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May 14, 2008
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カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
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 求馬が躯を反転させ、踏み込みざまに村正を打ち下ろした。青白い刃紋の

輝きが帯を引き、ずんーっ、と肉を絶つ感触を掌に感じ、更に前面の標的に

肉薄した。恐怖に顔を引きつらせた対手が上段に大刀を構えた。

 求馬が素早く反応し片膝を地面に付け、村正が唸りをしょうじ水平に奔りぬけ

た。まさに紙一重の差である、上段からの大刀と水平に奔りぬける村正が宙で

交差した。お蘭が蒼白となり目を閉じた。苦痛の呻き声が洩れ、目を見開いた

時、対手の浪人が仰向けに血飛沫をあげ、斃れ臥すのを目撃した。

「お蘭、案ずるな」  求馬が余裕の声を懸け、眼を転じた。

 加地三右衛門が、頭分とお覚しき浪人を引き連れ、木立の間を逃走する

姿が見えた。

「卑怯な」  求馬の痩身が二人に追いすがった。それを見た残りの五名が、

それぞれの得意の構えで殺到してきた。

「お主達、あたら命を粗末にいたすな」  「ほざくな」

 五名が問答無用と大刀を輝かせ、猛然と迫ってきた。その瞬間、求馬の

痩身が群に飛び込んできた、村正が縦横に白い光芒を放ち苦悶の声と鋼の

ぶちわたる音が響いた。流石は元公儀隠密として名を馳せた腕前である。

 瞬く間に三人が虚空を仰ぎ血飛沫をあげた。

「いかに」  求馬が凛とした声をあげ血塗れた村正を正眼とした。

 残った二人の浪人が血眼で構えを建て直し、一気呵成の攻撃をしかけた。

 一人の大刀を峰で弾き返し、突きこんでくる切っ先を躱しざま抜きつけの

一閃を対手に送りつけた。村正が脳天を真っ二つに両断した。

「くそっ」  恐怖で顔を歪めた浪人の必殺の攻撃を躱しもせず、下段より

村正の切っ先が跳ね上がった。一瞬はやく対手の喉首を刎ね斬った。

 それは凄まじいほどの神速の業であった。

「ぐふっ」空気の洩れる異様な声を発し、対手の躯が求馬の体躯に打ち当たり、

その反動で仰向けに熊笹の繁みに斃れこんだ。

「旦那っ」  お蘭が金切り声をあげ駆けつけた来た。

「お蘭、大丈夫じゃ」  求馬の全身は蘇芳色(すおういろ)に染まっている。

「お怪我はありませんか?」  「返り血じゃ、大事ない」

 お蘭が求馬の顔についた血糊を拭ってくれた。周囲は踏み荒らされた熊笹

が無残な姿を見せている、清冽な湖の空気が生臭い臭いを漂わせている。

「加地三右衛門を追わねばならぬ」  「加地が逃げたのですか?」

「浪人の頭分を連れて卑怯にも逃げおった」  「あたしもご一緒します」

 求馬とお蘭が追跡に移った、さっき通った道なので迷うこともなく進んだ。

「あそこじゃ」  求馬が乾いた声で指をさした。

 転がるように二人が小道を急いでいる。  「待たぬか、卑怯者」

 求馬の声で振り向いた二人が、観念したように足を止めた。

「伊庭求馬、この場で引導を渡してくれよう」

 加地三右衛門の細い眼が見開かれ、血走ってみえる。

「貴様の汚いやり口で六紋銭の村は廃村となった。ここでわしが命を絶つ」

「無理じゃな、まずは絵図を渡すことじゃ」

 加地三右衛門が、自信に満ちた声で嘯いた。

「笑止、金塊なんぞはない。今頃は高島藩国家老の手許に届いておろう」

 求馬の冷めた言葉を聞き、加地三右衛門が身を引いた。

 一人残った浪人が獰猛な顔つきで大刀を抜き放った、金壺眼をした目が

冷静な色を秘めている。出来るなと瞬時に悟った。

「お蘭、ここを動いてはならぬ」  求馬がゆっくりと痩身を近づけた。

 対手は草履を後方に跳ね飛ばし大刀を正眼に構え、摺り足で三間ほど

間合いを詰めた。求馬は冷めた眸を据えたままでいる。

 対手が見事な足さばきで接近してきた、両者は二間の距離を保って対峙した。

「見事な腕を持ちながら、走狗になりおったか」

 求馬が乾いた声をなげ、村正の鯉口を切った。

 対手は水のように静かな構えを崩さずにいる、長い対峙となったが、徐々に

勝負の潮合いガ迫ってきた。先に仕掛けたのは浪人であった。

 凄まじい懸け声を発し、求馬の面に鋭い打ち込みを送りつけてきた。

 村正も負けずと迸り、鋼と鋼の音が響き両者の大刀が宙で交差した。

 見守るお蘭が、白く輝く大刀の迸りを見て目を閉じた。

 その間に両者の足場が逆転していた。秘術をつくした攻防が続き、浪人

の肩先から鮮血が滴っている。金壺眼が見開かれ、呼吸があがっている。

 村正が求馬の躯を中心としてゆるやかな円弧を描いて左下段の構えとなっ

た。湖上から吹きつのる風が、両者の間を吹き抜けていった。

「だあー」  浪人が奔りより正面から猛烈な斬り込みをみせてきた。

 迸る閃光を本能的に躱し、村正が浪人の右脇腹に襲いかかった。

「くっ」  浅手を負わされた浪人が大刀を一閃させたが、それは求馬の翳を

斬ったにすぎなかった。頭上に冷たい刃風を感じ、身をそらそうとした瞬間、

凄まじい衝撃を受けた。村正が見事に頭蓋を断ち割ったのだ。

 噴出する血飛沫の中で求馬が、痩身を加地三右衛門へと向けた。

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Last updated  May 14, 2008 03:20:17 PM
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