした時、求馬が声をかけた。

「与兵衛殿、ついでにお願いがござる」  「なんなりと申して下さい」

「我等を狙う浪人と頭領十一名が、この宿場町に泊まっておる筈、何処の

旅籠かお調べ願いたい」  「すべて浪人にございますか?」

「いや、頭領はさる藩の用人、名前が判れば重畳にござる」

「早速、内密に調べさせましょう」

 与兵衛が下がり、すぐに女中が茶と茶菓子に冷や酒を持参した。

 お蘭が茶を啜り、茶菓子を口にしている。

「このお菓子は、あたしなんぞには勿体無い絶品ですよ」

「あっしと旦那は酒です」  猪の吉が湯呑みに注ぎ分けて飲みだした。

「きりっとした辛口の美味い酒ですな」

 求馬が湯呑みを手にし窓を開け放った、湖上からの風が冷たく感じられる。

 ここから城下町の喧騒と西北に位置する、諏訪高島城の三層の威容が

よく見える。  「旦那、諏訪湖が見えやせんな」

「地形が変わったようじゃな」  求馬が横顔をみせ呟いた。

「でも、大きくて綺麗な湖でしたよ。ねえ、旦那」

「師匠、あっしが邪魔ならそう云っておくんなさえよ。その間に加地三右衛門の

動きなんぞ探ってめえりやすから」

 猪の吉がお蘭を揶揄った。

「猪さん、意地悪はよしておくれ」  お蘭が顔を染め啖呵をきった。

「失礼をいたします」  襖がひらき主人の与兵衛が顔をみせた。

「先刻の件にございますが居りました、宿場外れの花ノ屋と申す旅籠に宿泊

いたしております。頭領は水野家用人の加地三右衛門さまに、浪人衆は十名

と判明いたしました」

「旦那、堂々たるものですな」  「本名を名乗りおるか」

 求馬と猪の吉が顔を見つめあった。

「皆さま、これから夕餉の用意をいたします、庭の向こうに風呂がございます。

手拭、宿衣の用意も整っておりますれば、ゆるりと湯にお浸かり下さい」

「かたじけない、早速、旅の垢でも落として参ろう」

 三人は風呂に向かった。  「師匠も一緒ですかえ」

「あたしの裸を覗き見たら、目がつぶれるよ」  「そいつは恐いや」

 お蘭と猪の吉が、掛け合いで喋りまくっている。

血風甲州路(1)へ

 







Last updated  May 9, 2008 11:39:10 AM
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 Re:血風甲州路(92)(05/09)   rakutendaisuki123 さん
龍さま
こんにちは!

今日は、暑くも無く心地よい天気です!

ゴールデンウィーク中に植えた
「コピア」という苗が 根付いて小さな花が
咲いてきました(^^)

ご挨拶の一句本日も感謝です!
お返しのランクリ完了です!! (May 9, 2008 12:10:29 PM)

 Re:血風甲州路(92)(05/09)   よりちゃん0606 さん
腕に自信のある者は試したいのかも知れませんね
そこを上手く水野に使われたみたいですね
今度が最後でしょうか
お蘭がいい役回りですね
和みます (May 10, 2008 12:02:29 AM)

 Re:血風甲州路(92)(05/09)   kei30318274 さん
龍さま おはようございます。
いつも素敵な一句 あろがとうございます。
バラや草花を植栽するようになってから、
身近にアゲハチョウを見る機会が多くなりました。
先日はカラスアゲハを見ましたよ。
求馬さんたちも最後の宿場に到着ですね。
水野の用人も本名を名乗って旅籠に泊まってるの
ですね!如何な展開になるのか楽しみです。 (May 10, 2008 11:01:58 AM)

 Re:血風甲州路(92)(05/09)   flamenco22 さん
お蘭と、猪の吉、いいコンビですね。
この3つ位前の日記から、ザーッと読んでます。
楽しい雰囲気が伝わってきますよ! (Jul 9, 2011 09:12:15 PM)


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