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May 15, 2008
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カテゴリ:伊庭求馬孤影剣
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 求馬、この地で斃れるか?

「加地三右衛門、ここがお主の墓所となるか」

 求馬の乾いた声を浴びた、加地三右衛門が不敵な笑みを浮かべた。

「その言葉、そっくり返してやろう」  求馬の脳裡に不審な念がよぎった。

 今の境地に立った、加地の言葉とは思えなかったのだ。

 加地三右衛門が細い目蓋の奥から、眼を光らせ懐中から右手を抜き出した。

鈍く光沢を放つ短銃が握られていた。

「卑怯ー」  「喚(わめ)け、動けば遠慮のう引き金を引く」

 見守っている、お蘭が蒼白となった。

「走狗(そうく)の犬、加地三右衛門。遠慮のう引き金を引くことじゃ」

 求馬が村正を垂らし、うっそりと佇みながら嘯いた。

「やい、加地三右衛門、侍なら侍らしくしなさいよ」 

「ほう、色っぽい姐さんじゃな、伊庭を始末して可愛がってやろう」

「馬鹿を云うんじゃないよ、これでも江戸子だよ。旦那になにかあったら舌を

噛み切って果てるまでさ」  お蘭が蒼白な顔色で必死に啖呵を切った。

「威勢のよい女子じゃ、伊庭ともども冥途に送ってつかわす」

 加地三右衛門の細い眼に残酷な色が刷かれた。

 瞬間、求馬の痩躯が宙に跳ね上がった。短銃の銃声が響き、求馬の躯が

わずかに静止をみせたが、加地三右衛門の頭上を猛禽のごとく飛び越え、

村正が鋭く青白い光芒を放った。

「ぎやっー」  獣のような声をあげた加地三右衛門が熊笹の中に転がった。

 短銃を握った右手が肩口から両断され、宙に跳ね上がっていた。
 
 求馬が跳躍し一瞬の隙をついて、村正で加地の右肩を薙ぎ斬ったの

だ。着地するや痩身を加地三右衛門に向け、村正の切っ先が咽喉をかき切っ

た。血が噴き上がり、断末魔の声をあげる事も叶わず、加地三右衛門が

もんどりうってのけ反った。

 求馬はその傍らに村正を杖として立ち上がっていた。

「旦那っ」  お蘭が転がるように駆けよってきた。

「お蘭」  二、三歩、お蘭にそばに歩みより求馬が地面に膝をついた。

「お怪我ですか」  駆けよったお蘭が求馬の躯を抱え起こした。

「奴の弾を食らった」  見ると左胸に銃弾の跡があり、鮮血で濡れている。

「確りして下さいな」  「そこの岩にもたせかけてくれえ、そして火を熾せ」

「はいな」  求馬は躯を岩にもたせかけ、乱暴に柳行李を開けた。

「旦那、火が熾りましたよ」  「小柄の切っ先を焼くのじゃ」

 求馬は、その間に三尺手拭を傷口に当て出血を止めている。

「小柄の先は赤く焼けたか?」  「はいな」  「着物を脱がせてくれ」

「弾を取り出す、取り出したら印籠の薬を傷口を埋めるように塗ってくれ」

「はい」  お蘭が蒼白な顔色をみせながら気丈に振舞っている。

 求馬が真っ赤に焼けた小柄を突き刺した、肉の焦げる異臭が漂い、お蘭が眼

を瞑った。求馬の額に脂汗が滲みだし、頬を伝って滴り落ちている。

 お蘭が手拭で懸命に拭いている。求馬が苦痛を堪え傷口から弾を取り出し

た。「頼む」  求馬が苦しげに岩に躯をもたせかけた、お蘭が血が噴出す傷

口に印籠の薬を塗り込んだ。  「出来ましたよ」

「傷口に手拭を当て出血を止めるのじゃ、その上から油紙を当ててくれ」

 失血の所為で求馬の顔が青白く見える。

「終ったら、三尺手拭を躯に巻きつけるのじゃ」  「こうですか?」

「もっときつく縛りあげよ」  「はい」  お蘭が治療を終え着物を着せかけた。

「良く遣ってくれた」  「大丈夫ですか」

「わしは死なぬ、そのうちに猪の吉がもどってこよう」

 ずるっと求馬の躯が岩から滑った、すかさずお蘭が抱きとめ膝に頭を乗せ、

道行き衣で求馬の痩身を覆った。お蘭には求馬の衰弱する様子が手にとるよう

に判る。 「確りなすってくださいな」 「そちに助けられたのは二度目じゃな」

 薄っすらと求馬が頬を崩した。  

「雲が綺麗じゃ」  擦れ声で空を見入っている。

(猪さん、早くもどっておくれよ)  お蘭が祈る思いで猪の吉の帰りを待った。

 益々、求馬の容態が悪化している。

「お蘭、わしは疲れた。・・・・暫く眠る」  求馬が眼を閉じた。

「旦那っ」  お蘭の問いに求馬の返答はなかった。

 信濃の空が青く輝きだす午後であった。          「完}

本日をもって血風甲州路は完了いたしました。皆様のお蔭で歴史部門

は1位となり、小説ブログランキングは4492の中で3位となりました。

 これも皆様の応援の賜物と深甚なる謝意を表します。

 今回で筆を置きますが、次ぎの作品もよろしくお願いいたします。

 有難うございました。


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Last updated  May 15, 2008 12:03:49 PM
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